映像の魔術師ロバート・ロドリゲス監督が放つ“絶対に騙される”サスペンス・ミステリー『ドミノ』
多重構造のストーリー&世界観が観客の予想を裏切り続け、ロバート・ロドリゲス監督のたくらみが90分間休みなく展開していくサスペンス&ミステリー大作『ドミノ』が、2023年10月27日(金)より全国ロードショーされます。
“決して捕まえられない男”を追う刑事
ベン・アフレック主演、ロバート・ロドリゲス監督がタッグを組んだ『ドミノ』は、その挑戦的なストーリーと革新的な映像で一気に話題をさらったサスペンス&ミステリー大作。構想に20年をかけたという、多重構造のストーリー&世界観には、どんな先読みも裏切られることでしょう。

——優秀な刑事ダニー・ロークは、最愛の娘が行方不明になったことで心身のバランスを崩していますが、正気を保つために仕事に復帰。そんな彼のもとに、銀行強盗予告のタレコミが入ります。その事件現場で不可解な動きをする容疑者が娘の行方に関与している手がかりを見つけたロークは、ふたりの警官を伴って屋上まで男を追い詰めるも、警官は突然暗示をかけられたようになってお互いを撃ち殺し、男は屋上から飛び降り姿を消してしまいました。“決して捕まえられない男”を追い、現実と見紛う〈世界〉に踏み込み追い詰められていくダニーは、やがて……。
ロバート・ロドリゲスが本作の構想を思いついたのは2002年。しかし脚本の執筆はなかなか進まず、2015年には自身で監督することを決め、脚本を書き上げることに。ロドリゲス監督は当時のことを「そうしたら、2ヶ月で完成してしまったよ」とトントン拍子に進んだことを振り返っています。

90分の間に休みなく物語が展開していく本作。それはロドリゲス監督が最初から意識していたことであり、観客の“次はこうくるだろう”という予想をことごとく上回っていきます。とはいえ複雑な構成で混乱させるようなことはなく、“いま何が起きているのか”がしっかり分かるようバランスが取られているあたりも流石です。
ロドリゲス監督といえば『アリータ:バトル・エンジェル』(2019年)の続編の噂も囁かれていますが、劇中に登場するジャイロバイク(一輪バイク)は強烈な印象を残しました。あのバイクは現在すでに開発されている最新テクノロジーを映画に合わせてデザインされた、セグウェイ的な機構を持つリアルな小道具なのだそうです。