カワサキ「Z2」フルレストア まずはエンジン腰上を分解 〜日本の至宝「空冷4発」を未来へ継承〜Vol.20

カムスプロケットの側面にある矢印を、ヘッドカバー面と水平にしたときに、排気カムの矢印のピン位置を「0番目」と数え、吸気カムの28矢印の位置に「28番目のピン」が来ればOKとなるのがZ1E/Z2E型エンジンのバルブタイミングになります
ヘッドカバーを始め、カムチェーンアイドラーなどの締め付け部品を緩める際には、インパクトドライバーや電動ドライバーなどを使って、ボルトを一気に緩めるのが鉄則です。このような手順によって、ボルトのネジ山をナメにくくなります。おっかなびっくり緩めるのは良くないです
カムホルダーもインパクトレンチで一気に緩めましょう。のんびり作業はダメージを与えてしまう原因にもなるようです。締め付け時はもちろん、Tレンチなどを使ってスムーズに締め付け、仕上げ段階でトルクレンチを使い締め付けトルク管理しましょう
カムジャーナルホルダーには順序がマーキングされているので神経質になる必要は無いですが、一般整備の際には、ヘッドカバーを裏返しに置くことで、カムホルダーやカムシャフトをレイアウト通りに分解し、保管することができます
カムチェーン関連部品を分解したら、いよいよシリンダーヘッド本体の分解に取り掛かります。今回は、ヘッドガスケットが密着することなく、スムーズにシリンダーヘッドのみを取り外すことができました。状況によっては強く密着していて、シリンダーヘッドをシリンダーから外しにくいこともあります
走行距離が浅かったことを物語るピストントップのカーボン付着。この程度のカーボンならば、エンジンオイルに浸しておくことで、付着していたカーボンがフヤけて、簡単に取り除くことができるはず。無理してワイヤーブラシやサンドペーパーで擦るのではなく、ケミカルを利用して固着カーボンは溶かして除去しましょう
カワサキ純正ヘッドガスケットは、スチールベースに耐熱成分を含むペーパー系のコンポジットタイプ。1970年代のモデルは、おおよそこのタイプで、現代のバイクに多いメタルガスケットは採用していませんでした。今回の組み立て時には、メタルガスケットを利用しようと思います
カムチェーンノイズは一切無かったのに、カムチェーンガイドローラーの焼付けダンパーゴムは、ズッコケ始めていて、分解時は右側に寄ったまま固着していました。この状態が続くことで、ガイドローラーからカムチェーンが外れてしまう原因になります
シリンダーヘッド面のカムチェーントンネル前後に取り付けられているカムチェーンアイドラーは、軸を支持しているダンパーゴムごと取り外します。オーバーホールの際には、無条件で交換しなくてはいけないパーツがこのアイドルギヤとラバーダンパーです
4気筒のシリンダーがベースガスケットによってクランクケースに接着されてしまい、なかなか抜き取ることができない状況も多々あります。初代空冷Z系エンジンのシリンダー両端にはサービス溝があるので、3番のマイナスドライバーを差込みコジると浮き上がりました
このバイクを購入した際には「走行数千キロ」とのお話でした。その数字は、あながち偽りではなさそうな雰囲気です。ピストントップに固着したカーボン量は大変少なく、スカート部分の摺動当たりも、極僅かに見受けられました
ピストンを取り外す際にあると便利なのがピストンピンプーラと呼ばれる専用工具です。ここで利用したプーラーは、何と当時のカワサキ純正特殊工具=SST(スペシャル・サービス・ツール)ですが、社外の工具メーカーからも、同タイプの汎用SSTが発売されています。自作も可能です
当初の目論見通りに「性能回帰」を果たすことができ、マイナートラブル等も無く、一定レベル以上に仕上がった印象のカワサキ750RS/Z2-A後期モデル。降ろしたエンジンは完全分解して、お化粧直しのペイント仕上げを行い、純正流用チューニングでパワーアップしようと思います。もちろん交換可能な消耗部品はすべて交換する予定です
ヘッドカバーを開けたらいきなり分解に取り掛からず、まずは「カムチェーンが正しく組み込まれ、バルブタイミングが間違っていないか!?」など分解事前に現状確認を進めましょう。空冷Z系エンジンでは不調の原因がバルブタイミングにあることも多いらしいです
このバイクを購入した際には「走行数千キロ」とのお話でした。その数字は、あながち偽りではなさそうな雰囲気です。ピストントップに固着したカーボン量は大変少なく、スカート部分の摺動当たりも、極僅かに見受けられました

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