ワクワクが止まらない!! 25秒で旅情が立ち上がる「欽明館」のレトロ自販機 バイクで巡る“昭和”スポット
山口県岩国市の『欽明館名物自動販売機コーナー』は、昭和の面影を残すレトロ自販機の名所として知られています。関東とは明らかに違う西の味も楽しめる、旅情たっぷりのうどんを堪能しました。
街道沿いでレトロな麺類自販機の温かいうどんを堪能
バイクで旅をしていると、目的地そのものよりも、途中で立ち寄った場所の記憶が残ることがあります。今回訪れた、山口県岩国市にある「欽明館(きんめいかん)名物自動販売機コーナー」も、まさにソレです。
欽明路沿いにあるこの場所は、昭和の雰囲気を残すレトロ自販機スポットとして知られ、うどんやそば、ラーメンの昔ながらの自販機が、今も現役で稼働しています。レトロ自販機ファンの間でもおなじみの存在です。
現地に着くと、まず目に入るのは、いかにも昔ながらのドライブインらしい佇まいです。現在は「大阪たこ焼きタコっちゃ欽明館店」や、「小麦の奴隷 岩国欽明路店」と軒を並べ、レトロ自販機だけでなくたこ焼きやパンも楽しめる場所になっています。
「タコっちゃ」は、銅板で焼き上げる大玉のたこ焼きが特徴の店です。 そんな今どきの店舗と、昭和レトロな麺類自販機が並んでいる光景が、なんとも不思議で面白いのです。

今回のお目当ては、もちろんレトロな麺類自販機です。レトロ自販機ファンなら見ただけで嬉しくなる、あのデザインです。
「欽明館」には、富士電機製の麺類自動調理販売機が現役で残されています。 富士電機と言えば。大手電気機器メーカーですが、かつてはこうした自販機が全国のドライブインや休憩所で活躍していました。
コンビニもフードコートも今ほど多くなかった時代、ボタンひとつで温かいうどんやそばが食べられる自販機は、ドライバーやライダーにとって頼もしい存在だったはずです。
訪問時に確認できたメニューは、「天ぷらうどん」(350円)、「肉うどん」(400円)、「天ぷらそば」(350円)、「ラーメン」(400円)です。価格も実に良心的で、今の時代に嬉しくなります。お金を入れ、ボタンを押すと、調理中のカウントが始まります。わずか25秒ほどで温かい1杯が出てくる、その待ち時間まで含めてレトロ自販機の楽しさです。
麺類自販機は、あらかじめ丼にセットされた麺と具材を機械内部に収納し、注文が入ると熱湯を注ぎ、丼を回転させて遠心力で湯切りし、つゆを加えて提供する仕組みです。それがなんとも、機械が作ってくれる楽しさがあります。
今回注文したのは「天ぷらうどん」です。久々のレトロ自販機体験が嬉しくて、出来上がりを待つ時間もワクワクします。出てきたのはどう見ても「きつねうどん」ですが、もはやそんなことは気になりません。

ひと口すすると、柚の香りがふわっと上品に香り、つゆの優しさを引き立てています。そして何より強く感じたのが、「これは関西の味付けだ」ということでした。
つゆは濃さではなく、出汁の風味で味わうタイプです。これまで北関東に残るレトロ自販機も数多く訪ね、各地でうどんやそばを食べてきましたが、この味は明らかに西のものです。山口まで走って来たからこそ味わえる、地域の違いがここにありました。
油揚げの甘み、柔らかなうどん、柚が香る出汁の風味が感じられるつゆに、ゆで卵まで入っていて想像以上にボリュームがあります。
レトロ自販機のうどんやそばは、小腹を満たすおやつ的な楽しみだと思いますが、「欽明館」のそれは満足感があり、勢いに乗って400円のラーメンも食べてみようかと思いましたがお腹はすっかり満たされてしまいました。次に岩国を訪れた時の楽しみとします。
昭和の機械が平成、令和も動き続け、そこに地元の人や旅人が集まり、温かいうどんやそばを食べる光景にこそ価値がある、と感じます。
バイクで山口県岩国市を走るなら、ぜひ立ち寄りたい旅情あふれる昭和スポットでした。












