伊豆市長が「カブカップ」にプライベート参加!! 大槻ひびきと現役高校生チームに合流 伊豆市議会議員も別チームで
静岡県伊豆地域を拠点に課外活動を続ける「原動機研究部」の『CUB-CUP日本GP』出場体制がわかってきました。外部顧問でタレントの大槻ひびきさんと現役高校生チームに、プライベートで菊地豊(伊豆)市長が合流。伊豆市議会議員が加わるチームも。高校卒業生らOBチームは参戦2回目で上位入賞を目指します。
「原動機研究部」の活動の原点となった、「カブカップ」への参戦
静岡県伊豆地域を拠点に課外活動を続ける「原動機研究部」(原研)から、2022年8月13日に富士スピードウェイで開催される『CUB-CUP日本GP』(カブカップ)に3チームが出場します。
※カブカップ日本GPは台風の影響により中止(12日10:36現在)との発表がありました

チーム「原動機研究部 #221」は、タレントの大槻ひびきさんと菊地豊伊豆市長、現役高校生3人の5人体制。大槻さんは原研の外部顧問です。「ピザ屋」の部にホンダ「ベンリィ50」で挑みます。
チーム「原動機研究部 #220」は、伊豆市の波多野靖明市議が加わる大人5人と高校生3人の総勢8人体制。こちらは「寿司屋」の部にスズキ「バーディー50」で出場します。
チーム「原動機研究部 #47」は、原研を高校のクラブ活動で体験したOB3人と5人の現役高校生で挑戦。「ベンリィ50」で「寿司屋」の部に出場します。OBは2019年に続く2回目の出場です。
原研OBにとって「カブカップ」は、活動の原点となる思い出深いレースです。

もともと原研は、学校のクラブ活動でした。名前の通りエンジンなど原動機の仕組みを探求するクラブで、身近に分解できるエンジンが無くなると、近隣農家の農機具エンジンを分解・清掃させてもらい経験を積んでいました。自ら整備したエンジンで力試しをしたいという意欲でカブカップ出場を目指し、費用は整備の謝礼で捻出しました。
しかし、その活動が地元紙で取り上げられると、運転免許を認めていない学校は開催直前になって、カブカップ出場を認めない姿勢に一転。部活ではなくプライベートで参戦しましたが、結局、部活動は停止。彼らの母校に「原動機研究部」の名前は、もうありません。
工業科のある高校で、なぜエンジンに興味を持つことが否定されてしまうのか。なぜ自分たちの整備したエンジンを試すことができないのか……。そんな思いが、部員の出身高校を問わず課外活動として存続させるきっかけとなったのです。
カブカップ参戦から、次のステージへ
大槻ひびきさんたちとチームを組む菊地市長は、人口減少、高齢化する地域で、地元高校生の移動の手段を保護者だけに頼る現状を何とかしなければいけない、という危機感を抱いていました。

そこにバイクを活用するためには、地域や保護者に安心して受け入れられる環境を整えることが必要。そのためには学校以外で交通安全教育が支えられる環境がなければならない、という思いがありました。原研の部員たちの活動は、そんな市長の思いと重なっていました。
波多野市議は、部員のSNSでの発信から彼らの活動を知り、原研の活動が地域に広がることを助けています。
一方、大槻ひびきさんは、卒業生が課外活動「原動機研究部」を立ち上げた際に、ロゴマークをデザイン、提供したことがきっかけで、免許取得前に自身のバイクを購入したほどバイクの沼にハマってしまいました。
原研が伊豆市の観光を盛り上げようと企画したツーリングでは菊地市長と共に走り、伊豆市の観光施設「虹の郷」の電動キックボード導入を部員たちと一緒に考え、そのお披露目式には菊地市長も駆け付けました。
原研のカブカップ参戦で関わるコーチらも、原研のユニークな活動をSNSなどで知った大人たちです。

2019年から始まる「原動機が好き」な高校生たちの活動は、コロナ禍を経て、地域の大人たちを巻き込んで成長しています。
原研関係者は、カブカップに参戦することで、地域に残るバイクのマイナスイメージの払拭を目指します。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。








