一体何が正解? チェーンメンテナンスのリアルとは
バイクの性能を維持していくうえでの基本メンテのひとつが、チェーンに関係するもので、定期的な清掃や注油、調整など、内容は多岐にわたります。そんな、チェーンのメンテナンスについて、解説します。
チェーンの役割と基本メンテ
チェーンのメンテナンスは、バイクの性能を維持していくうえで重要です。定期的な清掃や注油、調整など、その内容は多岐にわたり、チェーン自体も消耗品となっています。
そんなチェーンの最近の主流は、シールチェーンと呼ばれるタイプ。そのメンテンス方法をご紹介します。

まず、チェーンの役割はエンジンで発生した駆動力を後輪に伝えるためのもの。そしてスクーターはベルト、BMWなど一部のメーカーはシャフトなど特殊な例もありますが、MT仕様のバイクの大部分では金属製のチェーンが使われています。
その理由はメンテナンスのしやすさやコストなどが主ですが、機能面では走りに直結するホイールベースを簡単に調整できるというメリットがある為です。
そんなチェーンのオーナー自身でできる基本メンテナンスは、表面に付いた汚れや古い油をブラシなどで取り除き、その上で注油を行うというもの。さらに高度な基本メンテナンスとしては、たるみの点検や調整となりますが、こちらはあまりバイクに詳しくないという人は、ショップなどプロに任せた方が良いでしょう。
具体的な内容としては、各バイクには指定のたるみ量があり、前後スブロケの中間あたりで上下に動かして、その幅を測ります。そして既定値に収まっていればそのまま、超えている場合はリアのシャフトを緩めて、既定値に入るように調整する流れです。

なお、チェーンの形状や役割は自転車とバイクで違いはありませんが、自転車では測定や調整はほとんどしません。その理由は自転車にはサスペンション機能がないからです。
バイクの場合はフロントのスプロケット(ドライブスプロケット)の中心軸とリヤサスペンションの付け根の軸の位置が別のところにあり、上下にストレスなく動かすには余裕を持たせなくてはならないため、たるみが必須。
ちなみにチェーンの張り具合は、緩いよりも張りすぎの方が、問題は発生しやすくなります。
チェーンの種類によってメンテナンス議論も勃発!?
前述した調整で、基準値内に収まらない場合は通常、新品交換となりますが、DIYでメンテナンスを行う人々の間で大きな議論が巻き起こっています。それがシールチェーン論争です。

チェーンはリンクと呼ばれるプレートをピンで結んで作られていて、ピン部分にはスプロケットに対してスムースに当たるようにローラーと呼ばれる筒が付いています。これはローラーリンクと呼ばれるものですが、この部分の動きをなめらかにするために注油を定期的に行う必要があるのです。ちなみに、チェーンの伸びはローラーとピンが摩耗することで起こり、単純にプレートなどが伸びるわけではありません。
一方で最近、純正でも採用が進んでいるシールチェーンは、ローラー内部にグリースが詰められていて、プレート部分にはOリングが入ることで、気密性が保たれていることが特徴です。この仕様により、シールチェーンには定期的な注油が必要ないという意見が、シールチェーン論争。不要派の言い分は、内部にグリースが封入されているので潤滑のために注油する必要はなく、そもそも肝心のピンの部分に潤滑油は届かないというものです。
また、プレート同士(内プレートと外プレート)は接触していないので、この部分についても注油の効果はないとしています。そして、必要派の理由としては、注油することでOリング部分は潤滑されることに加え、チェーン全体を油分で保護できるというものです。一体、どちらが正しいのでしょうか。

実はシールチェーンが登場した当初、メーカー自身がメンテナンスフリーを謳っていました。しかし現在では、メーカーもシールチェーンの定期的な清掃と注油を推奨している為、ますます混乱してしまいます。
この背景には、メーカーがチェーングリースやオイルをラインアップしていることも関係しているように思えますが、シールチェーンに注油しても機能性に問題はないため、ユーザーの判断次第というのが、実情となっています。
もちろんノンシールチェーンは、定期的なメンテナンスが必須です。
シールチェーンと比べるとノンシールチェーンは格下な印象を持っているユーザーも多いと思いますが、手間がかかるというだけで、安価な上にOリングによるプレートの押さえがない為、低フリクションという利点も持っているパーツ。
それぞれのチェーンの構造や特性を知ったうえで、メンテナンスをするよう心がけましょう。









