全日本ロードレースST600初レースで優勝!レーシングライダー羽田太河のレースレポート
全日本ロードレース選手権 ST600クラスにフル参戦するレーシングライダー 羽田太河選手が、2022年4月2日、3日にモビリティリゾートもてぎでおこなわれた開幕戦をレポートしてくれました。
新規チームは事前準備が大変
皆さんこんにちは。レーシングライダーの羽田太河です。今回は、全日本ロードレース選手権 ST600クラス 開幕戦のレポート書かせていただきます。
僕が所属しているチーム「TN45 with MotoUP Racing」は、今季立ち上げたばかりの新規チームということもあり、チームの初レースとなる開幕戦に向けての事前準備がとても大変でした。
監督の渡部さんは普段、チームの母体でもあるバイクショップMotoUPの店長として働いており、通常のお店の業務をこなしながら休日返上でマシンを整備。パーテーションなども用意してくれました。
普段は同じくMotoUPでスタッフとして働いている僕も作業を手伝いながら、エンジンの積み降ろしなどをおこないました。
今回のレースウイークは、木曜日の特別スポーツ走行から始まりました。
初日はなかなかうまくマシンを走らせることができずに悩んでいましたが、2日目となる金曜日の1本目でいろいろと試していたところ、「これだ!」と思える走り方を見つけることができ、一安心。
そのまま土曜日の公式予選に挑みました。
そして、初めてのST600公式予選。開始3分前に出て行けば大丈夫だろうと思って準備をしていましたが、5分前から既に並んでいるライダーが多く、20台目くらいがピットロード出口で予選のスタートを待つ光景にビックリ。
予選では使用できるタイヤの本数制限があるため、セッション開始直後のグリップのいいタイミングでタイムを出すのがセオリーです。
僕は、何台かを抜きながらアタックをして、1分53秒0を出し2番手につけるとピットイン。その後はアタックを終了し、ガソリンを満タンにして、走行フィーリングを確認し、決勝に備えました。
レースを混乱させる作戦が裏目に?
そして、TN45 with MotoUP Racingにとっての初レースが始まりました。
フロントロウの真ん中からスタートした僕は、ややクラッチミートに手間取も、2番手で1コーナーをクリア。前を走る荒川晃大選手を追いかける展開となりました。
荒川選手は練習走行から他を圧倒するタイムをマークする注目の選手。予選でも、ただひとり1分52秒台に入れ、ポールポジションを獲得した強敵です。
荒川選手が逃げの姿勢で独走状態に持ち込もうとペースを上げるなか僕は必死で食らいつき、3周目の2コーナー立ち上がりでトップを奪うも、5コーナーで抜き返される抜きつ抜かれつの接戦となりました。
そこで僕はS字コーナー進入で再び荒川選手をかわすと意図的にペースを抑え、後続を追いつかせて混戦に持ち込む作戦に出ます。
ペースとしては1分52秒台に入っていましたが、自分の感覚的には意外に余裕があったので、このまま2台で逃げることも考えましたが、2台で一騎打ちをし続けるよりも、大勢で争った方が後ろでガチャガチャと、レースの流れを混乱させてくれるかと考えたからです。
僕が1分54秒台にタイムを落とすと、トップグループは7台にふくれ上がりました。サインボードで台数は把握していましたが、さすがに想定していたより多く、再びペースアップ。台数を絞ろうと思いましたが、予想以上に離れてくれずさらに苦戦。
結局ラスト2周で國井勇輝選手が転倒により脱落しただけで、最後まで集団のままとなってしまいましたが、そのままトップをキープしてゴールすることが出来ました。
かなりの接戦となってしまいましたが、チームのデビュー戦を優勝という最高の形でフィニッシュでき、新規チームの初戦を優勝で飾ることができてとても嬉しいです。
次戦の菅生も、チームを信じて僕自身の仕事を精一杯やりたいと思います。