Asia Dream CupチャンピオンCBR250RRに試乗 MC41レーサーとラップタイムは変わらないのでは?

2016Asia Dream CupチャンピオンがCBR250RRを試乗します。MC41レーサーでチャンピオンを獲得した中村大輝の評価は?

サーキットの走りをいつでも感じられる懐の深いマシン

 豪華な装備をひっさげてリニューアルしたホンダの軽二輪スーパースポーツモデル「CBR250RR(MC51)」は、高価な価格に見合う走りを見せてくれるのか!? 2016Asia Dream Cupチャンピオンの私、中村大輝が試乗インプレッションします。

軽二輪スーパースポーツモデル「CBR250RR(MC51)」に緊急試乗

 ホンダが2011年に発表されたCBR250R(以下:MC41)は、低価格とスタイルで販売を伸ばしたモデルです。私は、MC41のワンメイクで行われたAsia Dream Cupに参戦し、2016年にチャンピオンを獲得しました。そんなCBR250Rは、2017年にスタイリングデザイン、車体、パワーユニットのすべてを新設計し、CBR250RR(以下:MC51)に進化、現在売り上げを伸ばしているようです。MC51の一体何が人を引き寄せるのでしょうか? 実際に乗って体感したことをお伝えします。

CBR250RR(MC51)試乗前に車体をチェック!

 MC51を改めてチェック、素直に「カッコイイ」と感じました。MC51からは、今どきの攻撃的なカウリングや、シートカウルの肉抜きなど、ホンダの本気度をマシンから感じます。

「やはりバイクに乗るうえでカッコイイって大事」

 ロードレーサーが好きな人なら、誰もが納得の格好良さではないでしょうか。胸を躍らせてバイクに跨ることができました。

 MC51に跨ってみると、身長が低い(162・)私でも足つき性はよく、ハンドル及びシートの角度が自然です。疲れにくく攻めやすい、絶妙なライディングポジションだと跨った瞬間にわかります。

フルデジタルメーターのデザインがかっこいい!

 また、フルデジタルメーターのデザインがかっこいい! 乗っていて必ず確認するのがメーターですから、視認性やデザインは非常に大事だと思います。フルデジタルメーターには、ギアポジション、ラップタイマー、ライディングモード表示し、様々な情報をライダーに瞬時に伝えてくれます。

CBR250R(MC41)レーサーとCBR250RR(MC51)の対比

 題名に“レーサー“とつけたのには理由があります。実は、MC41の市販車には乗ったことがないのです。しかし、Asia Dream Cupでは、改造範囲が非常に限られていたので、今回試乗したMC51との比較は容易でした。

MC41レーサーでAsia Dream Cupでチャンピオン獲得(#2中村大輝)

 試乗を開始すると、MC41レーサーと変わらないのでは? と思うほどエンジンがパワフル! パワフルといっても、パワーバンドが限られているわけでなく、低回転から力があり非常に扱いやすかったので、MC41レーサーとは味付けが異なるのだなと感じました。

 また、倒立フォークを採用したフロント周りの剛性が非常に高く、このままサーキットに持って行き走らせても同じようなラップタイムを記録できると思いました。

3つのモード(コンフォート、スポーツ、スポーツ+)の味付けは?

 Asia Dream Cupでレースをしていた頃は、改造範囲が限られている故に、ECU(コンピュータ)を設定してスピードやトルクの味付けをしていました。このMC51には、250cクラスで初めて採用されたスロットルバイワイヤ(電子制御スロットル)を制御し、主にレスポンスを変えてそれぞれの走りに違いを持たせています。

違和感なく扱い易いモードは、スポーツ

 コンフォートは、正直使っている人はほとんどいないのではないでしょうか。レスポンスがかなり悪く、高速の入り口ではもたついてしまいました。

 スポーツは、私が一番扱い易いモードでした。なにより一番違和感なく使えるモードだと思います。いろいろなモードや走り方を試した中で結局このスポーツに落ち着きました。

 レスポンス重視のスポーツ+は、丁寧にアクセルを開けなければぎくしゃくするような感覚です。いわゆるレースユースといった印象を受けます。強い走りを見せますが、街乗りではあまり好ましくありませんでした。

2気筒ならではの高回転域とエキゾーストサウンドの迫力

 MC51のレッドゾーンは、15000rpmあたりに設定されていますが、11000rpmあたりでも3室構造とされたマフラーの2室と3室それぞれから排気管を設けた「デュアルテールパイプ」仕様により、音の迫力が楽しめます。スタンダートの状態では、12000rpmでシフトタイミングをライダーに知らせるLEDランプが点滅するように設定されていました。

CBR250RR(MC51)の不満点を敢えて挙げるなら

 ここまでMC51は、かなりいいバイクだとお伝えしてきましたが、不満点もないわけではありません。例えば、振動が大きめであること。高回転ならではの微細な振動が、手の痺れをもたらすのではないかと思います。そのため、長距離走るには適度な休憩が必要な感じです。

ウインカースイッチは、位置が下過ぎでクリック感も強く硬い

 次に、ウインカースイッチは、位置が下過ぎでクリック感も強く硬い気がします。都市での走行では、ツライ難いと感じました。

 最後に街乗りにしてはフロントが固く、駐車場やコンビニなどに入る際、段差を越える時にフロントがぎこちない動きになる感じがします。気になる人もいるのではないでしょうか。

CBR250RR(MC51)の総評

 ホンダの軽二輪スーパースポーツモデル「CBR250RR(MC51)」は、他メーカーの競合バイクたちと一線を画し、高いバイクといわれていますが、買う価値があるバイクだと思います。実際に私も欲しくなるCBR250RRの試乗でした。

【了】

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