“完璧な家族”が産み落とした<歪>とは? 北欧発イノセント・ホラー『ハッチング―孵化―』

絵画の様な美しい映像に見え隠れする不穏な空気が異様な緊張感を生む北欧フィンランド発のホラー映画『ハッチング―孵化―』が、2022年4月15日(金)より全国順次公開されます。

その卵から生まれたのは……

 本年のサンダンス映画祭でプレミア上映され世界を驚愕させた、北欧フィンランド発のホラー映画『ハッチング―孵化―』。絵画のような美しさの端々から不穏な空気が漏れ出る仮面家族、そして“少女が抱える巨大な卵”のビジュアルに興味を惹かれた人も少なくないでしょう。

『ハッチング―孵化―』(c)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Väst
『ハッチング―孵化―』(c)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Väst

 本作の軸となるのは、括弧付きの“完璧な家族”を強いる母親と、それに従う娘。あるきっかけでこっそり保護することになった卵を少女が孵化させたとき、まさに絵に描いたような幸せな家族の“おぞましい真の姿”があらわになっていきます。

 主人公ティンヤを演じるのは、1200人のオーディションから選ばれたシーリ・ソラリンナ。母親を喜ばせるために自分を抑制する、この年代特有の儚さやあやうさは、初挑戦とは思えない見事な演技です。母親役(役名はそのまま“マザー”)はフィンランドで多くの作品に出演するソフィア・ヘイッキラ。理想の家族像を作り上げ、娘を所有物として扱う自己中心的な母親を演じています。

『ハッチング―孵化―』(c)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Väst
『ハッチング―孵化―』(c)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Väst

 メガホンをとるのは、これまで短編作品を中心に各国の映画祭で高い評価を受けてきた新鋭監督ハンナ・ベルイホルム。本作が長編デビュー作ながら、まるでIKEAの展示品のように洗練された家庭の中に潜む、どす黒い恐怖を表現しています。

 フィンランドはモータースポーツが盛んな国として知られ、かつてはフィンランドグランプリというバイクレースの世界選手権も開催されていました。一般人の中にもライダーが多く、街を訪れると普段の足としてバイクを利用している人が目に付き、他国と比べてもバイクが生活に浸透していることがよくわかります。

『ハッチング―孵化―』(c)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Väst
『ハッチング―孵化―』(c)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Väst

 抑圧された家族の虚像が生み出した“おぞましい生き物”のビジュアルにも戦慄必至の『ハッチング―孵化―』は、2022年4月15日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国順次公開です。

北欧発イノセント・ホラー『ハッチング―孵化―』予告編

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