人気イラストレーターLAMの個展「目と雷」に謎のバイク出現! 酸性雨の中を走るブレードランナーの世界から!!

人気イラストレーターLAMさん(雷雷公社)の個展「目と雷」に、カスタムバイクが展示され異彩を放っているではありませんか。予告や説明などは一切ナシ、気になって仕方がありません。探ってみました。

カスタム界の重鎮と若手クリエイターの“対決”

 ゲームや企業コラボ、コマーシャルなど国内外、ボーダレスに活躍するクリエイター「雷雷公社」は、イラストレーターのLAMさん、そしてデザイナーのカトウシュンスケさんのユニットですが、東京・表参道 pixiv WAENGALLERYでは、LAMさんの初個展「目と雷」を3月13日~4月5日まで入場無料で開催中です。

東京・表参道で開催されている人気イラストレーターLAMさんの初個展「目と雷」

 会場にはビビッドでキャッチーなイラストが展示され、いずれもファンらが食い入るように見つめていますが、スペースの中央で熱視線を送られているのが、カスタムバイク。エンジンは空冷OHV45度Vツイン、フレームは剛性の高そうなアルミツインスパー、バイクファンならお気づきでしょう、そうビューエルです。

 ビルドアップしたのは、TASTE::CONCEPT MOTOR CYCLE(テイストコンセプトモーターサイクル)の河内山 智さん。北野武さんとのプロジェクト「北野内燃機」で、CB50をベースに『TONO』を製作したことでも知られるカスタム界の重鎮です。展示されたァスタムバイクは学生時代から、どこへ行くのもバイクという筋金入りのライダー、カトウさんのためにつくられました。

 ベースは2008年式の「XB12Ss」で、テイストコンセプトモーターサイクルで人気の「BATTLE CYCLONE(バトルサイクロン)」とネーミングされるシリーズ。カトウさんが製作依頼したとき、河内山さんと話したことは、映画「ブレードランナー」(1982年公開)の世界観についてのみ。細かいオーダーなどは一切なかったといいます。

 完成したバイクを前に河内山さんは「強酸性雨の中でもたくましく駆け抜けるイメージです」といい、「ウェザリングという手法のカスタムペイントですが、刷毛を駆使したドライブラシをひたすら繰り返す日々でした」と、振り返ります。そして「これはクリエイト・ガチバトルで、コラボではなく“対決”です」と言うと、雷雷公社のふたりも頷くのでした。

ジャンルを越え、刺激しあうプロジェクトに!

「言葉を失うくらいに感激しました」と、カトウさんはその出来映えに大満足。LAMさんに見せると、「この衝動をそのままに描きたい」とイラストを即座に描きあげ、今回バイクと一緒に展示しています。LAMさんにとって初のバイク登場作品となり、これまでバイクに興味のなかった中高生らからも、たいへん大きな反響を呼んでいます。

LAMさんの初個展「目と雷」で展示されているBUELLベースのカスタムバイク

 LAMさんは言います。

「2Dを立体化するという試みは経験あるのですが、(実在する)3Dを2Dにするというのは初めての体験で、河内山さんのクリエイティブが僕を刺激して生まれたのが、今回のイラストです。ぜひ、バイクとともにご覧になってください」

 アニメ・ゲームファンのみならずバイクファンも必見のLAMさんの個展「目と雷」(入場無料)は、4月5日まで東京・表参道 pixiv WAENGALLERY(渋谷区神宮前)にて開催。新型コロナウイルスの感染拡大により、開催期間に変更が生じる場合があるため、運営状況については随時pixiv WAEN GALLERY公式HPや公式Twitterにて確認されますように。

【了】

【画像】LAMさんの作品とカスタムバイクを見る(25枚)

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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