走り出せば自然と“笑顔”に!? メーカーメイドのボバーカスタム!! ロイヤルエンフィールド「ゴアンクラシック350」の魅力とは
2025年に国内導入されたロイヤルエンフィールド「GOAN CLASSIC 350(ゴアンクラシック・サン・ゴー・マル)」の2026年モデルに試乗しました。「CLASSIC 350」をベースに、大胆で斬新なメーカーカスタムが施されたボバースタイルです。いったいどんな乗り味なのでしょうか。
2年連続で生産台数100万台を突破
近年のロイヤルエンフィールドは年を経るごとに勢力を拡大中で、2024年と2025年は年間生産台数が100万台を突破しました。
そんな同社の勢いを感じるモデルが、2025年から販売が始まった「GOAN CLASSIC 350(ゴアンクラシック・サン・ゴー・マル)」(2026年モデル)です。逆に言うなら、勢いが不足しているメーカーにはここまで斬新で独創的なモデルは作れないでしょう。

なお、車名の由来となったインド西海岸にあるゴア州は、現在は高級リゾート地として知られていますが、1960~1970年代はヒッピーの聖地として有名で、世界中から多くの若者が訪れていました。
「ゴアンクラシック350」が意識したのはまさにその時代のゴア州で、シンプルさや軽快さを感じるスタイルは、ボバーカスタムと言うべき雰囲気でまとめられています。
ベースは「クラシック350」のようだが……?
2021年以降のロイヤルエンフィールドは、空冷単気筒OHC2バルブ+スパインフレームを共有する兄弟車として、伝統のスタイルを踏襲する「クラシック350」と「ブリット350」、クルーザーの「メテオ350」、現代的な扱いやすさを追求した「ハンター350」の4機種を販売しています。
では「ゴアンクラシック350」がどの車両をベースとするボバーカスタムなのかと言うと、車名やナセルタイプのヘッドライトカバー、指針式速度計を中央に据えたメーターパネルのデザイン、エアクリーナーボックスの形状などから推察すると、「クラシック350」になるでしょう。

もっとも、「ゴアンクラシック350」は数多くのパーツを新規開発しています。
ひと目で分かる相違点は、ミニエイプハンガーハンドル、サドルタイプのソロシート(シート高はシリーズの中で最も低い750mm)、ホワイトリボンの前後タイヤ、チューブレスタイヤに適合するワイヤースポークホイール(後輪は16インチ。「クラシック350」は18インチ)などですが、ストロークを90mmから105.3mmに増やしたリアショックや、装着位置を前方に移設したステップも専用設計です。
さらに言うなら、前後フェンダーやマフラー、テールランプ、車両に付属するタンデムシート+ステーなども、「クラシック350」とは異なるデザインを導入しています。
そういった事実を考えると、ベース車を特定することにあまり意味はないような気がしますが、私(筆者:中村友彦)としては何らかの拠り所が欲しかったので、今回の試乗は「クラシック350」を念頭に置いて臨むことにしました。
「Free&Easy」なフィーリング
失礼を承知で思い切って表現するなら、この車両に対する私の第1印象は、「変」でした。その主な原因は、相当以上に高いハンドルグリップの位置ですが、「クラシック350」を基準にするなら、リアの車高の低さと前方に備わるステップにも微妙な違和感があります。
ところが、試乗開始から数分後の私は……「満面の笑み」でスロットルを開けていました。それどころか、10代中盤でバイクを初めて体験した頃のような楽しさが蘇ってきて、「このままどこまでも走り続けたい!」という気分になってしまったのです。

もちろん、最初の印象が「変」だったライディングポジションとリアの車高の低さが、こういったフィーリングを生み出すのは、私にとってはまさかの展開です。
ちなみに昨今のクルーザーの世界には、「ゴアンクラシック350」と同様の手法を導入したボバースタイルの車両が何台か存在しますが、それらでこのモデルのような気軽さと自由自在感、フリー&イージーな感覚を味わった記憶が私にはありません。
念のために記しておくと、「ゴアンクラシック350」と同じエンジン+フレームを採用する「メテオ350」は、しっとり穏やかな乗り味です。
つまり「ゴアンクラシック350」は、既存の2輪車には存在しなかった乗り味を実現しているのです。しかも驚くことに、カスタムバイクにありがちなマイナス要素はほとんど見当たりません。
もっとも、厳密に言うならハンドリングの素直さや乗り心地の良さでは、各ジャンルのフォーマットに従った既存の4モデルに軍配が上がると思いますが、少なくともこのモデルを単体で乗って、運動性や快適性に露骨な不満を抱くことはないでしょう。
新ジャンルへの挑戦
冒頭で記したように、2024年と2025年のロイヤルエンフィールドの年間生産台数は100万台を突破していて、そこまで規模が大きくなると、守りの態勢に入っても不思議ではありません。と言うより、同社は伝統の継承を第一義としてきたメーカーなのですから、新しいジャンルへの挑戦はマストではないように思います。

とはいえその一方で、新しいジャンルへの挑戦を続けているからこそ、近年の同社は急成長を遂げているのかもしれません。
今回試乗した「ゴアンクラシック350」は、まさにその挑戦を象徴する好例ですが、改めて振り返ると、過去に「ヒマラヤ450」や「ショットガン650」などを初めて体験した際も、私は同社の挑戦に大いに感心しました。
なお、「ゴアンクラシック350」の価格(消費税10%恋)は、単色が80万800円で、ツートーンカラーが80万8500円です。
「クラシック350」+約10万円という設定をどう感じるかは人それぞれですが、専用設計パーツの数々と唯一無二の乗り味を考えると、決して高くはない、と私は思います。
Writer: 中村友彦
二輪専門誌『バイカーズステーション』(1996年から2003年)に在籍し、以後はフリーランスとして活動中。年式や国籍、排気量を問わず、ありとあらゆるバイクが興味の対象で、メカいじりやレースも大好き。バイク関連で最も好きなことはツーリングで、どんなに仕事が忙しくても月に1度以上は必ず、愛車を駆ってロングランに出かけている。
























