ジュニアかSGか!? メグロの軽二輪が60年ぶりに復活!! 快活な走りが味わえる

昭和レトロが世間では流行していますが、クラシックバイクを愛するライダーへカワサキがリリースした新型はなんとメグロ! 戦前からの老舗で、250ccモデルはじつに60年ぶりとなります。

高鳴る鼓動と爽快なビート

 黒を基調にクロームメッキが輝く。往年のメグロを想起させる外観は、1964年秋に発売したカワサキ250メグロSGの再来と言ってもいいかもしれません。

 心臓部は大きく丸みを帯びた冷却フィンを持つ空冷4ストローク単気筒。アクセルを開けるたびに高鳴る鼓動と爽快なビート、オートバイと対話するかのように急がずじっくり、シングルエンジンが奏でる豊かな低音の響きを味わいます。

カワサキが送り出すメグロブランドの新型『MEGURO S1』にモーターサイクルジャーナリスト青木タカオさんがインプレッション
カワサキが送り出すメグロブランドの新型『MEGURO S1』にモーターサイクルジャーナリスト青木タカオさんがインプレッション

 メグロが生誕100周年を迎えた2024年、カワサキが送り出すメグロブランドの新型が『MEGURO S1』です。メグロの軽二輪クラス、“J=ジュニア”が復活を果たしました。

 陸王とともに戦前から続く国産大型バイクの老舗「目黒製作所」が、ジュニアS型の最終モデルとなる「S8」を発売したのは1963年のこと。

「ジュニアS7」(1960年)でリヤサスをスイングアーム式にし、12V化でセルモーターを装備するなど近代化。「S8」では受け継がれてきたOHV単気筒エンジンの最高出力を12.5PSにまで向上しましたが、ライバルたちと比較し、性能が秀でているということはありませんでした。

 1964年に川崎航空機工業(現在の川崎重工)が目黒製作所を統合すると、ボア66×ストローク72.6mmで排気量を248ccとする前傾シリンダーのOHV単気筒をカワサキの技術陣が新たに開発。カワサキ250メグロSGの心臓部として、最高出力18PS/7000rpmを発揮します。

よくぞここまで仕上げた!

 こうした歴代のメグロにインスパイアされたスタイルを『MEGURO S1』は持ち、伝統の息づく高品質パーツが盛り込まれます。実車をじっくりと眺めてみると、軽二輪クラスでよくぞここまで仕上げたと感服せずにはいられません。

 クラシカルなティアドロップ型の燃料タンクには、立体エンブレムを装備。メグロのスピリッツを受け継ぐモデルであることを主張しています。

シート高は740mmと低く、身長175cm/体重66kgの筆者は足つき性に不安はない
シート高は740mmと低く、身長175cm/体重66kgの筆者は足つき性に不安はない

 クロームメッキのハンドルバーは、グリップが自然な位置にあり、上体の起きたアップライトな乗車姿勢。シート高は740mmと低く、身長175cm/体重66kgの筆者は足つき性に不安はありません。

 タンクにはニーパッドが備わり、下半身をホールドしやすい。車体重量は143kgで、取り回しも軽いから、乗り手の体格を選ぶこともないでしょう。

重いクランクでゆとりある低速トルクを獲得

 SOHC2バルブ空冷単気筒エンジンは、ボア67.0×ストローク66.0mmで232ccの排気量。スロットルレスポンスを過敏にせず、穏やかで落ち着いたトルクフィールを獲得するため、高い慣性モーメントを発揮する重いフライホイールを採用しています。

低回転で粘り強くトルクを発揮しつつ、中高回転では元気よく回っていく
低回転で粘り強くトルクを発揮しつつ、中高回転では元気よく回っていく

 低回転域で十分なトルクを発揮するカムプロフィールにし、エンジンストールしにくいECUセッティングが施されました。

 滑らかな回転フィールとしているのは、ギヤ駆動のバランサーによるところが大きく影響し、6速トランスミッションはつながりの良いギヤレシオを追求。ロングな二次減速比で、快適なクルージングを実現しています。

 低回転で粘り強くトルクを発揮しつつ、中高回転では元気よく回っていく。メグロジュニアがそうだったように、ブン回して爽快なスポーツバイクとしての一面も持ち合わせています。

 開発リーダーの高谷聡志さんは、サウンドにもこだわったと教えてくれます。マフラー内部をストレート構造にし、パンチングの数や密度をメグロJモデルに酷似したものにしています。

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