2021トライアル世界選手権 日本が誇るレジェンド・藤浪選手最後の勇姿を目に焼き付ける!! ポルトガル大会編2

スペインへ語学留学中のバイクタレント兼こうのす観光大使・岸田彩美さんが、2021トライアル世界選手権ポルトガル大会観戦時の様子について振り返ります。

多くのライダーと観客に愛される藤浪選手

 こんにちは。バイクタレントの岸田彩美です。今回は前回に引き続き、留学しているスペインを飛び出して観戦しにいったポルトガルへトライアル世界選手権2021を振り返ります。

Repsol Honda Teamの藤波貴久選手。スペイン大会をもって世界選手権参戦から引退しています
Repsol Honda Teamの藤波貴久選手。スペイン大会をもって世界選手権参戦から引退しています

 26年間に渡って参戦してきた藤波貴久選手の最後の世界選手権、当日の街中は車両通行止めにより、前日の下見や駐車場の作戦会議はむなしく白紙となりましたが……しょうがない。まずはパドックに入る前にPCR・抗原検査が必須でした。1人10ユーロで15分ほどで結果が出ます。

 これが最高に痛くて、ボロボロ涙流しながら検査を受けたものです。無事に陰性が証明されたので検査をして陰性を証明するリストバンドがもらえ、これがあればパドックに入ることが出来ます。検査費用が安いので、大会側でお金をサポートしているのかなと思いました。

 ポディウムすぐ隣にはドーンと大きな看板! 藤波選手がみんなに愛されているのかがよくわかる。サプライズだったそうですよ!

Repsol Honda Teamの藤波貴久選手(左)。笑顔の中からも緊張感が伝わってきます
Repsol Honda Teamの藤波貴久選手(左)。笑顔の中からも緊張感が伝わってきます

プラクティスに向かう際、“行ってきます”と走り出す様子やスタートの瞬間も緊張感と共に感じることが出来ました。ピットにはお客さん用の配布用ポスターがありましたが、レース終了後には全て無くなっていました。

今回は1Lap目を2セクションから6セクションまで観た後、再びセクション2へ戻り、山の中のセクション9へ向かいました。

街中のセクションは、観客が上から見ることができ、ルートも複雑ではなく、フラッと気軽に観戦出来るようになっています。

Repsol Honda Teamの藤波貴久選手。1LAP目セクション6にてブレーキのアクシデントに見舞われます
Repsol Honda Teamの藤波貴久選手。1LAP目セクション6にてブレーキのアクシデントに見舞われます

 1LAP目セクション6にて藤浪選手にアクシデント。どうやらブレーキに何かが噛んでしまったそうで、アシスタントさんの車両からブレーキを移植する作業をしていました。

 時間も迫っている中で 私も胃が張り裂けそうになると共に「なんでこの時に?? 神様の試練?」と思っていました。観客も早く直ってと願う気持ちの中、見守っていたのではないかと思います。

 その後マシンも直り、無事走り出したのを見届けて一安心しました。“最後まで諦めない”それを体現していて、私泣きそうになりました。また間近で見ることができるからこそより思うのです。

 1Lap12セクションを2周するのですが、マシンを直して走り出したときは1LAP目の残り時間15分だったそうで、後のセクションはほぼ下見も出来ずにそのまま走ったそうです。

Repsol Honda Teamの藤波貴久選手。多くのファンが見守る中でパフォーマンスを発揮します
Repsol Honda Teamの藤波貴久選手。多くのファンが見守る中でパフォーマンスを発揮します

 その後2ラップ目も追いかけていて、セクションに藤波選手が到着するとお客さんからの“待っていたぞ”と言わんばかりの“FUJI”の声が聞こえてきました。最初から待っていた人たちが優しくて、前の方で見ていいよと場所を譲ってくれたり。それもありがたかったなあ。いい場所で観ることが出来ました。

 最後のセクション12が終わった時に、アシスタントさんやチームの方々、ご家族、スタッフさん……色んな方が駆け付けてハグをしたり、お疲れ様と声を掛けていました。

Repsol Honda Teamの藤波貴久選手。セクション終了時には家族やチームメイトと抱き合う姿も見られました
Repsol Honda Teamの藤波貴久選手。セクション終了時には家族やチームメイトと抱き合う姿も見られました

 藤波選手曰く、一番最後のステアケースを上がって、みんなの顔を見た時に「ああ、引退だ」と思ったそうです。

 表彰式の後に行われたセレモニーでは多くの観客、選手に見守られ、暖かい声援と拍手に包まれて行われました。私には計り知れない苦労・壁を乗り越えてきた証ですね。

 藤浪選手にはトライアル会場で毎回気にかけていただき、色んな事を教えてくれました。そのおかげでもっとトライアルが好きになりました。 

 私は今までの人生の中で特にハマったスポーツって実は無いのです。。

 しかしトライアルは別格。観戦すればするほど楽しくなります。トライアルに出会えて良かった。

2021年シーズンをもって世界選手権を引退したRepsol Honda Teamの藤波貴久選手
2021年シーズンをもって世界選手権を引退したRepsol Honda Teamの藤波貴久選手

 もう藤波選手の走りを観る事は出来ないですが、これからどんな活動をされるのか今から非常に楽しみ。これからもパワフルな活躍を心から応援しています。

 最後に、今回やや写真が少ないかもしれません、ごめんなさい。このコロナ禍の中で、留学し、私に出来る事は現地で観ることが出来ない方々にSNSでのライブ配信をして一緒に楽しんでもらおうと思ってそっちに集中していました。 

 本当に偶然にも観ることができたのですが、今回も大きな糧となりました。一生忘れません。

 そして3つのトライアル世界選手権を観戦して私なりに感じたことです。

 ヨーロッパは陸続きで、EU諸国内は簡単に行き来が出来ます。その中でモータースポーツの大会も多く行われており、気軽に違う国に行って大会に参加が出来ます。また色んな国の方々と話す・会う機会が多いのです。

 これこそモータースポーツの強さ・浸透しているところにもつながるのではないかなと思いました。

 もちろん語学力の面でもメリットが多く、色んな言語を話せる選手ばかりなのです。羨ましい!! 色んな発見や違い、そして毎度起きるハプニングもありながらお金で買うことが出来ない“経験”を得ることが出来ました。

 留学の時間も限られているので、無理なく、かつ自分の知りたいことをこれからももっと体当たりで学んでいきたいです。

2021年シーズンをもって世界選手権を引退したRepsol Honda Teamの藤波貴久選手
2021年シーズンをもって世界選手権を引退したRepsol Honda Teamの藤波貴久選手

間が空いてしまいましたが、以上で欧州のトライアル観戦のレポもおしまいです。最後に、2022年のトライアル世界選手権の暫定カレンダーが発表されました。

新型コロナウイルスの影響により、日本ラウンドは2年連続で中止となっていましたが、2022年5月21・22日 開幕戦が日本です! 少しでもこのトライアルという競技に興味を持っていただけたら幸いです。最後までご覧いただきありがとうございました!

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Writer: 岸田彩美

食べる事とインコが大好き。愛称:あやみん。2011年駒澤大学準ミスグランプリを取得後、ツインリンクもてぎのイメージガール、ツインリンクもてぎエンジェルを務めた。任期中に様々なバイクの楽しみ方に出会いその魅力に心を奪われた。トライアルデモンストレーション、MotoGP 日本グランプリでステージMCなどバイクのイベント出演や司会も務める。

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