メーカー開発責任者とワインディングを走る! 「地球の三大名産品を楽しんでほしい」の意味とは?
全天候型のタイヤはブリヂストンと共同開発
より優れた旋回力を獲得するために、ナイケンではLMWテクノロジー第1弾である「TRICITY(トリシティ)」より深いバンク角(車体の傾斜する角度)を実現しています。2つの前輪の内側にあったフロントフォークを外側に配置し、38度だったリーン角を45度に増やしました。

「フロントフォークが内側のままだと、より深く車体を寝かせたときに左右のフォークが干渉してしまうことがわかったのです」(鈴木さん)
また、120/70R15のタイヤサイズはヤマハのスポーツスクーター「TMAX530」と同じですが、ナイケン専用にブリヂストンと開発しました。
「より高い速度レンジに対応するタイヤを履いています。A41という銘柄ですが、Aはアドベンチャーではなく、オールウェザーを意味しています」(鈴木さん)
欧州の石畳+路面電車軌道の市街地を想定
駐車スペースに入るときも感じましたが、路肩にあるちょっとした段差を乗り越えるときも不安なく、気を遣わずに済むのがLMWのメリットのひとつです。前2輪がそれぞれ独立して上下動するので、衝撃をそつなく吸収してくれます。2輪のバイクなら、段差に対して浅い角度で乗り越えるのを躊躇しますが、ナイケンなら気になりません。鈴木さんは「コンビニに入るのも安心ですよ」と、教えてくれました。

開発時に想定していた最悪の路面イメージは「石畳の道にトラム(路面電車)の軌道があり、雨で濡れたシチュエーションです」(鈴木さん)と、ヨーロッパの古い街並みだということも教えてくれました。
2輪車がもっとも苦手とする状況であり、想像するだけでもスリップするのではないかと肩に力が入りますが、LMWならたとえフロントタイヤの片方が滑っても、もう一方のタイヤがグリップし、転倒は避けられるでしょう。
最後に、鈴木さんと山本さんは「ナイケンで、地球の三大名産品を楽しんでいただきたい」と言います。それは「遠心力」「重力」「空気=風」という、ライダーが全身で感じるの3つの要素です。お話を聞いてあらためてナイケンに乗ると、その3つが愛おしく思えてくるのでした。
【了】

Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。




