52回目を迎えた「二輪車安全運転全国大会」開催 安全運転に対してどのようにフィードバックされているのか

日本二輪車普及安全協会が主催する「二輪車安全運転全国大会2019」が鈴鹿サーキット交通教育センターで開催されました。この大会はどのような目的で開催されているのでしょうか。

模範となるライダーの育成を目指す「二輪車安全運転全国大会」

 日本二輪車普及安全協会は、「二輪車安全運転全国大会2019」を2019年8月3日から4日の2日間に渡り、鈴鹿サーキット交通教育センターで開催しました。

「二輪車安全運転全国大会」普通二輪車によるコーススラロームの様子

「二輪車安全運転全国大会2019」は、二輪車運転者の安全運転技能と交通マナーの向上を図ることにより、二輪車の交通事故を防止するとともに、二輪車の普及、安全利用を促進することを目的に開催されています。

 大会では安全運転技能を「法規履行走行」と「技能走行(極小バランス、応用千鳥、コーススラローム、ブレーキング、コンビスラ)」の競技形式で総合的に審査を行うもので、競技を通じて、安全で適正な運転の実践、他の模範となるライダーの育成を目指すといいます。

モータースポーツと二輪車安全運転全国大会の違いは?

「二輪車安全運転全国大会」を主催する日本二輪車普及安全協会に、同大会の歴史やジムカーナ競技(モータースポーツ)との違い、安全運転に対してどのようにフィードバックされているのかを伺ってみました。

―――二輪車安全運転全国大会はいつから始まった大会ですか

 昭和43年の第1回から第3回までは、個人参加での「二輪車安全運転コンテスト」として開催されていました。第4回から都道府県対抗の団体戦が始まり、この年41都道府県120名が出場し、団体優勝は新潟県でした。

「二輪車安全運転全国大会」普通二輪車による法規履走行

 47都道府県が出場し、現在の4クラス制(高校生等、女性、普通二輪、大型二輪)になったのは第6回からで、大会名も第 7回から現在の「二輪車安全運転全国大会」となりました。会場は、第1回から第10回までは、東京の府中運転免許試験場で開催されており、 第11回から現在の鈴鹿サーキット交通教育センターでの開催になっています。

―――どのような目的で開催されているのでしょうか

 全安協の大会趣旨は「二輪車運転者の安全運転技能と交通マナーの向上を図ることにより、交通事故を防止するとともに、二輪車の普及、安全利用を促進するもの」として開催してきましたが、この大会を継承する日本二輪車普及安全協会(以下:二普協)においても大会趣旨は継承・同様としております。

 全国大会を開催することが目的ではなく、各県の交通安全協会(二輪車交通安全推進委員会)が都道府県大会を開催し、この地域の大会に多くの二輪ライダーが参加し、成績優秀者が全国大会に推薦され、出場し、その選手が、その後、後輩の指導、地域の指導員としての役割を担っていただきたいというのが思いであります。

 2017年の都道府県大会へのエントリー者は、約1500名です。その10年前の2007年は、約2300名と年々、エントリー者の減少を見ているところです。

―――「技能走行」はモータースポーツのジムカーナのようにも見えますが、違いはどこにあるのでしょうか

 モータースポーツのジムカーナについては、小職は、聞き及びの知識しかありませんが、この二輪車安全運転大会における “運転技能”は、事故を防止する、危険を回避する技能を向上させてほしいとの目的があります。

 そして重要なのがマナーです。本大会の競技は、法規履行走行と技能走行(5種目)がありますが、法規履行走行は三重県警察運転免許センター試験官に採点をお願いし、評価しているものです。高度な運転技能を求め、速さの秒を競いあう大会ではありません。

 それぞれの種目を採点し、表彰はしますが、各種目は、安全運転に必要な細部にわたる採点項目が定められており、これを評価します。

 大会当日だけではなく、本大会に出場するまでの事前の訓練等において、一つ一つの目標を持って訓練を積み重ね、技能及びマナーを磨いて戴きたいとの趣旨であります。

―――各都道府県の代表はどのようにして決められるのでしょうか。

 前述しておりますが、都道府県交通安全協会が都道府県大会を開催し、その大会で優秀な成績の方を推薦していただき、鈴鹿での全国大会に出場しています。

 都道府県の安全協会さんの県大会への取組みについては、それぞれ温度差はあると思っております。多くの都道府県交通安全協会の方が話しているのは、高校生等クラスの出場者参加呼びかけが難しいとのことです。

「二輪車安全運転全国大会」高校生等クラスのコーススラローム

 今年の大会で、愛媛県が団体優勝したことは、非常に驚きでありました。中小規模県にも勇気を与えるものではないかと思います。

―――大会名に「安全」を掲げていますが、安全に対してどのようにフィードバックしているのでしょうか。

 全国大会に参加してくる選手の目的を聞いておりますが、一番は自分の実力を見たい、楽しんで参加したい、そして二輪車安全運転推進委員会の指導員を目指したいとの目的を語ります。
 
 二普協事業の大きな安全活動に、全国の都道府県で交通安全協会と協力しながら実施している「Gミーティング」がありますが、この実技型交通安全講習では、この指導員の方々に大変お世話になっております。

 また、高校生等講習、その他安全運転講習等においては、この指導員の方々に非常にお世話になっているところです。

 重ねて申し上げますが、このように全国大会に出場した後に、指導員を目指す方々が多いことが二輪車の安全活動に大きく寄与しており、全国の交通事故が減少してまいりま
したが、これらの活動が寄与しているものと思っておりますし、今後も必要な施策の一つであると思っております。

※ ※ ※

 警察庁の発表によると、2018年3月末の二輪車の死亡事故は2017年よりも8件ほど多い113件、死者総数の13.4%を締めています。万が一の事故に備え、「二輪車安全運転全国大会」のような安全活動に参加し、知識や技術を学ぶのも自己防衛の一つの手段といえるでしょう。

【了】

「二輪車安全運転全国大会」の様子を画像で見る

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