熊本製作所で見たユーザーに寄り添うホンダの姿勢 「Honda Motorcycle Homecoming」とは?

本田技研工業熊本製作所は、ホンダ2輪製品のマザー工場です。「Honda Motorcycle Homecoming」は、さまざまな体験プログラムを通じて、メーカーとユーザーの絆を深めます。その模様を体験してきました。

総出でのお迎えに、嬉し恥ずかし感激!

 モノからコトへと、ユーザーの体験価値が重要であると、いたるところで叫ばれていますが、本田技研工業熊本製作所でおこなわれた「Honda Motorcycle Homecoming(ホンダ モーターサイクル ホームカミング)」に参加すると、合点がいきます。

本田技研工業熊本製作所でおこなわれた「Honda Motorcycle Homecoming(ホンダ・モーターサイクル・ホームカミング)」

 それは工場見学や試乗会、トークショー、名車デモランといったプログラムが充実しているからだけではなく、心のこもった“おもてなし”を感じるからです。まず感動体験は会場に到着したところから始まるのでした。

 何に感激するかというと、本田技研工業・熊本製作所の従業員たちが総出で旗を振り、出迎えてくれるのです。真っ白なユニフォームを着たスタッフたちが道を挟むように列を作って、ライダーたちはその間をゆっくりと駆け抜けます。

熊本製作所の従業員たちが旗を振ってお出迎え

 従業員たちは旗を振り、口々に「おかえりなさい!」とライダー1人ずつに言葉を投げかけるのですから、来場したライダーたちは嬉しいに決まっています。

 イベントは入場無料で、1日タップリさまざまなプログラムを体験できますが、ホンダユーザーに限らず誰でも参加可能です。2018年秋からスタートし、2019年10月12日(土)に開催された第2回目は1900名もの来場者があり、大盛況でした。

愛車誕生の地へ足を運ぶ!!

「ベンリイCB92スーパースポーツ」や「ドリームCB750FOUR」など60年の伝統がある歴代CBシリーズも展示されましたが、特設ステージにておこなわれたトークショーでは、その開発ストーリーが設計の現場にいた原国隆(はらくにたか)さんによって語られたことも興味深いところだったと言えます。

トークショーに登壇した歴代CB開発責任者の原国隆(はらくにたか)さん

 RCB(Racing CBの意)時代の耐久レーサーや「CB-1」、「CB1000SUPERFOUR」を皮切りにした「PROJECT BIG-1」開発の張本人であるだけに、「レーサーレプリカ全盛のなかで、包容力のあるビッグネイキッドをつくりたかった」といった当時の心境を語った言葉のひとつひとつは、ファンにとって貴重なもの。筆者も一語一句を聞き逃すまいと、耳を傾けました。

熊本製作所の工場の一部を特別に公開して行なわれた生産ライン見学

 工場見学は今やさまざまな企業がおこない、製品が誕生する姿を一般公開していますが、自分の愛車が生まれる地で生産ラインを目の当たりにできるというのは特別な体験だと思います。

 熊本製作所は「スーパーカブ」から「ゴールドウイング」まで、また「RC213V-S」も生産する、言わばホンダ2輪製品のマザー工場です。ホンダユーザーなら一度は行ってみたいはず。周辺は国内屈指のツーリングルートですし、晴天に見舞われたこの日は本州から走ってきたというライダーも少なくありません。

荷物満載での来場者も

 熊本製作所ならではと感心したのは、敷地内にあるHSR九州サーキットコースでおこなわれた試乗会のアテンド・先導役を、そのモデルのプロジェクトリーダー(開発責任者)らが務めていたことです。

 試乗体験した人に声をかけ、さり気なく感想を聞き出していましたから、もしや次期ニューモデル開発の参考に大いに役立てるのかもしれません。

そのモデルの開発責任者もアテンド役として来場してくれる試乗会

 なんだかワクワクするではありませんか。このイベントは、作り手側とユーザーのダイレクトなコミュニケーションの場にもなっているのですから。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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