やっぱりスーパーカブには“レッグシールド”が欠かせない!? 「60thアニバーサリーモデル・プロトタイプ」レプリカ作りに納得した直後からさらなる「お気に入りを追求」するのがビルダーの性!?
ゴールドのメタルフレークカラーを纏ったスーパーカブシリーズ生誕60周年+シリーズ累計1億台突破記念のショー展示モデル=プロトタイプモデルをレプリカしたカスタム車を完成させた木村さん。カフェカブミーティングの会場では、数多くのスーパーカブファンにカスタム仕上げが認められ、人気投票でも第1位を獲得しました。そんな結果を得られたことで納得し、以前から脳内妄想してきたカスタム仕様を、この車両をベースに製作するそうです。最初に取り組んだのが、完全オリジナルの「本牛革シート」の製作でした。
スーパーカブのフルカスタムに多いチョッパースタイル
お気に入りのボルトオンパーツを取り付け、移動手段としての使い勝手や見た目をスタイリッシュにモディファイしたスーパーカブのカスタムマシンは数多くあります。一方で、独自の世界を追求した車両は、数多くありそうで、まだまだ少ないのがスーパーカブのカスタムシーンなのかも知れません。

フルカスタム系で多いのが、大胆にフレームをカットして、エイプハンガーの如くアップハンドルを取り付けた仕様や、零戦やスピットファイアなどの大戦機をイメージしたカラーリングで、ボディをさらにスリム化したカスタム仕様車なども多い印象です。生誕50周年を超えたあたりから全国各地でスーパーカブのワンメイクイベントが数多く開催されていますが、イベント会場では、そのようなカスタムマシンのエントリーが、年々増えているようです。
独自のデザインを長きにわたって継承し続けているのがスーパーカブなので、フルカスタムを考えると、やはりチョッパー仕様が多くなるのも理解できます。現実的に、メーカー純正フォルムを生かしたカスタムマシン、ましてや、スーパーカブを象徴する部品でもある「純正レッグシールド」の形状を加工することなく生かして装着しているフルカスタム車の実例は数少ないです。
そんな意味でも、ここに紹介する生誕60周年+シリーズ累計1億台突破記念モデルの「プロトタイプ」をイメージしたカスタムマシンは、スーパーカブファンにとっても新鮮に見えたはずです。
高品位なもの作り。本牛革彫りのオリジナルシート
シリーズ累計1憶台突破記念モデルの登場後に開催された青山カフェカブミーティングの会場で、人気投票第1位に輝いたのが、ここに紹介するメタルフレークゴールドの「プロトタイプ」レプリカでした。

イベントにエントリーしていた数多くのスーパーカブオーナーから、一番人気の称号を与えられたのだから、それには理由があるはずです。モーターショー会場やバイク誌のリポートなどで、プロトタイプの存在を見て知っていたスーパーカブファンの方々から、数多くの得票を得たと聞きました。やっぱり、スーパーカブらしいデザインを継承した中でのオリジナリティが、ひと際輝いていたのでしょう。
このマシンのオーナーさんも、レッグシールドを装備した、スーパーカブならではのオリジナルスタイルが好きだと伺いました。そんなミーティング会場での反響や、数多くのスーパーカブファンのみなさんに認めて頂くことができたので、今度は、この車両をベースにした、フルカスタム仕様を製作してみようと考えたそうです。

すでにフルカスタム仕様車は完成形に至っていますが、ここでは、特徴的かつ実に本格的な「本牛革製の彫り入りシート」に関してリポートします。
カスタムマシンの製作に当たっては、シートのデザイン次第で完成車の印象は大きく変化します。表皮の張り換えだけでイメチェンできるケースもありますが、このオーナーのシートに対するこだわりが「半端じゃない!!」といった言葉がよく似合う作り込みになっています。
趣味で革製品のお財布やベルトを作っている地元の先輩の工房を訪ね、フリーハンドのスケッチを持ち込み相談しました。
そして、ご覧のような本牛革彫りシート表皮が完成したのです。デザイン通りのままでは立体感が無く平面的だったので、皮革製品の雰囲気を出す「黒染め仕上げ(キャンディカラーペイントのような仕上げ方法)」を行い、立体感のある雰囲気へと仕上げてくださったそうです。
今なお進化しているオーナー拘りのスーパーカブ110カスタム。今後の進展についても随時、お伝えしていく予定です。
Writer: たぐちかつみ
フリーランスライター。バイクも作る国内自動車メーカーの生産技術開発部門を経てから大人向けのバイク専門誌「クラブマン」誌へ合流。同誌のメンテナンスコーナーが縁で、1995年春には「モト・メンテナンス」誌を創刊し編集長を務めた。同誌休刊後の2019年秋からは、内外出版社にて「モトメカニック」誌を創刊。現在も同誌編集長を務めている。









