全日本ロードレースの初解説に挑戦!ST600クラスの見所とは? レーシングライダー濱原颯道のレースレポート
2023全日本ロードレース選手権開幕戦茂木ラウンドのST600クラスを、国内外で活躍するモータースポーツ総合エンターテイナーの濱原颯道選手が初解説!その経緯やST600クラスの見所をレポートしてくれました。
ST600クラスの解説は飛び込み営業の成果!?
こんにちは!そーどーです。またまた書いちゃいます!
2023年4月1日、2日に、栃木県にあるモビリティリゾートもてぎで行われた全日本ロードレースの開幕戦に参加してきました!と言っても、選手ではないんですけどね。

僕の今年の状況を知っている人もいらっしゃるかと思いますが、今シーズン本当はST1000クラスに参戦する予定でしたが、チームとの契約が開幕直前で白紙となり、急遽シートを失った形です。でも!サーキットが好きな僕、そして若手達に「今までみたいに現地にいてくれたら色々聞けるから、観に来てくださいよ!」とお願いされ、頼られると弱い僕は「そしたら現地に行こうかな」って事で、レースウィークの金曜日から行くことに(笑)
その時に、「3日間、現地でただウロウロするだけというのは流石に飽きるから、何か仕事に出来ないかな」と考えた僕は、モビリティリゾートもてぎさんに直接電話をしました。といっても、最初はどの部署に電話をしていいか分からず、「どちら様ですか?」、「どういった御用ですか?」などと、メンタル的に凹みかけましたが、なんとかモータースポーツ部署にたどり着くことができました。
しかし、その際には「直前だったので、仕事として依頼できる事は無さそうです」と断られてしまい、しょんぼり。
ですが後日、「濱原さん!実はお願いしたい事が用意出来ました!」と連絡があり、内容を聞いてみると「場内放送になってしまうのですが、実況の和田さん(MCシモさん)と一緒にST600の解説をしていただけないでしょうか?」とのこと。僕としては初めての仕事でしたが、「やらせて下さい!」と即答して、今回の実況が実現しました。
今回、ST600クラスの実況をしていたシモさんとはプライベートでも遊んだりする仲で、最近では鈴鹿8耐などの実況も担当をしているレースアナウンサーなので、かなり心強かったです。
当日も「まあ、思った事話してくれりゃいいよ」とだけ僕に言ってくれたので、緊張のきの字も湧いてきませんでした。
今季のST600クラスの見所は?
初解説を担当したST600というクラスは若手がステップアップをしていく中で、まず通過するクラス。そのためとても激戦で、去年は全戦優勝者が違ったんじゃないかな?そのくらい接戦です。
そんなST600クラスは市販車の600ccのフルカウルモデルを基本とし、限りなく街中を走っている状態に近い、いわゆる「ストック」仕様で溝付きのブリヂストン製タイヤを履いてレースをするカテゴリ。他のクラスに比べて参戦費用も若干安く、エントラントからも今とても人気のあるクラスです。

このST600クラスには、普段可愛がっている後輩から、あまり面識のない選手、そして越えなくてはいけない存在のベテラン選手など幅広い層が参戦していて、見どころ満載。解説している僕も、「凄いなぁ」、「速いなぁ」など、ひとりのファンとして楽しんで見ていました。
ちなみに今年の僕的注目ポイントは、今まではヤマハ「R6」がストレートスピードや旋回性が高いとされていましたが、ウイングが付いてからのホンダ「CBR600RR」の戦闘力もかなり上がってきていて、メーカー間の接戦になって来ている点。
このクラスは若手にとってはステップアップクラスにあたるのですが、他の全日本カテゴリに比べてマシンやタイヤの剛性が低く、ST600ならではの走らせ方があります。しかし、その走らせ方ばかり求めてしまうと他のカテゴリに上手くアジャストする事が難しくなったりするので、あくまでも上手く乗りこなす事を目的に、染まり切らないように走る。その点が、僕的には難しいと思って見ています。
正直、メーカーの差も一長一短で、どのバイクでもトップ争いはできると思っています。なので、僕的にも「次はどんな若手が上に来るのかなぁ」と思いながら見ているクラスでもあるので、そんな感じで皆さんにも楽しんでもらえたら嬉しいです!
バスツアーでのコース解説にも挑戦
解説以外にも、日曜日のお昼にサーキットを1周バスで巡るというツアーがあって、もてぎさんに「実はサプライズで、濱原さんにバスツアーのガイドさんをやって欲しい」とお願いされました。
もちろん、ふたつ返事でOKをしましたが、サプライズなのでどうやって登場するかを悩みました。

まず最初にバスに乗り込んで、1番後ろの席に座って少し下を向いていると、ゾクゾクと参加者が搭乗。
全員乗り込んだあたりで、MCの女性に「今日はスペシャルゲストを呼んでいます。濱原颯道さんです!」と紹介して頂き、みんなの前に登場。「モータースポーツ総合エンターテイナーの濱原颯道さんです」という、なんとも恥ずかしい紹介をして頂いた後は、コースを1周しながらコーナーごとに攻略法や「ここは選手がよく転んでいるコーナーです」など、冗談混じりのコース解説をして、参加者に楽しんで頂きました。
今回は初の解説という立場で全日本ロードレース選手権の会場に居ましたが、「やっぱ、そーどーがいないとなんか盛り上がらないよ」、「ブリーフィングにいないのが不思議で仕方なかったです」、「解説も良かったけど早く走る立場に戻ってください」などと、たくさんの嬉しいお言葉をかけて頂きました!
現状、全日本も8耐も乗るシートは決まっていませんが、僕が走る事で喜んでくれる人もいるんだな、また走りたいなという気持ちが一気に湧いてきた開幕戦。
あとは、やはり後輩達がみんな近寄ってきてくれて、「今どこにいますか?聞きたい事があって」、「ジュース買いに行こう」みたいに、いつも通り接してくれたことで「やはりレースの会場が僕の仕事場なんだな」って再認識。
今後の日本のバイクレースは彼らが担っていくので、僕が先輩達から学んだ事や改善しないといけない事、次にどういう事をしたら新規のお客さんを全日本に呼べるかなど、まだまだ後輩達には伝えたいことがたくさんあるので、またこの世界に選手として戻ってきたいと思います。戻って来なくていいよとか言わないでね(笑)
このいかれたスピーカー欲しすぎる📢 pic.twitter.com/IwxXWi6MsG
— 濱原 颯道 I AM YOUR RIDER (@Sodo_hh) April 11, 2023
Writer: 濱原颯道(プロライダー)
全日本ロードレースでは国内2位、全日本スーパーモトでは国内3位の経験があり、他にもオフロードやストリートまでバイクならなんでも好きな男。普段は個人レッスンにマシンセットアップ、テストライダーなどと色々な活動をしている。バイクに関することならビギナーから国際ライダーまで、多くの人から相談を受けたりもしている。









