語源が同じって知ってた? 方向指示器の「ウインカー」と片目をつぶる「ウインク」の知られざる関係とは
バイクが右左折、進路変更をおこなう際に用いる「ウインカー」の語源は、片目をつぶる「ウインク」と同じなのでしょうか。
「ウインカー」は英語ではないらしい
バイクやクルマを道路上で運転するためには、危険防止のため保安部品の装着が義務付けられています。
保安部品にはヘッドライトやテールランプなど、さまざまな種類があり、その中のひとつがウインカー。右左折や進路変更をおこなう際にはウインカーを出し、運転手が進みたい方向を示すことによって、他の車両との接触を防止しています。
なお、ウインカーを点滅させる事なく右左折や進路変更をおこなうと「合図不履行違反」となり、取り締まりを受けると二輪車で6000円、原付で5000円の反則金と1点の違反点数が科されます。

そんなウインカーには長い歴史があり、はじめは矢羽のような棒が飛び出す方式だったものが電球やLEDを用いたものに進化し、今では流れるウインカーや極小ウインカーなども登場しています。
しかしウインカーは、はじめは主にクルマに用いられるものでした。バイクのウインカーの歴史はクルマに比べると比較的新しく、ウインカーの装着が義務化されたのは1969年4月1日以降のこと。
それ以前に生産されたバイクには、ウインカーの装着が義務付けられていませんでした。そのため、それ以前に生産された旧車に乗っている人の中には、ウインカーなしでバイクに乗っている人もいるはずで、一見違反のようにも思えますが、義務化前に製造されたバイクの場合、手信号を使えば問題ありません。
ちなみにバイクの手信号は、主にアクセル側ではない左手を使っておこないます。左折の際は左手を地面と水平にあげ、右折の際は左手の肘から上を地面と垂直に掲げる事が一般的なので、覚えておきましょう。

正式名称は方向指示器であるウインカーですが、その語源について考えた際に、真っ先に思いつくのが片目をつぶって合図を送る「ウインク」でしょう。左右どちらかを点滅させて合図を出すウインカーと、片目をつぶるウインクは非常によく似ています。
結論から言ってしまえばウインカーの語源もウインクの語源も同じ英単語の「wink」で、両者は非常に関係の深い単語です。ただし、ウインカーの由来が英単語のwinkだからといって、英語でウインカーと言っても通じる訳ではありません。
ウインカーのことをwinkerと表現する例はイギリス英語の砕けた表現の中に見られますが、あまりメジャーではなく、アメリカなど他の英語圏では通じないことがほとんどです。

現在、ウインカーのことを示すメジャーな表現は、イギリスでは「indicator」、アメリカでは「blinker」や「turn signal」。
これと似たような例はいくつも見られ、例えば「オートバイ」の由来は「auto」と「bike」ですが、英語では通じません。
バイクというのも英語では基本的に自転車を指し、エンジンやモーターで動くバイクの場合は「motorbike」や「motorcycle」と呼ばれています。
このように、ウインカーの語源は片目をつぶるウインクと同じく英単語のwinkですが、英語では基本的に別の呼ばれ方をしているため、語源は同じでもウインカーというのは日本で作られた和製英語となっています。