ヨーロッパで活動中!! 若手女性ライダーのサポートから、急遽「YZF-R9」でスポット参戦したレースで優勝!? レーシングライダー大久保光のレースレポート

ヨーロッパで活動中のレーシングライダー大久保光選手が、アジアの若手・女性ライダーのサポートや、自身が急遽出場することになったレースで乗ったこともないヤマハ「YZF-R9」で優勝してしまったことについてレポートしてくれました。

アジアの若手ライダーの、ヨーロッパ進出のきっかけに

 皆様こんにちは。レーシングライダーの大久保光です。今年から自分のチームを立ち上げて参戦し始めました「MOTO RC」(ルーマニア選手権)と、その選手権に急遽初めてのバイクで参戦することとなったS600クラスについて書いていきたいと思います。

大久保選手(右)は自身のチーム「ホットレーシング」から、MOTO RCのS300クラスに参戦する台湾人女性ライダー、Vita選手(左)をサポート
大久保選手(右)は自身のチーム「ホットレーシング」から、MOTO RCのS300クラスに参戦する台湾人女性ライダー、Vita選手(左)をサポート

 まず私自身のチームですが、「ホットレーシング」と言いまして、過去には全日本ロードレース選手権、またMotoGPのmoto3クラスにスポット参戦もしました。改めましてアジアの若手ライダー、女性ライダーがヨーロッパでレースをするきっかけになればと思い、今年から再開したチームとなります。

 今回は台湾人女性ライダーのVita選手が、私のチームからMOTO RCのS300クラスに参戦しました。マシンは前回同様にCFmotoの「300SR」というマシンです。特にマシンのアップデートもしてない状態でしたが、今年モデルの新車ということで、まずまずの速さとなっています。

 Vita選手は過去にアジアロードレーシング選手権のAP250クラスにも参戦していた実力あるライダーです。今は4輪のレースや中国で若手育成をしたりと様々な場面で活躍しています。またヨーロッパでのレースが初めてということなので、しっかりサポートできるように努めました。

 金曜日から走行が始まり、まずはマシンに慣れてもらうところから。本人もかなり緊張していたみたいで慎重な滑り出しとなりました。コースも真っ平で掴みどころのないレイアウトとなっており、なかなか難しいのは重々承知だったみたいですが、やはり実際に走ってみるとその現実に圧倒されます。

 しかし冷静に、決して無理をすることなく自分のペースで走ってもらい、徐々にペースも上げていくこともできて2本目、3本目と、走れば走るほどコースに慣れて自然と本人の顔も緊張していた時から笑顔が多くなってきました。

 4本目の走行もありましたが、体力的に限界に来ていたため金曜日は3本を走行したところで終わりとなりました。

CFmoto「300SR」でMOTO RCのS300クラスに参戦する台湾人女性ライダーVita選手
CFmoto「300SR」でMOTO RCのS300クラスに参戦する台湾人女性ライダーVita選手

 土曜日の午前中はフリー走行、午後はスプリントレースというスケジュールでした。土曜日の走りだしのタイムも素晴らしく、金曜日のベストタイム付近からスタートすることができました。

 そのフリー走行のタイムがスプリントレースのグリッドになるため、2本目の走行では新品タイヤを履いてタイムアタックとなりました。タイムを大幅に更新して良い流れでスプリントレースへ……しかしスタートで大きく後退してしまいました。そこから自分のペースで徐々に集団に追いついていきましたが、追いついたところでレース終了となりました。

 日曜日はレースのみ、前の2日間に比べて少し長めに睡眠をとってもらい、サーキットに向かいました。メインレースはスプリントレースの倍の周回周となる10周で争われました。

 スタートはしっかり成功して集団の中でレースをする展開となりました。途中、前方のライダーの転倒やマシントラブルもあり、最終的に8位でゴールとなり、また同クラスで別表彰となっているCFmotoワンメーククラスでは3位という結果となり、見事表彰台を獲得しました。

ほぼノーマルのヤマハ「YZF-R9」で優勝!?

 さて、私のレースの話となりますが、本来全く走る予定がなかったのですが、レース主催者がヤマハの「YZF-R9」を購入して、来年からS600クラスで走れるようにしたいからそのテストをお願いしたいということで、土曜日から急遽レースに参戦することになりました。

急遽、乗ったこともないヤマハ「YZF-R9」でレース参戦することになった大久保選手
急遽、乗ったこともないヤマハ「YZF-R9」でレース参戦することになった大久保選手

 もちろんR9に乗るのは初めてでした。またマシンのスペックもカウルとマフラー以外はストリート仕様で正直レースをする仕様ではありませんでした。

 それでもしっかりR9の特性を掴むことに成功して、タイムも徐々に縮めていくことができました。

 最終的にはスプリントレースで5位、メインレースが優勝という結果となり、見事MOTO RCでヤマハ「YZF-R9」のデビューウィンを飾ることができました。

急遽、乗ったこともないヤマハ「YZF-R9」でレース参戦し、デビューウィンを飾ることができた大久保選手
急遽、乗ったこともないヤマハ「YZF-R9」でレース参戦し、デビューウィンを飾ることができた大久保選手

 他の選手権に比べて少し緩めな選手権となっているMOTO RCは、残り2戦ありますが、ホットレーシングとしては今回のレースが今年最後のレースとなりました。

 来年もホットレーシングはS300クラスに参戦する予定です。スポット参戦からライダーを募集していますので、ヨーロッパでレースをしてみたい、海外でレースをしてみたい方は是非いかがでしょうか?

 日本とは一味も二味も違ったレースとなっていますので、良い経験になると思います。

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