何かバイクの動きが鈍くなってない? それは「タレ」かもしれません

主にバイクでサーキットを走るライダーや、普通に走っていても夏場などに耳にする、「タレる」という言葉。具体的には、どういった症状や状態を指すのでしょうか?

バイクで使う「タレる」の基本的な意味とは?

 バイクでのスポーティーな走りが好きだったり、サーキットを走るライダー、または普通に走っていても夏場などによく耳にする、「タレる」という言葉。

 具体的には、「タイヤがタレてきた」などと使い、該当する部分は多岐にわたります。この「タレつ」は、どういった症状や状態を示しているのでしょうか?

バイクの「タレ」代表と言えばタイヤ
バイクの「タレ」代表と言えばタイヤ

「頭を垂れる」など、垂れるという言葉は一般的に使われていて、下げると言った意味があります。

 しかしクルマやバイクに使われるとなると、なにを下げるのかが分からないという人も多いと思いますが、辞書には「力なく下がってしまうこと」と記載されています。

 つまり、「性能が下がってしまうこと」が、バイクなどで使われるタレるという言葉の意味になります。

 ただし、使うタイミングがなかなか難しく長年乗った結果、エンジン内部の摩耗が進んで性能が低下したという状態については、タレるとは言いません。性能が落ちてきたと言うだけです。

 バイクでタレるという言葉を使うシチュエーションは、走っているうちに突然もしくは徐々に性能が落ちてきた時で、それゆえ、そういう状況になる走りをしたり、走行状況を的確に把握する必要があるので、初心者よりもベテランライダーが使うことが多い言葉です。

 では、タレるというのはバイクの各部に対して使われますが、実際にどう使うのかをパートごとに見ていきましょう。

一番よく使うのはタイヤとエンジン

 街乗りではあまり発生しませんが、ワインディングやサーキットを走ると、タイヤにタレが発生します。

 状況としてはタイヤに負担がかかりすぎて、グリップ性能が急に落ちてくることです。冷えると元に戻る場合と、性能的に美味しい部分が最終的になくなってしまい、元に戻らない場合とに分かれます。

 そして連続走行も含めて、熱的な負荷がかかり続けると起こるのが、エンジンのタレ。夏場に主に発生するもので、次第にパワー感がなくなってくることを指します。

 この場合は、ゆっくりと走ってクールダウンさせるか、しばらく止めておけば元に戻ることがほとんどです。

ワインディングやサーキットを走るとタイヤにタレが発生する
ワインディングやサーキットを走るとタイヤにタレが発生する

 エンジンに関係するところでは、高温になることで熱によってエンジンオイルもタレます。

 症状的にはパワーがダウンしたり、音が大きくなるなど、エンジンのタレと同じような感じです。そのため感覚的に区別することは難しいのですが、大きく違う点はあまり激しくタレてしまうと、オイル自体の性能(ベースオイルや添加剤)が飛んでしまい、元に戻らないことがある点でしょう。

 また、タイヤも同様ですが、自分がどういった製品を選んだかがタレやすい、タレにくいという部分に関係してきます。「あのブランドのこのオイルはすぐにタレちゃった」など、こだわりやウンチクが関係してくるのも、オイルやタイヤのタレの面白いところです。

 発熱量が大きかったり大排気量になるほど、夏場の高速道路クルージングなどでも感じることがあり、オイルについては身近なタレと言って良いでしょう。当然、エンジンオイルの性能によってタレの発生度合いは異なります。

比較的わかりやすい、ブレーキのタレ

 ブレーキは、摩擦を熱に変えて制動力を発生させます。つまり連続して使えば使うほど、熱がこもったりしてタレてきてしまいます。

 厳密にはパッドがタレて効かなくなる場合と、フルードが熱に耐えられなくなり沸騰して気泡が発生し、ブレーキのタッチがソフトになって効かなくなる場合の2種類が存在します。

 安全にも直結することなので、ブレーキのメンテナンスは定期的に行なうのはもちろんのこと、ハードに走る方ならパッドやフルードのグレードを見直すことで、よりタレにくくすることが可能です。

ブレーキも連続して使えば使うほどタレてくる
ブレーキも連続して使えば使うほどタレてくる

 今まで見てきた以外にも細かい部分で、バイクのタレは発生します。まず発生しやすいのが、クラッチのタレ。高速道路や郊外路ではクラッチは繋ぎっぱなしになるのでタレは発生しないのですが、渋滞などで頻繁にクラッチを切ったり繋いだりを繰替えしていると、次第にタレが発生してきます。

 具体的にはクラッチが滑った感じになったりミートポイントが変わるなど、フィーリングが異なってくるのが特徴です。

 また猛暑で発生しやすいのが、ガソリンのタレで、大排気量のエンジンはとくに発熱量が大きいので、タンク内のガソリンが温められやすくなります。そうなると、ガソリン本来の爆発力を発揮できなくなって、パワーダウンしたようになってしまうので注意してください。

 以上、ひと口にタレるといってもさまざまな部分で発生することがわかります。ただ、オイルのように油温計を付けていると数値化できるというモノもありますが、感覚的なものがほとんどでしょう。

 タレていると思ったら、故障やトラブルだったということもあるので、違和感を感じたら調子が戻るかなどに注視して走行するようにしましょう。

【画像】ベテランライダーが良く口にするバイク各部の「タレ」を画像で見る(10枚)

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