壊れてしまった自転車のカーボンフレームが蘇る!? 診断と補修ができる「カーボンフレームリペアサービス」とは
自転車のなかでも、ロードバイクではフレーム素材に軽量かつ自由度の高いデザイン性を持つカーボンファイバーが人気を集めています。カーボンフレームは高価なうえに破損してしまうと交換するしかなかったところ、診断と補修を行なうサービスがあったのです。
「高かったのに、もうダメか……」と、諦めてしまう前に
ロードバイクのフレームに用いられる素材のひとつ、カーボンファイバーは、軽量かつ自由度の高いデザイン性で主流となっています。一方で、一般的なスチール製フレームよりも高価なことも事実で、それが転倒などで当たりどころが悪く、傷がついたりチューブが割れてしまった場合、割れた状態で走り続けるのは危険なので交換するしかありません。

しかし気軽に交換できるほどお求めやすいものでもなく、できることなら修復して使い続けたい……しかし安全性は確保したい……と、そこで現れたのが「カーボンドライジャパン東京」のカーボンフレームリペアサービスです。
優れたカーボン加工技術をもつ同社は、元々クルマやバイクの外装パーツなどの生産や補修を行なっていますが、10年ほど前から自転車のカーボンフレームの診断と補修を手掛けています。
転倒したが一見すると傷が確認されなくても、内部ではダメージを受けていることがあります。そんな疑いがある場合には、診断により損傷を見極め、精度の高い補修を行なうことができます。その診断内容は、主に超音波と赤外線によるものです。

超音波診断では、カーボンファイバーは文字通り「繊維」の集合体のため、外見上で小さな傷でも内部破損が広がっていることもあります。また塗装されている状態だとさらにわかりにくいので、疑いのある場所を超音波を用いてピンポイントに目視不可能な内部を診断します。
そして新たに導入されたのが赤外線診断です。サーモグラフィを用いて表面温度を表示します。被験体にわずかな熱を加えて、その熱による温度の変化を観察することで、破断している箇所を特定します。
これらの技術は一流自動車メーカーや航空機業界では用いられているそうですが、自転車フレーム向けの診断としてはカーボンドライジャパンだけとのこと。被験体の状態によってふたつの診断を使い分けています。

さて、今回はチェーンステーにダメージを受けて大きく損傷してしまったカーボンフレームの補修を追ってみます。診断をするまでもない外傷ですが、赤外線診断をしてみるとダメージを受けた箇所が浮き彫りになりました。
熱を加えてから一定時間撮影をすると、時間と共に変化する表層の様子が見た目で分かります。試しに超音波診断も行なったところ、破断は広がっていないことが分かりました。
破損を断定したら、いよいよ補修作業です。補修の過程は熟練した職人の手作業によって丁寧に行なわれます。納期は通常1~2カ月、受注数によって変動するそうです。
補修が終わったフレームは、もうどこに傷があったのか全くわかりません……。

もしカーボンフレームを破損してしまったら、諦めてしまう前に診断と補修を選択肢のひとつとして検討してみるのも良いのではないでしょうか。もちろん自転車だけでなく、クルマやバイクの外装パーツも受け付けています。
Writer: 山本健一
サイクルジャーナリスト(人力バイクのほう)。ジャーナリスト歴20年、自転車競技歴25年の公私ともに自転車漬け生活を送る。新作バイクレビューアー、国内外レースイベントやショーの取材、イベントディレクターなど、活動は多岐にわたる。










