風格あるデザインと、優しい乗り味

　皆さん、こんにちは！　バイク好き女優の小野木里奈です。

　今回は、ホンダの新型「CB1000F」に試乗しました。「大型バイク＝パワフルで緊張するもの」という印象を持つ人も多いと思いますが、このバイクは「包み込むような安心感」と「凛とした力強さ」のどちらも感じられる1台でした。本日の『小野木里奈の○○○○○日和』は、「試乗日和」です。それでは、いってみましょう！

　今回試乗したカラーは「ウルフシルバーメタリック」です。一見シンプルなグレーに見えるタンクですが、近づくとキラキラと細やかなラメが光り、ブルー2色のラインがその輝きを引き立てています。上質でありながら、どこか気品のある佇まい。まさに「CBらしさ」を感じる部分です。

　燃料タンクの存在感や全体の造形からは格式高い伝統が漂っていて、思わず「さすがホンダのCBシリーズ」と声に出してしまいそうでした。

　それでは、恒例の足つきチェックでございます！　シート高は795mmで、私（身長160cm）が跨ると両足つま先立ちになりますが、両足の指でしっかり地面を支えられる安定感があります。

　車両重量は214kgと、数字だけ聞くと重たく感じるかもしれません。実際にサイドスタンドを払って起こす時に、「よいしょっ」と少し力も必要でしたが、真っ直ぐ起こした後はとても安定感があって不安が無いのがありがたいのです。そして跨ってみると足まわりの形状がスリムなので、想像よりずっと扱いやすい！

　個人的に好みな点は、上半身から下半身にかけてのポジションバランスが絶妙で、ハンドルが遠くなく、前傾も控えめ。この「自然に座れる姿勢」が本当に大事で、初めての大型バイクでも余計な力が入らず、構えずに乗れるのです。ロングツーリングの時にこのポジションだったら疲れにくいので挑戦しやすいだろうな、と思いました。

　この時点で、エンジンをかける前から「このバイク、落ち着いて乗れそう」と感じてしまうほど！

　さて、いよいよエンジンスタート！　心の中で「ドンッと来るんだろうな……」と身構えていた私。しかし、実際にアクセルを開けると……びっくりするほど滑らかなスタート。思わず「えっ、優しい！」と声が出るほど、予想外の穏やかな発進でした。

　でも、その柔らかさに油断してはいけません。走り出してからアクセルをさらに回すと、一気にギュイン！　と風を切る加速。この反応の良さが気持ちいい！　スムーズでありながら、しっかり力強い。まさに「頼れる大人のバイク」という印象です。

　箱根スカイラインを走行したとき、コーナーのたびに感動しました。目線を曲がりたい方向に向けるだけで、バイクが吸い寄せられるように自然と倒れていくのです。自分が頑張って操作しているというよりも、バイクと自分の動きが一体化している感覚。そのおかげで、長いワインディングでも全く疲れません。「自分、ちょっと上手くなったかも？」と錯覚してしまうほど（笑）。

　でも、それはこの「CB1000F」の安定性と優れたバランスがあってこそ。まるでライダーを導くように、自然と正しいラインを描かせてくれるのです。

　大型バイクと言うと「難しそう」、「扱いにくそう」と思われがちですが、「CB1000F」は「安心して走れる余裕」を持っています。

　発進時の穏やかさ、しっかりした車体、そして疲れにくいポジション。どれも初めての大型バイクに乗るライダーにとって心強いポイントです。

　もちろん、スポーティな走りを楽しみたいライダーにも十分応えてくれます。箱根のようなワインディングも、街中のストップ＆ゴーも、どちらにもフィットする懐の深さがありました。

　気になる価格（消費税10％込み）は139万7000円。この完成度と存在感を考えると納得のプライス。日常を特別な時間に変えてくれる――そんな価値を感じました。

「CB1000F」は、ただ速いだけのバイクではありません。風格あるデザインと、優しい乗り味。この2つのバランスが見事に共存していて、乗っている自分まで少しだけ背筋が伸びるような気がしました。

　大型バイクの世界に踏み出したい、街でも品良く走りたいライダーには、まさにぴったりの1台だと思います。

　それでは、また次の月曜日にお会いしましょう！