放っておいても大丈夫? バイクの車体についた傷
バイクを転倒させたり擦ったりすると、車体に傷がついてしまうことがあります。こういった傷は、 修理をせずに放っておいても問題はないのでしょうか。
小さくても油断大敵!? 車体の傷に注目
バイクのボディに傷がついてしまっても、そのまま何も対処せずに乗り続ける人も多いと思います。しかし、傷がつく原因はさまざまありますが、放置するのは危険です。
では、車体についた傷をそのままにしておくと、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

まず、ボディに傷がついた状態で乗り続けていると、見た目が悪いだけでなく、傷のさらなる悪化をまねき劣化を早めることになります。そして結果的に高額な修理費用が掛かることもあるため、日頃から傷のチェックをして愛車を綺麗な状態に保つことが大切です。
ボディにつく傷には、いつの間にかについている小さな傷から、強い衝撃によって付いた目立つ傷までさまざまです。また、ボディの表面は塗装面の上に薄いクリアコート処理が施されており、水や汚れをはじくように撥水加工されています。しかし、傷がついた状態でそのまま放置すると、少しずつ撥水性が失われていき、ボディの保護機能が発揮できなくなってしまうことも。
さらにそのまま放置しつづければ、傷のまわりのクリアコートの塗装も剥がれてしまい、劣化が進行することになるので注意してください。
特にタンクは金属で作られているので、傷を放置したままにすると見た目が悪くなるだけでなく、錆や腐食の原因にもなります。たとえ小さな傷でも下地の奥まで劣化が進み、軽度だった時に比べて修理費用が高額になることがあるので、早めに対処するようにしましょう

とはいっても、バイクに乗る以上は新車のような状態をキープすることは不可能といえます。
ではどうすればいいかというと、ボディに付く傷のなかで一番多いのが、表面につく比較的軽度な傷「線傷」です。線傷は転んだりしなくてもつくので、「いつの間にかボディに傷がついていた」という経験がある人もいるでしょう。また、線傷がつく原因もさまざまで、例えば代表的な原因としては走行中の飛び石や草木などが挙げられます。
飛び石は、前方を走るクルマのタイヤに地面に落ちている石が挟まるなどの原因により、勢いよく後方にその石が飛んでくること。この飛んできた石がボディに当たり、線傷になるというわけです。
また、飛び石は大きいものになると、クルマのフロントガラスにひび割れを起こすほどの威力があるので大変危険。特に高速道路やバイパスなどを走行する際は、車間距離を十分に保ち、当たる可能性を減らすことが重要となります。
そのほかにも、身に着けているアクセサリーや時計、鍵につけているキーホルダーなどの金属類が、無意識のうちにボディに接触して線状の傷をつけてしまう場合もあるので注意しましょう。
さらに、風の強い日に洗車をすると、飛散してきたホコリや砂塵などがボディに付着し、そのままスポンジで擦ることで線状の傷がつくこともあり得ます。そのため、洗車をする際は、まず水でボディの汚れを十分に洗い流してからおこなうようにしましょう。
なお、溝が浅い線傷は、コンパウンドやタッチペンを使えば簡単に目立たなくすることができます。

そして、線傷の次に多い傷として、「すり傷」が挙げられます。すり傷は、走行中の転倒や立ちごけなどが主な原因。駐輪場に停めている際に、隣の自転車やバイクがこすれたなども考えられます。
擦り傷は引きずったような跡が残り、見た目の印象が良くない上に、下地まで露出していると、ボディの色と違うためにかなり目立ってしまいます。また、そのまま放置すると雨水が内部まで浸透し、錆や腐食の原因になることもある重大な傷。下地まで達している深い傷は、ある程度の道具と塗装の技術が必要になるので、プロに依頼するのがベストです。
そして、すり傷と同じく転んだり立ちごけで大きな衝撃を受けた場合は、「へこみ傷」ができることもあります。特にタンクは金属でできているため、へこみ傷ができやすい箇所といえるでしょう。
へこんだ部分は塗装がはがれやすくなるため、下地が見えなくても劣化が進む原因となります。加えて、そのまま放置すると下地が露出し、雨水が浸入するため錆や腐食が発生しやすくなってしまいます。特に海岸近くに住んでいる人は錆の進行が早いので、傷を放置せず一刻も早く対処することが重要です。
なお、へこみ傷の修復には、専用の道具と板金の高度な技術が必要となるため、信頼できる業者に依頼することがオススメです。
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バイクについた傷を放置すると、錆や塗装のはがれなどを引き起こし、劣化を早めるだけでなくバイクの寿命を縮める要因にもなりかねません。
愛車と長く付き合っていくためにも、ボディについた傷は放置せずに、早めに対処するようにしましょう。