ヤマハ「”新型”スクーター」の実力は? ライフスタイルに併せて3つのパターンから選べるのも魅力!! 全国販売開始した「JOG E」試乗

電動モビリティに造詣の深い近藤スパ太郎さんが、全国販売を開始したヤマハ「JOG E」について解説します。

安定感のある走行性が魅力

 こんにちは! 最新モビリティに興味津々の近藤スパ太郎です。

 特に電動モビリティは、最新技術やシステムを投入した車両が続々登場するので、ボクは興味津々です。

 いよいよ2026年7月17日から、ヤマハの原付一種電動スクーター「JOG E(ジョグ イー)」が全国で販売開始になりました。

 JOG EはホンダのOEM供給車で、ホンダEM1 e: (イーエムワンイー)がベースです。国内4メーカー共通の交換式バッテリー(Honda Mobile Power Pack e:/以下MPP) 1個と、48V系インホイールモーターで走るなど、構造や基本スペックは共通。

 ですがJOGEには、1983年の発売以来、長年親しまれてきたJOGらしさも投入され、ヤマハの拘りが感じられる1台なのです。

ヤマハ「JOG E」に乗る筆者(近藤スパ太郎)。低速時に最大トルクを発揮し、ブレーキ性能、走行安定性など、トータルバランスがとても高い車両です(写真:高橋進)
ヤマハ「JOG E」に乗る筆者(近藤スパ太郎)。低速時に最大トルクを発揮し、ブレーキ性能、走行安定性など、トータルバランスがとても高い車両です(写真:高橋進)

 例えば、EM1e:はヘッドライトをボディカウル内に装備してEVらしい近未来的なデザインに仕上げていますが、JOG Eは、ヘッドライトをハンドルカバーと一体化させたJOGらしいスポーティなデザインです。ハンドル操作に合わせてヘッドライトが進行方向を照らしてくれる点もこれまでと変わらず。

 さらにボディーカウルにボルト穴を設け、フロントバスケットの取り付けも可能です。街乗りや通勤通学に愛されてきたJOGは、電動バイクになっても継承されているのです。

 実はJOG Eは、昨年の12月から“車体のみ”を東京・大阪の地域限定で先行販売していました。そう、バッテリーと充電器の販売はなく、車体のみです。

 東京と大阪の一部エリアで普及が進んでいる、バッテリーシェアサービスの「Gachaco(ガチャコ)」ステーションを利用して、街中でバッテリー交換するユーザーが対象でした。

 ですが今回は、MPP(バッテリー)が1個と専用充電器が付いて、販売価格は税込み32万3400円。国の補助金2万3000円を活用すれば、30万400円。さらに自治体の補助金も活用でき、東京都の場合は3万6000円の補助があり、26万4400円で所有出来ます。

 さらに今回、Gachacoがバッテリー(1本2530円)と、充電器(1台1430円)を月額でレンタルする「ベーシックプラン」を全国で開始しました。このプランを使えば、購入は車体のみでOKで、初期費用をグン! と抑えられるメリットが有ります。

 ちなみに車体のみの税込み価格は15万9500円、国の補助金を使えば13万6500円、東京都の場合は1万6000円の補助があり、12万500円でJOG Eのオーナーになれます。

 跨ってみると、かなりゆったりと乗れます。日本では原付一種ですが、EM1e:はグローバルモデルとして開発されています。110ccと同等サイズのため国によってはタンデムも可能で、それ故にシートが大きく、ステップボードも広いんです。

ヤマハの電動スクーターJOG E。フロント12インチ、リア10インチのホイールを採用し、走行音はほぼ無音で、EVならではの滑らかで快適な走りを楽しめます
ヤマハの電動スクーターJOG E。フロント12インチ、リア10インチのホイールを採用し、走行音はほぼ無音で、EVならではの滑らかで快適な走りを楽しめます

 走行モードは2つあり、先ずは通常モードで走ってみました。初速時に最大トルク90N・mを発生し、スロットル操作にリニアに反応するEVの特性を活かした設計のため、加速力があり、とても扱いやすいくストレスがありません。

 最高速度は少し抑えてあり、クローズドで試したところ体重77kgのボクは45km/hちょっと。原付一種の法定速度は30km/hなので少し余裕があります。

 もうひとつのECONモードは、出力と最高速度を抑えた省エネモードで、航続距離が約15%もUPします。裏道や住宅街を走るのに向いており、初めて電動バイクに乗る人も扱いやすいモードです。

 走行安定性もとても良く、リヤブレーキを掛けるとフロントもブレーキが掛かるCBS(コンビブレーキ)を備え、制動性や走行性能は非の打ちどころがない印象です。

 しかもほぼ無音で走るため、走行中に街ゆく人の会話や鳥の声が良く聞こえて、電動バイクの独特な世界観を満喫できます。

 速度表示が大きくて見やすいデジタルメーター、バッテリー残量は「%」表示なので残量が明確です。

 またコックピット下の右側に5V 2.1AのUSBソケット、左には600mlのペットボトルが入るポケット、中央には荷掛フックもあります。シート下にバッテリーを搭載していますが、小物を収納できるスペースも確保しています。

 スペック上の航続距離は「53km(30km/h定地走行テスト値)」ですが、試乗では重い荷物を背負って幹線道路をガンガン走り、カメラマンの前を行ったり来たりを繰り返すストップ&ゴーが多い走行……と、かなりバッテリーを酷使する条件でしたが、20km走行してバッテリー残量は30%でした。

 長距離用バイクではありませんが、試乗車はGachacoステーション契約バッテリーだった為、外出先で充電済みのバッテリーに交換できる利便性の高さも体験できました。 なるほどね、交換ステーションが多いエリアだとこんな使い方も有りなんだなぁ……と実感しました。

「JOG Eもバッテリーも購入」、「JOG Eのみ購入してGachacoでレンタル」、「JOG Eのみ購入してGachacoのバッテリーシェアサービスを使う」と、ライフスタイルに併せて3つのパターンから選べるJOG Eのも良いポイントですね!

■ヤマハ「JOG E」(原付一種)主要諸元
●全長×全幅×全高(mm):1795×680×1140
●シート高:740mm
●ホイールベース:1300mm
●車両重量:93kg
●原動機:交流同期電動機
●定格出力:0.58kW
●最高出力:1.7kW (2.3PS)/540rpm
●最大トルク:90N・m/25rpm
●一充電走行距離:53km(30km/h定地走行テスト値)
●駆動用バッテリー:Honda Mobile Power Pack e(リチウムイオン電池) 1個
●バッテリー電圧/容量:50.26V/26.1Ah(≒1.3kWh)
●ブレーキ:F・油圧式ディスクブレーキ/R・機械式リーディングトレーリング(CBS)
●タイヤサイズ:F・90/90-12 44J、R・100/90-10 56J
●車体色:ディグニファイドグレーメタリック、コンクリートグレー(試乗車)

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