快挙!! 【MotoGP第8戦ドイツGP】Moto3クラス参戦の日本人ライダー鳥羽海渡選手が2位表彰台を獲得!

2021年6月20日にMotoGP第8戦ドイツGPの決勝レースがザクセンリンクで行なわれ、Moto3クラスにKTMマシンで参戦する日本人ライダー、鳥羽海渡(とば かいと)選手が2位表彰台を獲得しました。

Moto3ならではの混戦をくぐり抜け、ようやく表彰台を獲得

 鳥羽海渡(とば かいと)選手は、Moto3クラス参戦5年目、21歳のライダーです。これまで2019年シーズン開幕戦カタールGPで優勝を果たし、2020年シーズン第12戦テルエルGPでは3位表彰台を獲得してきました。2021年シーズンはチームを移籍し、バイクは2020年シーズンと同じくKTMを駆って戦っています。

Moto3クラスに参戦する日本人ライダー、鳥羽海渡選手(KTM)

 鳥羽選手が参戦する『Moto3』クラスとは、排気量250cc以下の4ストローク単気筒エンジンを搭載するマシンで争われるクラスです。ロードレース世界選手権MotoGPの最高峰クラスである『MotoGP』クラスを目指す、最初の関門と言えます。参戦するライダーの多くは10代から20代前半です。

 第7戦カタルーニャGPまでを終えて、鳥羽選手のベストリザルトは第2戦ドーハGPの5位。その後の3戦では厳しい戦いを強いられました。しかし、ドイツGP前の2戦から、状態が良くなってきたと言います。

 迎えた第8戦ドイツGPでもその流れを汲み「レースウイークの始まりは良かった」とのこと。しかし、予選では大きな転倒を喫して肩を負傷してしまいます。それでも、今季自己ベストグリッドとなる5番グリッドを獲得。気持ちを切り替えて決勝レースに臨みました。

レース序盤からトップを走行した鳥羽選手(KTM)

 迎えた27周の決勝レースで、鳥羽選手は2列目5番グリッドからスタート。レース序盤から果敢に攻め、トップを走行します。Moto3クラスのレースは、序盤から最終ラップの最終コーナーまで接戦、激しいポジション争いが繰り広げられます。

 混戦の展開が当たり前のレースでは、攻めるタイミングや位置取りが重要です。トップを走っていたライダーが、次の周には後方のライダーに飲み込まれていくことも少なくありません。さらに、ザクセンリンクは抜きづらく、テクニカルなレイアウトのサーキットでもあります。

 鳥羽選手はそうしたザクセンリンクのレースで、6番手以内のポジションを維持し、再びトップに立つ……それを何度か繰り返しながらレース終盤を迎えました。

 最終ラップでは、鳥羽選手は4番手で1コーナーに入っていきました。前を走る3人のライダーはもちろん、鳥羽選手のすぐ後ろに5人のライダーが続く、Moto3クラスらしい接戦です。

 鳥羽選手は10コーナーから11コーナーにかけて3番手に浮上することに成功すると、さらに続く12コーナーのブレーキングで2番手のライダーをパスします。2番手に浮上してそのまま最終コーナーを立ち上がり、フィニッシュラインに飛び込みました。

優勝したアコスタ選手(KTM)と2位の鳥羽選手との差はわずか0.13秒だった

 鳥羽選手にとって、2020年シーズン第12戦テルエルGP以来の表彰台獲得となりました。決勝レース後の記者会見の中で、第6戦イタリアGPからの改善について問われると、鳥羽選手は次のように答えています。

「よくない3レースのあとでしたから、ムジェロ(第6戦イタリアGP)は、ゼロからのスタートでした。チームと一緒に、どのセッションでも新しい気持ちで取り組みました。でも、いちばん変えたのは考え方、精神面なんです。ムジェロ(第6戦イタリアGP)とモンメロ(第7戦カタルーニャGP)から、レース中にもっと周りのことを見るようにして、最後まで落ち着いてレースをするようにしたんです」

 じつはレース中、残り6周から予選の転倒で負傷した肩の痛みが増していたのだそうです。そうした状況を乗り越え、また、2戦前から取り組み続けた精神面における改善の努力が実を結んだ、ドイツGPでの2位表彰台だった、ということでしょう。

ドイツGPウイナーのアコスタ選手(KTM/中央)、2位の鳥羽選手(KTM/左)、3位のデニス・フォッジャ選手(ホンダ/右)

 次戦、MotoGP第9戦オランダGPは、2021年6月27日に決勝レースが行なわれます。シーズン前半戦最後のレースです。鳥羽選手のさらなる活躍、そしてMoto3クラスに参戦する4人の日本人ライダーの躍進に期待しましょう。

【了】

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Writer: 伊藤英里

モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。

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