時代が早すぎた? 400ccクラス“直4”エンジンに4本マフラー!! ホンダ「CB400 FOUR」が追求した“新”ノスタルジック・ネイキッド・ロードスポーツとは
ホンダの大ヒットモデル「CB400スーパーフォア」から生まれたノスタルジックバージョン「CB400フォア」(1997年型)は、走りも排気音も作り直した真面目なレトロ4気筒でした。
「真の直4」だけが奏でる4本マフラーの迫力!!
時代とともに流行は変化し、好まれるバイクの形態も変わっていきます。
1980年代にフルカウルのレーサーレプリカが好調に売れている中で、「そうじゃないバイク」として企画されたのが、1992年にデビューしたホンダ「CB400 SUPER FOUR(スーパーフォア)」です。
「メイン機種ではないが、ネイキッドスポーツを好きな人もいるはず」という企画でしたが、発売後は大ヒットし、ロングセラーの定番機種となりました。
当時は同様のネイキッドスポーツが各社から登場し、市場は盛り上がります。しかしそれぞれの個性が薄れ、他機種との差別化が必要となった「CB400スーパーフォア」は、スポーツ度を増した「バージョンR」や「バーションS」を追加します。
この時期になるとユーザーの嗜好は多様化し、ホンダはここでも「そうじゃないバイク」を求めるユーザーために新しい価値観の「CB」を企画しました。
それが、1997年に登場した「CB400 FOUR(フォア)」です。

紛らわしいので先に確認しておくと、1974年に発売された集合マフラーを装備する「CB」は「ドリームCB400 FOUR」で、1997年に発売になった4本マフラーを装備するのが「CB400 FOUR」です。
「CB400フォア」は「CB400スーパーフォア」をベースにした、ノスタルジックとともに新鮮さも感じられるニュースタンダードモデルです。
懐古趣味とは過ぎ去った時代や物事を懐かしみ愛好することですが、バイクの世界ではかつての名車のイメージやデザインを新型車へ取り入れ、ユーザーの要望に応えています。近年のスクラブラーやカフェレーサーも、その例のひとつだと言えます。
「CB400フォア」にはホンダの名車である「ドリームCB750フォア」のスタイリングを取り入れました。注目はもちろん左右2本出しの4本マフラーで、直列4気筒エンジンであることをストレートに伝えています。
燃料タンクやシート、サイドカバーなどの構成パーツは、1970年代までのバイクのような個々に独立した面構成となっています。スチール製クロームメッキの前後フェンダーやスポークホイールも、トラディショナルな雰囲気を強調します。
そしてエンジンは前傾していた搭載角を起こし、水冷ながら深く刻まれたシリンダーフィンを追加し、最小サイズに抑えたラジエターでレトロ感とボリュームを演出しています。

全体的に質感は高いものの装飾は抑えられ、力強さと懐かしさは「ドリームCB750フォア」のイメージにも繋がります。
エンジンは外観だけでなく、独立したまま排気される4本マフラーやトルクを楽しめる5速化なども含め、構成部品も数多く変更されています。
フレームへのクロスパイプの追加やフロント18インチホイールの採用など、車体にも手応えのある大排気量車的なライディングを楽しめるように味付けされています。
単なるレトロ外装への着せ替えではなく、走りの細かい部分までノスタルジックに楽しめるよう手間のかかる開発がなされています。
しかし残念ながら、当時のユーザーは「CB400フォア」にあまり惹かれることなく、生産は2年ほどで終了します。
最近の中古車価格では100万円以上のプライスも見られ、生まれた時代が早かったと言えるかもしれません。
ホンダ「CB400フォア」(1997年型)の当時の販売価格は57万9000円です。
■ホンダ「CB400 FOUR」(1997年型)主要諸元
エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ
総排気量:399cc
最高出力:53PS/10000rpm
最大トルク:4.1kg-m/7500rpm
全長×全幅×全高:2130×780×1090mm
シート高:790mm
始動方式:セルフ
燃料タンク容量:15L
車両重量:201kg
フレーム形式:ダブルクレードル
タイヤサイズ(前):110/80-18 58H
タイヤサイズ(後):140/70-17 66H
【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)
Writer: 柴田直行
カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員













