東京オリンピック2020の締め括りは野球のアナウンス

Aloha Happy Friday! 東京オリンピックが終わってポカン。からの20日にピアノランドフェスティバルに向けてドタバタの私です。ゆっくりツーリング行きたい、それだけです。

お台場の会場から横浜スタジアムへ

 東京オリンピック開催前の7月21日から8月7日まで、ほぼ毎日お台場海浜公園か横浜スタジアムにいたクリスさん。夢の舞台、憧れの場所、目標としてきた場所。故に自分の中に生まれてくるプレッシャーに押しつぶされそうでした。

東京オリンピック2020野球スタッフ

 今回のお仕事は、20代だったら何も考えずにYEAH!!!!やったー!しゃべれる~!ってただただ大騒ぎしていたと思う。けど、40になって、今までのもちろん積み重ねが実を結んだと思うねんけど、嬉しい反面、毎日しんどかった。いや、怖かった。が正解かな。ステージ上がって歌う時もそうやねんけど、自分に自信ないから練習しても練習してもドキドキ吐きそうで、その自分のプレッシャーで失敗したらどうしようって。

 無観客とはいえ、たくさんの方が会場にはいて、そんなに聞いてないかもしれませんが、ちゃんと聞こえるように、ちゃんと伝わるように言葉を発する。当たり前のことやし、考えなくてもできるやろ?って聞かれることが多く、できるけど違うんよ。

 東京オリンピックの初日はトライアスロンのリハーサル。初顔合わせで、チームでやることが大切やからってしっかり自己紹介して、その後、台本の読み合わせから始まった。ほんまにトライアスロンが一番最初でよかった。

 初日の打ち合わせは、勝手が分からないからか、朝8時からのリハーサルは15時ごろに終わりどっと疲れが出ました。24日までみっちりリハーサルが続き、トライアスロンの個人男子の前日、ドレスリハーサルと言う模擬レースで全てのチェックを行います。スタッフ、アナウンサー、パフォーマー、テクニカルオフィシャル(審判)のみなさんが、実際のレースと同じように動き、本来のレースならスイムが2周回の1.5km、バイクが40km、ランが10kmですが、模擬レースはショートバージョンのミニミニバージョン。6人の方が選手役で登場し、レスキュー隊も本番同様海の上も陸の上も守ってくれます。

東京オリンピック2020トライアスロン会場チーム

 模擬レースだからと言って誰一人として力を抜かない。私も4日間やってきたことをしっかりやるだけです。見落としはないか?漢字の確認はできているか?(そう、トライアスロンは日本語のアナウンスがメインで表彰式は日本語とフランス語だったんです)。常に確認からの確認。レースが始まれば、レジェンドのグレッグ・ウェルチさんと山本光宏さんが実況をしてくださるのでちょっとだけホッ。ただ、先輩方の素晴らしい途切れない実況をしっかり聞いて学ぶ。こんなチャンスあんまりないから噛み締めて聞いてメモしたりしてました。リハでも本気の現場なのだ。そしてレース終盤、表彰式のプレゼンターが決まって情報をもらう。そこからまた表彰式の準備。フランス語はセレモニーの一番最初にアナウンスだから怖くて仕方ない。プレゼンターの名前、役職、国、そしてオリンピックで何メダルをいくつ持ってるかまでアナウンスするから間違えないように練習します。

 選手がフィニッシュするとバタバタまた喋る準備。トップ3が出たところで非公式だけど、速報を入れる。そして決定になって準備できたらすぐ表彰式。始まっちゃえばあっという間に終わってしまう。パーフェクトなんてないけど、毎回精一杯やるだけ。

 でもね、ほんまにこのリハーサルの日々と、ゲネのおかげでビビらずにトライアスロンのアナウンスはできました。31日に行われた混合リレーはオリンピック初競技で政治家さんは来るし、バッハさんも目の前におったし、気合入れすぎて緊張のあまりちょっと間違えたけどなんとか乗り切った(汗)そこやねん。ほんま。

東京オリンピック2020マラソンスイミング に実況にも挑戦

 でもその後にきたマラソンスイミングの突然の実況(涙)新しいチームでリハがサラッとしか通さない現場でびびりまくりましたが、プロデューサーのハリウッドさんのみっちりリハーサルで会場アナウンスと表彰式はバッチリ!実況は、選手の名前と状況を伝えるのに必死でほんま自分に腹立ちましたが、今回初めて10kmをひたすら泳ぐマラソンスイミングに出会えてよかった。

 そして最後の大仕事。横浜スタジアムの野球決勝です。クリスさんはセレモニーのアナウンスだけやったから3塁側の侍ジャパンのベンチ上で観戦。ベンチの空気感や選手の声がけに感動しながら観てました。そして何回からか、私の後ろにズラ~っと日本チームのジャージを着た方々が集まって。聞こえてくる話を耳を傾けると、「次スライダーくるよ」「2塁の選手、次走るね」などめっちゃ詳しい話をしている。振り向いたらあかん思ってなかなか見れなかったけど、「上野さんと山下会長だ!こっちくるんじゃない?」

 チラッと後ろを見たら金メダルを獲得したソフトボールチーム! そりゃ詳しいはずや(笑)

 この日の野球のプレゼンターを務めた山下会長も楽しそうに後ろで観戦されてました。8回の表までベンチ上の大好きなポジションで贅沢な解説付きで観戦し、そして最後大切なアナウンスをするために放送席へ。この時点で1-0。なんとか金メダルを取って欲しい!フランス語でしかアナウンスしないけど、大きな声でmedaille d’or et championes Olympic! JAPON!って言いたい!その気持ちでいっぱいでした。ドキドキしながら入念のアナウンス原稿チェックしながら試合を見守り、そして8回裏の攻撃で一点追加!よっしゃ~!放送席内で歓声が上がる。バックヤードは関係者がソワソワワクワクみんなで祈る。

野球初のオリンピック金メダル獲得の瞬間

 9回表、5試合連続の登板となった栗林選手が2アウト。一人ランナーを出したけど、その次、見事に抑えて念願の金メダル!!!!放送席からの光景は忘れることのできない素晴らしい景色。涙が出ました。嬉しかった。そして、この場でそれを目撃できたことに感謝しかないです。そしてセレモニーでは、真心込めて、感謝を込めて大会最後のアナウンス。

 Mesdames et messieurs…山下会長のお名前も読ませていただき、そして大きな声でJAPON! ありがとうございました!

 感動でした。初めてMotoGPでアナウンスした時をこれ書きながら思い出します。

無観客でスポーツ観戦もほとんどできない中、オリンピックが開催されてよかった。大好きなMotoGPも生で観戦したい!そしてみんなで感動したい!ロッシ選手も引退を発表して、残念ながら生でレースを観れない。早く落ち着いてほしい、それだけですね。

 バイクの話に戻るって先週言うたけど、すみません(笑)オリンピックの内側パート2で私達しゃべり手の裏側をレポートしてみました!

 あー、バイク乗りたい!

 ほなまた来週!

クリステル・チアリYouTube チャンネル「えいごリズム」

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Writer: クリステル・チアリ

父はギタリストのクロード・チアリ。19歳でKiss Fmのサウンドクルーとしてデビュー。その後バラエティーやMC、ナレーションなど幅広く活躍。
NHK教育テレビ『英語であそぼ』4代目おねぇさんに抜擢され生まれ育った関西から東京へ進出。『英語であそぼ』がきっかけで、全国の鉄道の英語車内アナウンスを担当することに。
声優、歌手、スポーツMC、幼児教育の先生やセラピストとしても近年全国を飛び回る。
元気印が取り柄のクリスさん、配信アプリ17ライブで毎晩22:30〜0:30みなさまからのリクエストを生でこたえてくれます!

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