「ダイヤモンド型フレーム」がカッコイイ!! スポーツ自転車はどれも「ふたつの三角形」でできている!? 一体ナゼ?

ロードバイクやマウンテンバイク、クロスバイクなど、種類も用途もさまざまなスポーツタイプの自転車ですが、よく見るとフレームの形がどれも不思議と似ています。そこには自転車の強度と安全性を支える、シンプルで奥深い設計が隠されています。

ふたつの三角形で「ひし形」に

 スポーツタイプの自転車を眺めていると、ふと、あることに気づきます。高速走行を目的にしたロードバイク、山道などの悪路走行が前提のマウンテンバイク(MTB)、そしてその中間的存在のクロスバイクなど、デザインはそれぞれ違うものの、フレームの形はどれもハンドルの根元からシートの下、後輪軸からクランク軸(ペダルが装着されている箇所)、そして最初のハンドルに戻る形で「ひし形」になっています。

 さらによく見ると、シートの下からクランク軸に伸びたパイプで分割され、ひし形ではなく、「三角形がふたつ」組み合わさっていることに気づきます。

 そう、スポーツタイプの自転車のフレームは「三角形」で出来ているのです。

 その理由は、三角形が持つ独特の性質にあります。たとえば四角形は、外から力を加えると角の部分が動いて平行四辺形のように変形してしまいます。これを防ぐためには、素材を分厚くするか、対角線に補強材を入れるしかありません。

 一方の三角形は、3本の辺が互いに支え合っているため、どこかに力が加わっても、その力が3辺全体に分散されます。角が動こうとしても、残りの2辺がそれを抑え込むため、形が変わりません。

 この「力を分散して変形を防ぐ」という性質こそが、三角形が構造として優れている理由です。

ロードバイクやMTB、クロスバイクなど、スポーツ自転車のフレームはだいたい三角形がふたつの「ひし形」になっている
ロードバイクやMTB、クロスバイクなど、スポーツ自転車のフレームはだいたい三角形がふたつの「ひし形」になっている

 この原理が使われているのは自転車だけではありません。東京タワーや橋の骨組みをよく見ると、無数の三角形が組み合わさって構成されています。

 これは「トラス構造」と呼ばれる設計手法で、三角形の変形しにくい性質を最大限に活かし、軽くて強い構造を実現するものです。自転車のフレームも、まさにこのトラス構造の考え方を取り入れています。

 そしてスポーツ自転車のフレームを構成するふたつの三角形は、それぞれ異なる役割を持っています。

 前側の三角形は、走行中にもっとも大きな力がかかる部分で、ライダーの体重とペダルを漕ぐ力を受け止めるため、自転車の強度の要となっています。

 後ろ側の三角形は、後輪を左右から挟み込むように支えながら、路面からの衝撃を吸収する役割を担っています。このふたつの三角形が組み合わさることで、軽くて丈夫なフレームが生まれるのです。

 ちなみに、「ママチャリのフレームは三角形じゃない」と気付くかもしれません。シティサイクル(いわゆるママチャリ)の多くは、フレームの中央部分が大きく湾曲した形をしており、三角形にはなっていません。

 これは「乗り降りのしやすさ」を優先した設計の結果です。三角形フレームでは、乗り降りの際にまたぐ必要があり、スカートを履いているときや荷物を持っているときに不便です。

 そこでフレームを湾曲させて開口部を広くすることで、誰でも簡単に乗り降りできるようにしています。

 ただし、フレームが三角形ではなくなると強度が下がってしまいます。それを補うために、シティサイクルのフレームはスポーツ自転車に比べてパイプが太く、素材も厚めになっています。

 三角形という「形の強さ」の代わりに「素材の強さ」で剛性を確保しており、スポーツ自転車ほどの軽量さは求めていません。強度と利便性、そのトレードオフを解決するための工夫が、あの丸みを帯びたフレーム形状に込められています。

 何気なく乗っている自転車のフレームには、長い年月をかけて磨かれた設計の知恵が詰まっています。シンプルな形の中にも、じつは深い理由があるのです。

【画像】そのカタチには意味がある!! 見た目もカッコイイ「ダイヤモンド型フレーム」を画像で見る(9枚)

画像ギャラリー

編集部からのおすすめ

水上バイクの免許は1日半で取得できる!? 初めて水面を走ってみた|葉月美優のSea-Dooエンジョイライフ 免許取得編【PR】

水上バイクの免許は1日半で取得できる!? 初めて水面を走ってみた|葉月美優のSea-Dooエンジョイライフ 免許取得編【PR】

最新記事