むやみに鳴らしてはいけない「自転車ベル」 一体いつ使う? 装備が必須のワケとは
自転車のハンドルを握るとき、いつもそこにあるベル(警音器)ですが、街中で鳴らすと不快な顔で見られることもあります。一体自転車のベルはいつ使うのでしょうか。
自転車ベルの存在意義とは!
身を切るような冷たい風が吹く季節が終わり、本格的な暑さの到来を告げる梅雨が始まる前の、自転車に乗るには最高のコンディションの季節がやってきました。新生活のスタートに合わせて自転車を新調したという人も多いのではないでしょうか。

春の陽気にペダルを漕ぐ足も軽く、鼻歌交じりに思わず「チリン」とベルのひとつでも鳴らしたくなりますが、そこでストップ。自転車のベル(警音器)はそう簡単に鳴らしてはいけないルールがあります。ではなぜ、自転車にはベルがついているのでしょうか?
まず大前提として、自転車は道路交通法上では「軽車両」として扱われます。そして道路運送車両法の保安基準で「軽車両は適当な音響を発する警音器を備えていなければならない」と定められているため、公道を走行するには必ずベルやそれに相当する警音器を装備しておかなければいけません。
ちなみに、ベルの音の大きさ(具体的なデシベル値など)については法律上で明確に定められてはいません。市販されている自転車ベルの多くは、日本産業規格などの基準を参考に実用面で十分な音量となるよう設計されています。
それでは、なぜ保安基準でベルの装備が必要とされているかというと、「指示があった際に鳴らさないといけないから」という理由になります。道路交通法第54条(警音器の使用等)で、軽車両は「警笛鳴らせ」の標識がある場所では、ベルを鳴らさなくてはいけないとされています。
街中ではめったに見かけることのない標識ですが、山間部の見通しの悪いカーブや曲がり角、上り坂の頂上などに設置されていることがあるので、自転車で走行中にそれらの場所に差し掛かったら、周囲の状況に関わらずベルを鳴らさなければいけません。
そして「警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない」とも規定されています。つまり、標識で指示されている場所以外ではベルを鳴らしてはならない、というワケです。
そう言われると、「ママチャリで峠を越えることなんて滅多にないから別にベルを装備してなくてもいいんじゃないの?」と反応してしまいそうですが、さらに道路交通法第54条では、「ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない」とも規定されています。走行中に危険を回避するためにはベルを鳴らしても良いという事です。
少々ややこしいですが、例えば、自分(自転車)に気づいていない歩行者に対して「どいてください」の意味でベルを鳴らすことや、見通しの悪い交差点で自分の存在を知らせるためにむやみに鳴らすことはルール違反ですが、向こうから走って来る自転車が、「ながらスマホ」などでこちらの存在に気づいておらず「このままじゃぶつかる!」と思った時にベルを鳴らすのは、場合によっては適切という事になります。
当然ですが、道路は自分だけが利用しているわけではありません。それぞれが気持ちよく使えることを意識していれば、ベルを使う機会も自ずとなくなるのではないでしょうか。
また、自転車のベルはいざというときに自分の身を守るためのひとつの手段でもあるので、いつでも使えるよう日頃からチェックしておきましょう。





