秋葉原「バイクの日」イベント 佐藤前トヨタ社長も来場 観客動員数63%アップ
内閣府によって制定された「バイクの日」のイベントが好調です。開催時間を夜まで延長したことなどがプラス要因となり、観客動員数は3900人と大幅アップ。主催団体の自工会会長も訪れ、年齢層を問わずに盛り上がりをみせました。
来場者「2400人→3900人」激増
東京・秋葉原で開催されたバイクのイベント『8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY』の2026年来場者が3900人を記録しました。前年比で1500人の増員。仕事帰りの社会人も来場者として取り込み、幅広い年齢層の関心を集めたことが数字に現れました。
「バイクの日」は、8月19日の語呂合わせながら、ライダーの安全意識向上と交通事故抑止を狙って、1989年に内閣府(当時の総務庁)によって制定され、2026年で18回目を迎えました。
屋外での開催を続けてきましたが、年々厳しくなる暑さとの戦いとなり、近年では「アキバ・スクエア」(東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX)での開催が恒例になっています。
また、昨年から開催時間を14時~20時まで延長。主催団体の1つである「日本自動車工業会」の二輪車委員会担当者も確かな手ごたえを感じていました。
「アキバ・スクエアはビルの2階のオープンスペースですが、展示やイベントスペースがある奥は空調が効いています。来場者にとっても、快適に過ごすことができますし、開催時間の延長でバイクに関心のあるそれぞれの年齢層が、昼間は若年層、夜は社会人と、それぞれの予定にあわせて来場できるようになりました。この場所での開催も4年目を迎えて、バイクの日といえばココ、秋葉原が定着してきたのではないでしょうか」
「佐藤会長! バイクの免許取りませんか?」
思わぬ来場者も姿を見せました。18時頃、リュックを背負ったワイシャツ姿の社会人の車両試乗(またがり)が目立つ中で、トヨタの前社長、佐藤恒治代表取締役副会長が登場しました。
佐藤氏のもう1つの肩書は、日本自動車工業会会長であり、その活動に力を注ぐ中での訪問です。出迎えたのは、二輪車委員会の委員を務める4メーカーの二輪車事業担当の責任者。各社イチ押しのモデルを前に、二輪免許を持たない佐藤会長に解説をします。

例えば、ホンダは「CB1000F」の前に、佐藤氏を案内しました。四輪と二輪の雄が、どんなことを話したのか。応対したホンダ二輪・パワープロダクツ事業本部長の加藤稔執行役員に話を聞きました。
「私がバイクの免許を持っていない人に、いつもたずねることが3つあるんです。“自転車に乗ることができるか”、“クルマの免許を持っているか”、“ジェットコースターに乗って気持ちいいと感じるか”です。
佐藤会長にお会いするのは初めてだったのですが、この質問でOKという人には、バイクをおススメしています。佐藤会長は全部OKということでした。それならバイクに乗っても、きっと楽しいですよと」
展示されたバイクは、ほぼすべてまたがることが可能でした。「CB1000F」にまたがった佐藤会長に、ガソリンタンクを膝で挟んで車体をコントロールするコツを伝授します。一連の解説を聞いた佐藤会長の感想です。
「軽く教習所に通った気分」
このイベントには、バイク関連事故の減少を呼びかける警視庁も出展。白バイにもまたがることができました。佐藤会長も、ホンダの電動スポーツバイク「WN7」をベースにした白バイにも乗車。「初めて乗った」と、気分を上げていました。
さらに、都内でバイク駐車場を整備しながら、その利用促進を呼びかける東京都道路保全公社の出展では、毎年更新される都内のバイク駐車場を地図付きで案内する「都内オートバイ駐車場MAP2026」を贈呈されましたが、これには少し困惑した様子で「バイクの免許ないし。夜、寝る前に見ようかな……」
メーカーの垣根を越えた展示が話題に
2026年の『8月19日はバイクの日 HAVE A BIKE DAY』は、利用シーンに合わせたバイク展示が、来場者に好評でした。新車展示は、メーカー別、排気量別、カテゴリー別が一般的ですが、これをあえて利用者を4つのタイプに分けて、それぞれに求められそうなモデルを4メーカーが推薦する手法をとりました。
例えば、バイクは無いけど、いつかは乗りたいと思っている「潜在的ライダー」に向けたモデル、逆に生活の中心にバイクがあり、情熱を注いでいる「求道派ライダー」に向けたモデル、スポーツバイクの横に小排気量の実用モデルが並んでいたりと、会場近くに勤務する来場者の1人は、こう話しています。
「免許は持っているけど、バイクにはしばらく乗ってないし、所有もしていません。最近のバイクは自分が昔、好きだったバイクのイメージを超える、思ったよりいろいろなモデルがあるんだなって、ちょっとした発見でした」
この一言は、バイクから離れていた層にも、あらためて興味を抱かせるきっかけになったかもしれません。酷暑の中でも来場者が途切れなかった今年の「バイクの日」は、潜在層の掘り起こしに手応えを感じさせるイベントとなったようです。
Writer: 中島みなみ
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。









