カワサキ「Ninja ZX-25R」公道試乗で感じたクイックシフターの恩恵…オススメはSE!

カワサキでは2008年に生産終了した「バリオスII」以来、じつに12年ぶりとなる4気筒250ccモデル「Ninja ZX-25R」。バイクジャーナリストの青木タカオさんが、一般道にてタップリ走り込みました。

キャブ時代のギクシャクを見事に解消!

 カワサキ「Ninja ZX-25R」を九州・阿蘇周辺の一般道で1日タップリ乗りました。公道でもアクセルを大きく開けて、4気筒ならではの高回転の伸びを味わえるのは、250ccクラスならではの楽しさがあります。レッドゾーンは17000rpmからですが、アクセルを戻さなければまだまだ回る勢い。開発責任ライダーの野崎浩司さんに聞くと、レブリミッターは18000rpmに設定しているとこのことで、それでもまだ余裕があると教えてくれました。

カワサキ「Ninja ZX-25R」を九州・阿蘇周辺の一般道で試乗しました

「ただ高回転まで回るだけでなく、しっかりパワーを伴って」と言うのは、開発リーダーの山本哲路さん(川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニー技術本部)。新開発DOHC4バルブエンジンは、1989年発売の「ZXR250」よりショートストローク設計(ボア・ストローク50.0mm×31.8mm)とし、「低回転域を使用した街乗りでの扱いやすさを確保しつつ、高回転域ではエキサイティングなフィーリングを提供します」と、トップエンドの伸びには自信を持っています。

 淀みなく回る胸のすく高回転サウンド、これにはもう酔いしれるばかりですが、ワインディングをひたすら走って強く感激したことが、もうひとつあります。それはアクセルをしっかりと開けきれない、これまでキャブレター仕様の4気筒250ccならギクシャクし苦手としていた領域で、スムーズに駆動力を発揮しトラクションを得やすくなっていることです。

ライダーを高揚させてくれる高回転サウンドは、ワインディングでの走りの楽しさを思い出させてくれる

 たとえば、Rのきついタイトコーナー。旋回中はパーシャルで我慢する時間がありますが、キャブ時代の4気筒250ccならトルクが落ち込んでしまい、ギヤを上げても力が足りないし、下げても上手く走れないなんてことになりがちでした。

 FI&電子制御スロットルバルブの恩恵でしょう。「Ninja ZX-25R」では、アクセル開度1/8以下でもジュワ~っと駆動力を絞り出して、サスペンションがジンワリと入っていき、前後輪にしっかりトラクションが掛かるのです。このスムーズなパワーデリバリーに、大きな進化を感じずにはいられません。

オートブリッパー機能付きクイックシフターに感動!!

 そして雨の中、濡れた路面でも走りましたが、オートブリッパーとクイックシフター(上級仕様のSEに標準装備)、アシスト&スリッパークラッチとトラクションコントロールの組み合わせにたいへん助けられ、シフトチェンジが楽しくて仕方がありません。

濡れた路面でも安心して走行可能な「Ninja ZX-25R」

 通常なら駆動輪のロックやスリップ、リヤのホッピングが不安で、エンブレをがっつり効かせて走るのが難しいウェットコンディションですが、何も気にせずシフトダウンができてしまうのです。ギヤチェンジ時にクラッチレバー操作が要らないだけでなく、シフトダウン時のショックを和らげるためのブリッピングも一切不要。ライダーの疲労軽減に大きく役立ってくれます。

 もちろん、スポーツライディングした時のオートブリッパー機能とクイックシフターの役割は絶大で、コーナーアプローチをとてもスムーズにしていますし、トラクションコントロールのある安心感から必ずしも路面がクリーンではない一般道でもアクセルをワイドオープンにできるのです。

 今回は「Ninja ZX-25R SE」に乗りましたが、オートブリッパー機能付きクイックシフターの恩恵は公道でも絶大だったことを報告しておきたいと思います。

【了】

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Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。

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