問題多発でもうタイヘン!? 2台のカワサキ「750SS」でテイスト・オブ・ツクバ参戦 クラシックバイクレースが楽しい!!
自身もカワサキの2ストロークマシン「750SS」(マッハIV/H2)でサーキット走行を楽しむライターの後藤武さんによる、クラシックバイクレース参戦レポートです。
レース直前に、3回もエンジン分解するハメに
クラシックバイクレースに参加するのはとても楽しいものです。2025年5月に開催されたテイスト・オブ・ツクバに2台のカワサキ「750SS」(マッハIV/H2)で参戦したゴトー(筆者:後藤武)。いやー、実に大変なレースでした。レース直前に問題が立て続けに勃発したのです。

最初のトラブルは、キックペダルが下がったまま戻らなくなってしまったこと。エンジンを分解したらキックのシャフトが折れているし、シャフトを交換したらクランクケースが歪んでいることが発覚してスペアのケースにすべてのパーツを移植。レース前日の公式練習で新しいピストン、クランクケースの慣らしをしようとしたら、今度はシフトペダルが動かなくなり、再びエンジンを降ろして分解したらケースとシフトドラムがカジっているのを発見。たぶん中古ケースのドラム接触面が荒れていたんでしょう。
結局レース前に3回もエンジンを分解することになったのでした。
そんなこんなで、レース当日は予選の前半を捨てて慣らしをすることにしました。後半でペースを少しだけ上げたら、ラッキーなことに予選2番手。予選中に一緒に参戦した石川のマッハとランデブーすることも出来て、マッハ2台の排気音を響かせることも出来たし、マシンは2台ともトラブルなく快調そのもの。「こりゃーうまいことしたら表彰台狙えちゃうんじゃないの?」なんて思っていました。
ところが、です。バイクのトラブルが出なくなったら今度は人間にトラブルが出てしまったんですね。予選でなんか腰が痛くなってしまったとき、若干危険な兆候かと思ったんですが、バイクを降りたら回復してきたので気にもせず決勝に臨みました。そうしたら走り出して3周目くらいから腰の痛みがどんどん酷くなってくるじゃありませんか。体重移動なんて出来やしない。
最初の2周はトップグループの後ろにいたんですが、タイムが上がらずズルズルと引き離され、レース後半にはBMWにも抜かれて4位に脱落してしまったのでした。

ということで、結果はイマイチでしたが今回のレースに関してはあまり悔しくありませんでした。メチャクチャに楽しかったからです。
実は今回、家族ぐるみでレースを楽しみたいと考え、チームメイトの石川と家族を呼んでいたのです。石川家は奥さんと娘さん(石川のレースを見るのは初めて)、ゴトーのところはパートナーと息子。さらには息子の友人たち。
若者たちはスタート前から賑やかで、スタート前はピットの上でゴトーの名前を叫びまくっているし、走行中も声を限りに応援してくれていたらしい。前を走るバイクと差が縮まったとか、ちょっとしたことで大興奮。レースが終わってからもずっと楽しかったと言っていたのです。
家族、仲間も含めて、皆が楽しんだ分すべてが自分の喜びになったような気がしました。しかも今回はいつもより多くの仲間がサポートしてくれて、2台のマッハを無事完走したことを喜んでくれた。それだけでもマッハ2台で参加した意味があるような気持ちになったのです。
このマッハ2台でのテイスト参戦は今後どうするか? って話なんですが、とりあえず今回はテストケースと考えています。これからも2台で走れたら良いんですけど、同じレースで2台走らせ続けたら維持が大変。レースを続けることができなくなってしまったら本末転倒です。
そんなわけで、次回からはまた1台になりますが、スペシャルな企画があったら、また2台で参戦しても良いかな、とは考えています。そのときは皆さんにお知らせするので、是非2ストトリプルのランデブー走行を見に来てやってください。
■協力/筑波サーキット(写真=POP近藤、多田浩志)
Writer: 後藤武
クラブマン誌や航空雑誌の編集長を経て現在はバイク、食、飛行機などのライターと
して活動中。飛行機とヘリの免許を所持しエアレースのTV解説も担当していたことも。2スト、旧車、V8のアメ車など多数所有。











