ホンダF1参戦に向けエコマイレッジチャレンジでもカーボンニュートラル燃料で走行お披露目!!
カーボンニュートラル化を目指すF1は、ホンダが再参戦する2026年に新ルールを適用し、持続可能な燃料へ切り替えますが、ホンダは着実に開発準備を進めています。本田宗一郎杯 Honda エコ マイレッジ チャレンジでは、バイオマスを原料としたカーボンニュートラル燃料を使用し、エキシビション走行を実施。倉石誠司取締役会長は来年大会からの新カテゴリー導入も示唆しました。
スーパーカブエンジンで燃費を競う!
速さではなく、1リッターのガソリンでどれだけ走れるか燃費を競う『本田宗一郎杯 Honda エコ マイレッジ チャレンジ 2023 第42回全国大会』(主催:本田技研工業)の決勝が9月10日(日)、モビリティリゾートもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)でおこなわれ、2,451.870km/リッターを記録した「水曜クラブ」が優勝。大会2連覇を成し遂げました。

過去最高は2011年に達成したリッターあたり3,644kmの記録で、モビリティリゾートもてぎからベトナム・ハロンまでの距離に相当します。
レギュレーションで定められたエンジンは、スーパーカブが搭載するホンダ4ストローク50ccで、いかに高効率で環境性能に優れる内燃機エンジンであるかを証明しています。
中学校や高校、大学ら学生をはじめ、社会人のチームがエントリーし、今年は計217組がチャレンジ。各チームのマシンは設計や形状、走り方など、ありとあらゆる要素の効率化を追求し、作り出されているのでした。
カーボンニュートラル燃料でのエキシビション走行
注目は『Honda エコ マイレッジ チャレンジ』では史上初となる、カーボンニュートラル燃料を使ったエキシビション走行が実施されたことです。

これまでのガソリンに替わって、バイオマスを原料としたカーボンニュートラル燃料を使用しました。これは光合成により二酸化炭素(CO2)を吸収して育った植物を原料に作られた燃料です。
植物が成長時に吸収した二酸化炭素と、燃焼時に発生する二酸化炭素の一部が相殺されることによりCO2排出量の削減効果があると考えられています。

ホンダ学園関東校より「H-TEC CN-プロジェクト」、本田技術研究所より「Team-Truth」の2チームが有志で参加し、両チームとも完走を果たしました。
記録はCN01「H-TEC CN –プロジェクト」が709.018 km/L、CN02「Team-Truth」が1,206.419 km/Lで、好成績を収めています。

今回のエキシビションで使用するCN燃料ETS RenewaBlazaの生成方法は、植物ゴミから抽出されたセルロースからエタノールを作り、そのエタノールをクルマの燃料として使用できるように改質しています。
改質された燃料は日本の工業規格であるガソリン「JIS K2202:2012」と同等品で、『SUPER GT』や『MFJ JSB1000』にも使われています。
ホンダ倉石取締役会長も熱視線!
モビリティリゾートもてぎには、本田技研工業株式会社取締役会長・倉石誠司氏の姿もあり、大会会長として繰り広げられる熱戦に注目し、カーボンニュートラル燃料を使ったエキシビション走行を見守りました。

倉石取締役会長はこう言います。
「世界的に温暖化対策が差し迫って重要な課題となる中、世界最大のエンジンメーカーであるホンダは全活動でのCO2排出量を、実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現を目指し、歩みを加速させていかなければなりません」
「ホンダが参戦しているモータースポーツでも、カーボンニュートラル化が急ピッチで進んでおります。たとえば、スーパーGTやスーパーフォーミュラをはじめ、量産車ベースのスーパー耐久シリーズにおいてもバイオマスを原料としたカーボンニュートラル燃料の導入が行われるようになりました」
「モータースポーツの世界最高峰カテゴリーであるF1は、カーボンニュートラル実現に向け2026年以降、水を電気分解して得られたH2(水素)と工場から排出されたCO2を合成した燃料、e-fuel(イーフューエル)への切り替えが決まっています。カーボンニュートラルを目指すホンダもF1再参戦を決め、現在新型パワーユニットを開発中ですので、ぜひ応援していただければと思います」

「本大会は“1リットルのガソリンで何キロ走行できるか”をテーマとして、42年間で多くの参加者がチャレンジしてきた燃費競技大会ですが、世界的な脱炭素の波を受けてカーボンニュートラル化の検討を始めました。具体的には、カーボンニュートラル燃料の導入を進め、世界一CO2を排出しない大会を目指していきます」
「来年からカテゴリー導入に向け、エントラントの皆様へ今年のトライ結果のノウハウを共有できるよう尽力します。燃料が変わることは大変困難なチャレンジになるかと思いますが、地球の未来を築く若い人たちに、柔軟な発想でこの困難を突破していただきたいです」
新ルールのF1でホンダ躍動なるか
2050年にカーボンニュートラルを達成することを目指すホンダ。2026年からFIAフォーミュラ・ワン世界選手権『F1』へ復帰することを今年5月に発表していますが、2026年から導入されるレギュレーションでは100%カーボンニュートラル燃料を使用することが義務付けられています。

新しいパワーユニットの開発に伴って、燃料技術への取り組みもますます加速していることを『Honda エコ マイレッジ チャレンジ』のエキシビション、そして倉石取締役会長のお話から強く感じることができました。
ホンダの動向、これからも目が離せません!

Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。



















