【MotoGP第4戦アメリカズGP】Moto2クラスの小椋藍選手 2戦連続で表彰台を獲得!
2022年4月10日、MotoGP第4戦アメリカズGPの決勝レースがサーキット・オブ・ジ・アメリカズで行なわれ、小椋藍選手(イデミツ・ホンダ・チームアジア)がMoto2クラスで2位表彰台を獲得しました。
2戦連続で表彰台、それでも「速さが足りない」
2022年シーズンのMoto2クラスに参戦する唯一の日本人ライダー、小椋藍選手(#79/イデミツ・ホンダ・チームアジア)は、予選で11番グリッドを獲得し、4列目から決勝レースをスタートします。

好スタートを切って序盤にポジションを上げると、前を走るペドロ・アコスタ選手(レッドブルKTMアジョ)や2番手を走行中だったチェレスティーノ・ヴィエッティ選手(ムーニー・VR46・レーシングチーム)、さらにトップを走っていたアロン・カネト選手(フレックスボックスHP40)が転倒。そんな中で安定したタイムを刻んでいた小椋選手は、中盤に3番手を走行していました。
さらに1秒以上あったジェイク・ディクソン選手(Indeガスガス・アスパー・チーム)との差を縮めていくと、12周目にディクソン選手をかわして2番手に浮上し、そのポジションをキープしてフィニッシュ。2位を獲得し、2戦連続で表彰台に立ちました。

レース後の会見で、小椋選手は「2位でフィニッシュできて嬉しいです。今日は金曜日、土曜日とはコンディションがかなり違っていて、マネジメントするのが難しく、バイクに乗っているのさえも大変でした。ハードなレースでしたね」とレースを振り返りました。
さらに「アロンや速いライダーと戦うには速さが足りなかったです。レース序盤は彼らと走ってちょっと苦しんでいました」と語った小椋選手に、「速さが足りなかったということですが、ペースはよかったのでは? 連続表彰台を獲得する自信はありましたか?」と聞くと、「難しい質問ですね……」と少し考える様子を見せます。
そんな小椋選手に、優勝したトニー・アルボリーノ選手(エルフ・マークVDSレーシングチーム)が「彼はいつもこうして多くを語らないんだけど、いつも表彰台を獲得するんだよね!」と笑いながら突っ込んでいました。

そのあと小椋選手は「彼ら(アロンなど)に比べてスピードが足りなかったということです」と答えてくれました。小椋選手が考える速さ、それが足りなかったということなのでしょう。
じつはレース直後のMotoGPドットコムのインタビューでは「100パーセントは満足していないです」とも語っていました。表彰台の獲得にかかわらず、常に目指すべきものを見据える小椋選手らしいコメントでした。

次戦の第5戦ポルトガルGPは2022年4月24日、アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェで決勝レースが行なわれます。小椋選手のさらなる活躍、そして優勝にも期待がかかります。
■Moto2クラスとは……
Moto2クラスはトライアンフ「ストリートトリプルRS」の3気筒765ccエンジンをベースに開発されたオフィシャルエンジンと、シャシーコンストラクターが製作したオリジナルシャシーを組み合わせたマシンによって争われる。2021年8月、トライアンフによるエンジン供給は2024年まで延長された。タイヤはダンロップのワンメイク。クラスとしてはMotoGPクラスとMoto3クラスの中間に位置する。
Writer: 伊藤英里
モータースポーツジャーナリスト、ライター。主に二輪関連記事やレース記事を雑誌やウエブ媒体に寄稿している。小柄・ビギナーライダーに寄り添った二輪インプレッション記事を手掛けるほか、MotoGP、電動バイクレースMotoE取材に足を運ぶ。