ヤマハが「YMR-II」の発売を発表! 自動飛行機能を標準搭載した安全・安心な国産ドローン

ヤマハ発動機は2023年春より、産業用マルチローター「YMR」シリーズの新機種として、自動飛行機能を標準搭載した「YMR-II(ワイエムアール・ツー)」を発売します。

安全・安心な国産ドローン

 ヤマハ発動機株式会社から2023年春、自動飛行機能を標準搭載した「YMR-II(ワイエムアール・ツー)」を発売します。

自動飛行機能を標準搭載したヤマハ「YMR-II(ワイエムアール・ツー)」
自動飛行機能を標準搭載したヤマハ「YMR-II(ワイエムアール・ツー)」

 安全・安心な国産農業用ドローンを目指して開発されたYMR-IIは、産業用マルチローター「YMR」シリーズの新機種で、農業生産現場で得られたノウハウの流出や、機体の乗っ取り等から生産者を守る高い情報セキュリティ機能が搭載されています。

 さらに、初心者でも運用が簡単な新型自動飛行用アプリケーション「agFMS-IIm」による優れた自動航行および自動離着陸機能を実現。6枚ローター(回転翼)レイアウトおよびボックスフレーム構造の採用による、高い飛行安定性などが主な特長です。
 
 その他にも、ワンタッチでアームの開閉が可能な新機構やカセット式散布タンク、丸洗い可能な防水性能(防水規格:IP55)等により、効率的な作業をサポートしてくれます。また、今後は粒剤散布装置や4Kカメラ、障害物センサーや追加散布ポンプ等のオプションを揃え、多様化するニーズに対応する予定です。

 そんな同製品の開発は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構/NARO)が事業実施主体である国際競争力強化技術開発プロジェクトの「安全安心な農業用ハイスペックドローン及び利用技術の開発」を受託(2021年6月)した、ハイスペックドローン開発コンソーシアム*の事業としておこなわれました。

 機体の基本要素は他社でも利用可能な基盤技術として開発が進められ、これらの技術は国内ドローン産業の国際競争力向上に貢献しています。

 YMR-IIの価格(消費税込)は185万9000円。10月12日から14日に幕張メッセ(千葉県)で開催される「第12回農業Week」のヤマハ発動機ブースに、同製品も参考出品される予定です。

YMR-IIの主な特長とは?

●生産者のノウハウを守る高い情報セキュリティ機能 

 ハッキング等による取得データの流出や、外部操作による機体乗っ取りから生産者のリソースを守る高い情報セキュリティ機能が備えられています。

 機体との通信は「AES256」による暗号化通信を採用。また、第三者機関による送信機アプリケーションのセキュリティ診断が実施されるほか、ユーザーの意図に反した飛行ログアップロードをおこなわない仕様になっているなど、さまざまなセキュリティ対策が施されています。

ローターを折りたたんだ収納時のサイズはコンパクトな733㎜×626㎜×786㎜
ローターを折りたたんだ収納時のサイズはコンパクトな733㎜×626㎜×786㎜

●新型自動飛行用アプリケーション(agFMS-IIm)により、自動飛行機能の利便性を向上 

 ベテランの人が詳細に飛行設定できる「プロフェッショナルモード」と、初心者でも簡単に飛行設定可能な「シンプルモード」を搭載。シンプルモードでは、画面の指示に従う操作で簡単に設定を完了することができます。また、高精度な測位を実現するRTK方式は、従来の基準局モジュールを用いるRTK-GNSS方式と、基準局モジュールが不要なネットワーク型RTK-GNSS方式を選択することが可能となっています。

●6枚の回転翼とボックスフレーム構造の採用により実現した高い安定性 

 YMR-IIは、6枚のローター(回転翼)を配したヘキサコプター。外乱に強く、安定した飛行と機体の軽量化に貢献するローターレイアウトとなっています。また、アルミとカーボンファイバーの強化樹脂によるボックスフレーム構造の採用により、高い飛行安定性が実現されました。

●従来機との比較で収納時約1/2サイズのコンパクト設計

 ローターを折りたたんだ収納時のサイズは、コンパクトな733㎜×626㎜×786mm。同社従来モデルとの体積比で約1/2の縮小が実現されました。

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