原付免許取得率 全国上位の県の共通点は?

日本自動車工業会(自工会)都道府県ごとの原付免許取得者数をその地域の人口当たりで割り出した「免許取得率」を算出したところ、山梨県、和歌山県、鹿児島県、熊本県、奈良県が全国ランキングの5位までを占める結果となりました。これらの県にはどのような共通点があるのでしょうか。

原付免許取得数は人口の多い都府県が上位にランクイン

 日本自動車工業会(自工会)都道府県ごとの原付免許取得者数をその地域の人口当たりで割り出した「免許取得率」(ここでは、生産年齢人口(15~64歳)1万人当たりの原付免許取得者数を「原付免許取得率」としています)を算出したところ、山梨県、和歌山県、鹿児島県、熊本県、奈良県が全国ランキングの5位までを占める結果となりました。

日常の足として使用されている原付(出典:自工会)

 原動機付自転車(50㏄以下)は、運転免許が必要とされる最も初歩的なパーソナルコミューターですが、満16歳で免許が取得できるため、通勤、通学など、日常的な移動手段として広く利用されています。

 国内の保有台数は年々減少していますが、生活に欠かせない乗り物として根強い人気があり、現在、全国で約510万人 (総務省の「軽自動車税に関する調」より、原付一種の賦課期日現在台数は510万3,395台/2019年7月1日現在)の足として使われています。

 原付免許を取得する人の数は、2019年の1年間でみると、全国で9万2,963人(ここでの原付免許の取得者数は、警察庁の「運転免許統計」/令和元年版より、原付免許の新規交付件数および併記交付件数を足した件数を、便宜上“取得した人の数”とみなしています)で、都道府県別では、1位/大阪府(1万2,922人)が断トツで多く、2位/神奈川県(7,574人)、3位/東京都(7,191人)、4位/愛知県(5,591人)、5位/福岡県(5,292人)という順で、人口の多い都府県が上位を占めています。

免許取得率では山梨が過去5年で3回トップに

 取得者数においては人口の多い都府県が上位を占めていますが、原付き取得者数を各地域の人口で割り算し、“免許取得率”を求めると2015年から2019年までの5年間で山梨が3回トップにランクイン。

2015年~2019年の原付免許取得率 都道府県ランキング(出典:自工会)

 2019年で見ると原付免許取得率の第1位は和歌山県で、1万人当たり37.1人、次ぐ山梨県が35.3人、3位の鹿児島県が34.8人、4位の熊本県が32.8人、5位の奈良県が26.2人と続いています。

 実数と取得率で順位に差が出るのは、地域ごとの気候、地形、公共交通機関の利便性など、さまざまな要因があるでしょうが、北海道、東北、北陸地方など、寒冷地や豪雪地帯の免許取得率が低いことは、明らかな傾向として順位に表れています。

受験環境が整備された地域は取得率が上昇

 気候、地形、公共交通機関の利便性などのほかにも、取得率と関係している要因が都道府県によって原付免許を取得しやすい環境が整備されているかどうかということが考えられます。

 運転免許試験そのものの水準は、全国で同一のものですが、試験を受けられる場所(箇所数)や、試験の実施日(曜日・回数)、免許を取得する際に義務付けられている「原付講習」がいつどこで受講可能かなど、都道府県によって実施体制は異なります。

 一般的なイメージとして、原付免許を取得する場合、運転免許試験場を訪れて学科試験を受け、合格したら原付講習を受けて免許証が交付されるという流れですが、都道府県に置かれている運転免許試験場の数は少ないため、試験場から遠い場所に住んでいる受験者はアクセスにも時間が掛かります。また、試験は平日に行われるため、会社や学校を休んで出向くことになるケースもあるでしょう。

 そうした観点を踏まえると、原付免許の取得率が高い山梨県、和歌山県、鹿児島県、熊本県に共通しているのは、運転免許試験場以外に、警察署でも原付の試験が受けられるという点が挙げられます。

都道府県別・原付免許の試験実施場所および原付講習の実施場所(出典:自工会)

 また、原付講習は最寄りの自動車教習所で受講できるというのもこの4県では共通していますが、全国の原付免許取得の手続きを調べてみると、警察署で試験を実施しているのは20府県あり、原付講習を自動車教習所などで実施しているのは27府県です。ちなみに茨城県は、全国で唯一、原付の試験と講習の両方を自動車教習所で行っています。

【画像】山梨県の高校生 約12%が原付免許を取得!(12枚)

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