気分はケニーロバーツそれともウェインレイニー!? ヤマハマルボロカラーに感涙せずにはいられないXSR900GP試乗!!
アグレッシブな前傾姿勢
アップハンドルの『XSR900』に対し、GPはセパハンで大きめの垂れ角や絞り具合が絶妙です。アルミ地のトップブリッジもまたレーサーレプリカをイメージさせるもので、フロントブレーキにはラジアルマスターシリンダーもおごられ、タッチ(コントロール性)も抜群に良いことも報告しておきましょう。
ステップは後方へセットされ、ペグにはラバーが取り付けられています。シートやタンク形状も異なり、よりアグレッシブな前傾姿勢のライディングポジションとなりました。

シート高は835mmで、『XSR900』より25mm上がっています。身長175cmの筆者がまたがると、カカトが浮く状態。腰を引いたシッティングポイントで、タンクを抱えるようにして乗るのも80年代のスパルタンなムードがあり、ワクワクせずにはいられません。
メーターは5インチのTFTディスプレイで、アナログ風のタコメーターを表示できます。YRC(ヤマハ・ライド・コントロール)モードは以下の3種をプリセットしつつ、出力特性や各種電子デバイスの介入度を細かく設定できるカスタマイズ枠も2パターン設けています。
SPORT:エンジンレスポンスが高まり、ワインディングやサーキットに適する。
STREET:幅広い環境と路面をカバーし、市街地走行に適する。
RAIN:出力特性がマイルドになり、雨天など悪化した路面状況に適する。
モードの切り替えはメーター画面を見ながらハンドルスイッチによって直感的に操作できるほか、Bluetoothにてリンクするスマートフォンの専用アプリ「Y-Connect」でも可能となっています。
80年代風の見た目に最新技術が融合
『XSR900』譲りのエンジンは、エアクリーナーボックスや吸気ダクトを専用設計するなどし、吸気系が見直されました。『MT-09』由来のトリプルエンジンは、低回転域ではツインのような太いパルス感があり、高回転では4気筒のような胸のすく伸びと加速感が得られます。GPでは高周波サウンドがより際立っているのも見逃せません。

ワインディングでは積極的に荷重移動し、テンポよく走らせると爽快にコーナーを駆け抜けることができました。アプローチではフロントへ、立ち上がりでは駆動輪のトラクションを重視するといったスポーティな走りがしっくりときます。
キャスターが『XSR900』より寝ていて(25°→25°20′)、トレールが108→110mmに増え、ホイールベースは1495→1500mmと長い。車体の中心にどっしりと座ったままではなく、スロットルワークとともにライダーがリズムを整えつつ走らせれば、スポーツライディングでの人機一体感と愉しさはこの上ないものとなりそうです。

トラクションコントロールなど6軸IMUによる電子デパイスに加え、アップ/ダウン対応のクイックシフターなど、懐かしいスタイルの中に現代的な先進装備も搭載。
しなやかに動くKYB製の前後サスペンションもGP専用で、プリロード、圧縮(高速/低速)、伸びが調整可能なフルアジャスタブル式に。リヤはリモートローラー付きにグレードされ、リンク比も最適化されています。
別売オプションのシートカウルやアンダーカウルもあるほか、『RZV500R』や『FZ400R』を再現した外装キット(33万円)もワイズギヤから出ていますが、予約受付は5月10日に終了。『XSR900GP』の車体本体価格は143万円です。

Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。














