あおり運転と共に社会問題になった逆走の危険性 高速道路逆走の死亡事故率は通常事故の55倍

高速道路の逆走は大変危険です。その死亡事故率はなんと通常の事故に比べても55倍もの割合となっています。取り締まられた場合の処罰はどのようなものになるのでしょうか。また、どんなところで逆走が発生しているのでしょうか。

相次ぐ高速道路の逆走、死亡事故率は通常事故の55倍

 近年、高速道路での逆走が相次いでいます。国土交通省が発表した2017年逆走発生状況によると、同年に全国の高速道路で起きた逆走は207件でした。そのうち、事故になったのは44件で、死傷事故は17件(死亡事故5件を含む)、物損事故が27件となっています。

逆走対策として設置された看板

 高速道路の事故全体と比較すると、高速道路逆走による事故では死傷事故率が約4倍の38%、死亡事故率は55倍の11%に上ることからも、ダメージの大きさが分かります。なお、二輪車の逆走は、国土交通省のデータ(2015年)によると全体の7%ほどです。

ある場所で集中して起きている逆走

 逆走は、約6割に当たる125件がインターチェンジやジャンクション付近で起きています。次いで本線45件、サービスエリアやパーキングエリア付近の12件の順になっています。逆走の原因は、通り過ぎた出口に戻ろうとUターンするなど「故意」の逆走が28%、サービスエリアなどからの誤進入などの「過失」が34%、また認知症などが原因の「逆走の認識なし」も22%に上りました。

 また、国土交通省が発表した2017年逆走発生状況によると、65歳以上の運転者が約6割を占めており、高齢ドライバーの認知能力の低下も原因に指摘されています。

道路の逆走はどんな罪になる?

 逆走の場合、事故を引き起こした場合とそれ以外で適用される法律が異なります。

 まず、事故に至らなかった場合ですが、本来通行すべき通行部分とは異なる部分を通行したということから、道路交通法違反の「通行区分違反」として処理されます。3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金という刑事罰が定められていますが、いわゆる青キップの交通反則金として処理されると普通車で9000円、バイクだと7000円の反則金と違反点数は2です。重大事故につながる違反としては驚くほど軽い処分となっています。

逆走で事故を起こした場合には厳しい罰則が課せられます

 一方で事故を起こしてしまった場合ですが、故意に逆走を行った場合、「自動車運転死傷行為処罰法」の「危険運転致死傷罪」に問われます。相手を死亡させた場合は1年以上20年以下の懲役になり、負傷させた場合は15年以下の懲役となります。死亡の場合は違反点数62、負傷の場合は55となり、行政処分も受けます。また、過失による逆走で死傷事故を起こした場合は、「過失運転致死傷罪」が適用され、7年以下の懲役もしくは禁固または100万円以下の罰金となります。

逆走防止のための対策

 高速道路各社も逆走防止のためにさまざまな対策を取っています。

 例えば、サービスエリアや料金所から高速道路の本線への合流地点におけるラバーポールの設置もその一つです。ラバーポールに矢印を表示して進行方向の誤認を避ける効果を果たしています。また、進行すべき方向とは逆方向に進もうとするドライバーに注意を促すため、「こちらへは進めません」と表示した看板標識を道路わきに設置したり、逆走車両を感知した場合に「逆走戻れ」という警告文を発光する逆走防止装置を設置したりといった対策も取っています。

逆走などを抑制するために設けられているラバーポール(写真はイメージ)

 また2017年度より、NEXCOは逆走対策に向けて、民間企業等からも公募し、実道での効果検証等を行っています。2018年12月には、検証を実施した技術のうち、18件の技術について継続的な技術開発に取り組んでいくことを発表しました。

 国交省の発表によると、逆走の発生事案は2015年の259件をピークに2年連続で減少傾向にあります。今後も、こうした対策の効果が期待されます。

【了】

逆走を防ぐための施策とは?

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