高速道路にある「非常電話」 ガラケーやスマートフォンにはないその価値とは?

ほとんどの人が携帯電話やスマートフォンを持っている今、高速道路に「非常電話」がある意味はあるのでしょうか。この「非常電話」にはケータイにない機能があり、もし、そばに非常電話があるなら非常電話からの通報のほうが有利ということがあります。

高速でのトラブルなら「非常電話」の使用を

 高速道路の側道には多くの「非常電話」が設置されています。非常電話は、公衆電話がない高速道路上で、緊急事態に直面した場合の通報に欠かせないツールです。

高速道路上に設置された非常電話(画像はイメージ)

 携帯電話が普及した現在において、非常電話は不要だと考える人がいるかもしれませんが、この設備は携帯電話にはないさまざまな利点のある高機能電話です。高速道路走行中にトラブルに見舞われた場合に備えて、非常電話の使い方を押さえておきましょう。

携帯電話じゃダメ? 受話器を取ればつながる非常電話の意味

 高速道路に設置された非常電話は、受話器を取り上げれば、24時間体制で周辺の道路を管理している高速各社の道路管制センターにつながります。センターには、管区警察局高速道路管理室とともに、異常事態の発生や道路状況、気象状況などの情報を収集している交通管制室があり、非常電話からの通報に対応しているのです。

 事故や故障の内容によって、現場で適切な措置をとるよう交通管理隊に指示したり、必要に応じて消防車や救急車の出動を要請したり、また関係する道路や河川の管理者や自治体への連絡も行います。さらに道路情報板やハイウェイラジオ、渋滞や交通規制などの道路交通情報をFM多重放送やビーコンを使ってカーナビに届けるVICS(ビックス)に、道路上の異常を知らせる対応を取ってもらうことも可能です。

非常電話を使用することでカーナビに届けるVICS(ビックス)に異常を知らせる対応も

 センターには遠方監視制御設備によって、道路やトンネルにあるさまざまな施設の運転状況を監視、制御している施設制御室があります。非常電話が長いトンネルで発生した火災に関する通報だった場合には避難誘導をしたり、水噴霧設備やジェットファン、それにトンネル入り口表示板などのトンネル非常用設備を稼働させたりして対応します。

 緊急事態が起きた場合、通報者は気が動転して内容を的確に伝えることができないときがありますが、非常電話の通報を受けるのは専門の担当者です。通報者が状況を的確に説明できなくても、経験豊富な担当者が丁寧に対応してくれます。

自動的に通報場所を検知

 道路管制センターでは、どの非常電話が使われているかが分かります。非常電話の設置場所はあらかじめ分かっているので、緊急事態が起きた現場はその非常電話の近くだと推定するのは容易です。このため、通報者が非常電話の受話器を取れば、現場のおよその位置を特定することが可能です。初めて訪れた場所を、携帯電話で説明するのは簡単ではありません。この点で非常電話は携帯電話よりも利便性が高いと言えます。

パーキングエリアに設置された非常電話

 非常電話は高速道路の本線上では1kmおきに設置されており、トンネル内では200mおきとなっています。このほかインターチェンジやサービスエリア、パーキングエリア、バスストップ、非常駐車帯にもあります。緊急事態が発生したときには非常電話を活用しましょう。

「故障」「事故」「救急」「火災」のボタン式も

 非常電話は、受話器だけのタイプのほか、受話器の横に「故障」「事故」「救急」「火災」の状況をイラスト、日本語、英語で表示した押しボタン付きのタイプがあります。押しボタン付きの場合、受話器を取って該当するボタンを押して利用できます。最近は、従来のハンドセットに骨伝導マイクを一体化させ、大騒音のトンネルの中でも、クリアな音質で通話ができる新タイプの非常電話も登場しています。

【了】

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