あなたは説明できる?タイヤのバーストとパンクの違い

バイクを運転していると、予期せぬトラブルに見舞われてしまうこともあるでしょう。例えばタイヤに関連したトラブルとして、「バースト」や「パンク」が挙げられます。このふたつのトラブルを混同している人も多いかもしれませんが、実は似ているようで異なるトラブル。一体、どんな違いがあるのでしょうか。

タイヤバーストとパンクの違いは?

 バイクを運転していると、「バースト」や「パンク」など、予期せぬトラブルに見舞われることがあります。このふたつの車両トラブルは、似ているようで実は異なるトラブルなのですが、一体どんな違いがあるのでしょうか。

バーストしたタイヤのイメージ
バーストしたタイヤのイメージ

 まず、バーストには一般的に爆発や破裂という意味があり、クルマやバイクで走行中にタイヤが破裂することをバーストといいます。

 走行中にタイヤがバーストすると、クルマやバイクのコントロールが利かなくなり、周囲を巻き込んだ大きな事故を誘発する可能性もあるため、非常に危険なトラブルです。また、運よく他車を巻き込まなくても、衝撃の大きさによって自車のパーツを傷つけてしまったり、破損させることにもなりかねません。

タイヤに穴が空き、そこから空気が抜ける現象のことを英語でパンクチャーと言います
タイヤに穴が空き、そこから空気が抜ける現象のことを英語でパンクチャーと言います

 一方で、タイヤのパンクは英語のパンクチャーに由来する用語で、穴を開けるという意味があります。つまり、タイヤのパンクは釘などが刺さることでタイヤに穴が空き、そこから空気が抜ける現象のことを示しているのです。

 このふたつのトラブルは、タイヤが破損するという点では同様ですが、徐々に空気が抜けていくパンクと突然タイヤが破裂するバーストという大きな違いがあります。

タイヤの空気圧は設定された基準にしましょう
タイヤの空気圧は設定された基準にしましょう

バーストやパンクが発生する原因と対処法は?

 タイヤがパンクする原因の多くは、タイヤに空いた穴やバルブの緩みなどによる空気漏れで、徐々に空気が抜けていくというものです。そしてバーストには、以下の原因が挙げられます。

空気圧に注意してバイクで走行するイメージ
空気圧に注意してバイクで走行するイメージ

 まずひとつ目に挙げられる原因は、タイヤの空気圧の低下といわれています。空気圧が低い状態で高速道路などを走行すると、タイヤの表面が波状に変形し、タイヤが熱くなってしまう「スタンディングウェーブ現象」が発生する場合があり、その熱によりタイヤの構造体が破損することが、バーストの原因になり得るのです。

 スタンディングウェーブ現象が発生すると、小刻みな振動から大きな振動に変わる、ゴムが焼ける臭いがするなどの異常が発生することがほとんど。この異常にいち早く気付くことで、バーストを未然に防ぐことができるでしょう。

 一方で、タイヤの空気圧が高すぎても、バーストにつながる可能性があります。特に気温が高い時は空気が膨張するため、空気圧が高いタイヤで走行すると、地面との摩擦熱が内部に伝わりやすくなり、タイヤがバーストする場合も。そのためバーストを予防するには、タイヤの空気圧を適正に保つことが重要なポイントといえます。

 タイヤの適正な空気圧はモデルによって違うため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。また、走行直後はタイヤが温まっており、正確な空気圧が測定できないため、空気圧のチェックは、必ずタイヤが冷えている状態でおこなう必要があります。

バーストしたタイヤのイメージ
バーストしたタイヤのイメージ

 ふたつ目に挙げられる原因は、タイヤの劣化です。タイヤを使用していると、紫外線や熱の影響を受けることで時間と共にタイヤが劣化し、やがてサイドウォールなどにひび割れが生じます。

 そして、そのまま走行を続けると、ひび割れからタイヤ内部に水やホコリが入りこみ、特にスチールが用いられることの多いカーカスやビードワイヤーが錆びてしまい、タイヤ全体の強度が落ちてしまいます。そこに負荷がかかることにより、バーストの原因になってしまうのです。そのため、タイヤの保管やメンテナンスの方法に気を付けることも、バーストを予防する方法といえます。

 タイヤは、紫外線や熱、タイヤワックスなどの化学物質が入った用品によって劣化します。そのため、経年による自然劣化は避けられないとしても、バイクを駐輪する際は、直射日光の当たる場所を避けるのも重要なポイントです。

 ちなみに、バイクのタイヤは接地面積が少ないため、スリップにつながりやすいタイヤワックスの使用はあまり推奨されていません。

 では、バーストやパンクが発生した際は、どのような対処をおこなえば良いのでしょうか。バーストが発生するとコントロールできなくなりますが、だからといって急ブレーキをかけると予想外の方向に進むだけでなく、後続車から追突されることもあるため、「急」のつく動作は厳禁です。

 バーストに気付いたら、すぐにバイクを安全な場所に停め、たとえ家やガソリンスタンドが近くにある場合でも、そのまま走行することは絶対に避けてください。

 なお、パンクの場合は穴を補修することで再びタイヤを使用できることもありますが、バーストはタイヤ全体が破損するため修理はできません。タイヤがバーストしたら、タイヤを交換するしかないという点は覚えておいてください。

※ ※ ※

 タイヤのバーストやパンクは、大きな事故につながる可能性のある非常に危険なトラブルです。バーストやパンク以外の、さまざまな車両トラブルを未然に防ぐためにも、ドライバーやライダーは車両の定期的なチェックを行うように注意しましょう。

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