「とても楽しく走ることができたんです」アート作品のようなカスタムマシンでレースに参戦する『46works』の新たな挑戦とは

自身もカワサキの2ストロークマシン「750SS」(マッハIV/H2)で旧車レースを楽しむライターの後藤武さんが、アマチュアレースを楽しむ「ヒト」と「バイク」を紹介します。

その名の通り、レースに出ることも考えていた

 国内外のカスタムバイクコンテストで多くのアワードを獲得してきた『46works』では、斬新さやデザイン性が求められることが多いカスタムバイクシーンの中で、走りの楽しさにも妥協しないところが特徴です。

 代表の中嶋さんはクラシックバイクレースにも参戦し、常勝を誇ることでライディング技術とマシンの完成度の高さを証明してきました。

 こうしたレースで培われたノウハウを注ぎ込み、自らが走って楽しいと思えるカスタムバイクを作り続けているのです。

 そんな中嶋さんが2026年から新たに挑戦することにしたのは、「BMW R nineT clubman racer」でレースに参戦すること。このマシンは、2014年に行われた「BMW R nineT Custom Project」で製作されたものです。

 その後、ディーラーである「モトラッド相模原」と協力し、同様の車両が5台限定で生産・販売されました。「46works」のガレージにあった初号機を使い、MCFAJのMAX6に参戦することにしたのです。

「そもそもこのバイクはショーバイクとして作りましたが、clubman racerと名付けていることからも分かるように、休日にサーキットを走ったり、レースに出ることも考えていました。レースで速く走れることを証明するために自分でレースに参戦することにしたんです」(中嶋さん)

 このマシンでレースに参戦することをSNSに投稿したところ、大きな反響があったそうです。細部まで作り込んだカスタムバイクでレースに出場するということ自体にも驚きが多かったようですが、カスタムビルダーである中嶋さん自身がライディングするという点も、インパクトが大きかったようです。カスタムビルダーとしてサーキットを走る人自体が、そもそも多くないからです。

「筑波ツーリスト・トロフィー」で、自身が手掛けたカスタムマシン「BMW R nineT clubman racer」を走らせる『46works』の中嶋志朗さん
「筑波ツーリスト・トロフィー」で、自身が手掛けたカスタムマシン「BMW R nineT clubman racer」を走らせる『46works』の中嶋志朗さん

 レースに対応させるため、マシンは灯火類を取り外してゼッケンプレートを装着。ボルトオンで装着できるフロントのカウルステー兼メーターステーを新規に製作しました。

 レースでの視認性を考えて、モトガジェットのメーターを純正タコメーターに変更し、伏せた状態でも見やすい位置にマウントしています。

 さらにアンダーカウルも装着しました。最低限の変更でレースに対応させることができたのは、製作時からサーキット走行を意識していたからです。

 ただし、製作から12年近く、ほとんど動かしていなかったため、整備は必要でした。前後のオーリンズサスペンションは分解してオーバーホールし、油面などをサーキット走行を意識したセットに変更。ステップとペダルは、アップデート版の剛性の高いものに交換されました。

 サーキットを走ってみて、マシンの狙いが外れていなかったことを確認できたと中嶋さんは言います。

「ポジションもサーキット走行を考えてタンクの形状や長さ、シートの角度、ストッパーの位置などは、サーキットでタイムを出すことを考えて作っていたんですが、実際に走ってみて、すべてが正解だということが分かりました。とても楽しく走ることができたんです」

 ノーマルと比べて20kg以上軽くなった車体や、吸排気の変更で10psアップしたエンジンもあり、ハンドリングやパワーフィーリングは文句なし。サーキットでも速くて楽しいバイクになっていたと言います。ただ、現状ではまだバイクのポテンシャルを引き出しきれていないと中嶋さんは言います。

「クラシックバイクのレースが長かったので、旧車の乗り方が身体に染みついてしまっているんです。17インチのハイグリップタイヤを履いた現行のバイクの乗り方が、まだ出来ていません」

 これからは走り込んでタイムを上げていきたいと言います。

 じつはライターのゴトー(筆者:後藤武)、長い間クラシックバイクレースで中嶋さんと同じクラスを走ってきました。ファクトリーにお邪魔したことも何度もあります。

 そこで感じたのは、中嶋さんの学習能力の高さ。目標を設定して学習し、結果を出す力が猛烈に高いのです。だから今回の話を聞いて、着実にタイムを詰めてくるのだろうと思ったのでした。

 中嶋さんが出場するMAX6は、MCFAJロードレース選手権で開催されているクラスです。次回の富士スピードウェイ戦については、タイミングの問題で参加しないかもしれないということでしたが、9月20日に筑波サーキットで開催される最終戦には参加する予定です。

 多くのメディアで掲載されてきたカスタムバイクが、全開で走る姿を観に行ってみてはいかがでしょうか。

【画像】自ら作ったマシンで参戦!! サーキットを走る「BMW R nineT clubman racer」を画像で見る(30枚以上)

画像ギャラリー

Writer: 後藤武

クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。

編集部からのおすすめ

水上バイクの免許は1日半で取得できる!? 初めて水面を走ってみた|葉月美優のSea-Dooエンジョイライフ 免許取得編【PR】

水上バイクの免許は1日半で取得できる!? 初めて水面を走ってみた|葉月美優のSea-Dooエンジョイライフ 免許取得編【PR】

最新記事