トライアルバイクメーカー「TRS Motorcycles」の工場見学をしたよ! 前編
スペインへ語学留学中のバイクタレント兼こうのす観光大使・岸田彩美さんが、スペインのトライアルバイクメーカー「TRS Motorcycles」のマンレサ工場を訪れました。
トライアル世界選手権で7回チャンピオンに輝くジョルディ・タレスさん率いるTRS
こんにちは。バイクタレントの岸田彩美です。今回は工場見学レポート! トライアル観戦も、トライアルバイクに乗るのも好きな私ですが、実は現在、日本国内では製造しているメーカーがありません。そこで一度作っている様子を見てみたい! とお願いをしてスペインの「TRS Motorcycles」の工場にお邪魔させて頂きました。

工場はスペイン・バルセロナから車で約1時間ほどのところにある“マンレサ”にあります。実はマンレサには多くの工場があるそうで、日本企業のDENSOも近くにありました。私はバルセロナ市内から電車で約2時間半ほどかけて行ったのですが、バルセロナとの温度差は歴然。最寄り駅に着いた時、寒くて身震いしたのを覚えています。スペインって、場所によって気候や気温が全然違うんですよね。
その後バスに乗り換えて、工場へ向かったのですが、降りる場所を間違えて遠回りしてしまいました。なぜならこちらのバスでは日本の様に停留所のアナウンスは、ほぼ無いのです。あっても電光掲示板が壊れていたりするので、Googleマップで今どこを走っているのが常にチェックしていないといけません(笑)。
工場に着いたら、トライアル世界選手権(アウトドア)で7回チャンピオンを獲得した経緯を持つ共同経営者の1人、ジョルディ・タレスさんが暖かく迎えてくれて、早速工場見学をしました。(TRSはタレスさんの略ですね)。

デザイナーさん、メカニックさん全て合わせて32名の方が働くTRS工場では女性も活躍しており、バイクに乗って楽しんでいるよという方も。皆いきいきとしていたなあ。
ここの工場は、出来上がったパーツを組み立てる工場兼デザイン室になっており部品・パーツ類の製造は、また別の工場で作られているとのことです。

エンジンの組み立て作業場所には、電子レンジみたいな機械に部品を入れて加熱すると加工ができるのですがその機械がかなり熱を持つそうです。エンジンの組み立ての様子や中身も撮らせてくれて、企業秘密な部分はないのかなとヒヤヒヤしていましたが、市場に出て一般の人も見ることができる物だから問題ないそうです。太っ腹だな~。
ちなみにエンジンに使うパーツも全てTRSオリジナル。こちらもロゴが所々に入っているのもがカッコイイですよね。
他にもシャーシ・エンジン・サスペンション・外装などなど各パーツもTRSのロゴ入りで製造しており、全て手作業で組み立てを行っていました。トライアルマシンは車の様に大きくないから、手作業で出来るんだよとのこと。私は、てっきり機械を使っていると思っていたので、一つ一つ丁寧に作られているんだなと実感しました。また一年間で様々なバイクを製造・販売後のバイク(製品)の交換部品や保証のためのパーツも保有するため莫大な数パーツのストックが必要だそう(当然コストがかかります)。
約100~150種類のパーツを保有・管理するため、バーコードで管理し、デジタル化しているとのことです。
ライン作業の場所も見せてもらいました。以前はそれぞれ別々の場所で組み立てていたらしいですが、4つの行程が一連の流れで作業できるようになったことでより効率が上がったとのことです。

組み立てが完全に終わったら、車両試乗をして最終チェックをします。通常はジョルディさんが車両に乗って、ブレーキ、音など細かくチェックします。トライアルは特に繊細な操作が必要になるので、試乗チェックがとても重要な作業であり、7度のチャンピオンを獲得したジョルディさんお墨付きのバイクなら、信頼度は抜群でしょうね!
また、TRSのバイクは注文が入ったら製造する為、ストックを持たないのだそうです。それぞれの車両にはどこの国に運ばれるという紙が付いており(私が見たのはドイツやオーストリアなど)世界中に船便や飛行機で輸送するそうです。
1台バイクを組み立てるのに1時間15分くらい、車両チェックなど含めると合計6時間くらいで出来上がるそうです。2~3日位掛かると思っていたのが半日で出来てしまうなんて。驚きのスピード感ですね。
ちなみにTRSには、子供向け(5~10歳位)の電動バイクやキック不要のセル搭載(TRSではエレクトリック・スタートとと呼びます)の車両もあります。当然、こちらもTRSオリジナルで製造。TRSが販売するトライアル車両の半分はこのエレクトリックスタートが搭載されているそうです。
また大会にもセル付きの車両で出場することもできるそうで、ただでさえ体力勝負なトライアルですが、キックをしなくていい(キックが重く、コツが必要)のは体力温存にもつながるし、力があまりない方や、トライアルを始めたい方・初心者の方にも受け入れやすいのではないかなと思います。
メカニック室も見せてもらいました。世界選手権で2位を獲得しているスペイン出身のライダー、アダム・ラガ選手のマシンの整備が行われたり新しいバイクの開発や馬力のチェックなども行われるため、ジョルディさんはよくこの場所で作業を行うそうです。自ら開発に携わり、車両のチェックやレースの監督としても同行し、目まぐるしい日々を送ってそう。。。休みはあるんですか? と聞いたらちゃんと寝てるよって言ってましたが……本当なのでしょうか(笑)。
ジョルディさんにもお話を伺ったので、詳しくは後編でお伝えします。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
Writer: 岸田彩美
食べる事とインコが大好き。愛称:あやみん。2011年駒澤大学準ミスグランプリを取得後、ツインリンクもてぎのイメージガール、ツインリンクもてぎエンジェルを務めた。任期中に様々なバイクの楽しみ方に出会いその魅力に心を奪われた。トライアルデモンストレーション、MotoGP 日本グランプリでステージMCなどバイクのイベント出演や司会も務める。








