低く構えたミニマルなルックスで魅せる!! トライアンフ「ボンネビル・ボバー」2026年モデルは刺激的なトルクと高い旋回性で走りも楽しい
トライアンフのモダンクラシックシリーズは、2026年モデルでリファインされました。アメリカのカリフォルニア州で開催された「BONNEVILLE EXPERIENCE(ボンネビル・エクスペリエンス)」で試乗した5機種から、すでに日本導入済みの「BONNEVILLE BOBBER(ボンネビル・ボバー)」のレビューを紹介します。
「とにかくカッコいいことが大切」それがボバー
アメリカのカリフォルニア州で開催された「BONNEVILLE EXPERIENCE(ボンネビル・エクスペリエンス)」に参加し、そこで試乗した「BONNEVILLE BOBBER(ボンネビル・ボバー)」は、筆者(小川勤)にとても大きなインパクトをもたらしてくれました。
実は「ボンネビル・ボバー」に乗るのは約7年ぶり。ルックスも走りも信じられないほど洗練されていたのです。低く長いボバーらしい個性は、カリフォルニアの街並みに馴染み、さらに峠に入るとボバーらしからぬ走りを披露してくれたのです。

低く構えるスタイルを獲得するために前後16インチの小径タイヤを履き、ストロークの短いサスペンションを採用。真横から見るとハードテール(リアサスペンションを装着しないカスタムスタイルのことですが、「ボンネビル・ボバー」ではリアサスペンションを見えないように装着し、スタイルと乗り心地を両立)に見える、まるでカスタムバイクのようなスタイリングが特徴です。
2026年モデルはIMU対応のコーナリングABSやトラクションコントロールを採用し、ライディングモードは「レイン」と「ロード」を用意。また、軽量なアルミリムを装備し、燃料タンク容量を12Lから14Lに拡大。弱点であった航続距離を克服するなど様々な進化を果たしています。
そんな「ボンネビル・ボバー」は、他のモダンクラシックの車種と比べて40歳未満のライダーに多く支持されており、さらに3分の1のユーザーが初めての大型バイクとして選んでいるといいます。また2台目に所有するバイクとして選ばれることも多いそうです。
「とにかくカッコいいことが大切なのです」トライアンフ陣営もそんな言葉を発するほど、視覚的なインパクトと走っている時のスタイルにこだわっているモデルになります。
ハイトルク1200ccエンジンで、穏やかにも過激にも!
心臓部には排気量1200ccのパラレルツインエンジンを搭載しています。余計なものを取り除き、本当に必要なものだけをまとったボバースタイルの中で、この巨大なエンジンが存在感を放ちます。

跨るとそのシート位置の低さから、身長165cmと小柄な筆者でも両足がきちんと地面に届きます。ステップは手前で、ハンドルもそれほど遠さを感じさせません。
アイドリング時からスラッシュカットされたサイレンサーが唸るような音を放ち、スロットルを大きく開けるとそれは吠えるような咆哮に変わっていきます。同エンジンを搭載する「ボンネビルT120」とは明らかに異なる荒々しい雰囲気があるのです。
そして走り出した瞬間、「High Torque(ハイ・トルク)」エンジンが生み出す、トルクに支配された地を這うような加速が訪れます。操作感は、「ボンネビルT120」から乗り換えた直後は、極低速時にフロントまわりに重さを感じたものの、すぐに自然に扱えるようになるので、気にするほどではないと思います。
サスペンションはストロークが短いものの、数年前のボバーよりは格段に、さらに想像していた以上に乗り心地がよく、大きなギャップや多少の轍なら気にならないレベル。カリフォルニアの海沿いを流していると信じられないほど気持ちがよく、この景色と道路がどこまでも続けばいいのに、と思うほどでした。
スポーツライディングも楽しめるのがトライアンフ流ボバー
市街地でその進化に感銘を受けていましたが、クルーズコントロールを使いながら高速道路を走り、峠に到着するとさらなるポテンシャルの向上を実感することができました。
こういった試乗会はそれなりにペースが速いのですが、「ボンネビル・ボバー」は遅れをとることなく、その姿からは想像ができないほどのハイペースでの追従が可能だったのです。たまにステップは擦りつつも旋回性は高く、コーナリングでバイクと一体感を得ることも難しくありません。

そして立ち上がりでは他の1200ccシリーズにはない怒涛の加速を披露。今回の試乗はとてもコンディションが良かったためトラクションコントロールやABSが介入するシーンはありませんでしたが、いざという時は電子制御が走りを支えてくれることでしょう。
途中、「レイン」モードもテスト。するとレスポンスが穏やかになり扱いやすさが向上。「ボンネビル・ボバー」は特に低速域のトルク感が強く、時には加速しすぎる感覚もあるため、雨天時だけでなく穏やかな気分で走りたい時は「レイン」モードが有効でしょう。
それにしても峠でこれほどコーナリングを楽しめるとは思いもしませんでした。低く長い車体がきちんと計算されて作られていること、さらにストロークの短いフロントフォークと真横からは見えないよう装備されたリアサスペンションが、しっかりと仕事していることが感じられます。

この純粋に走りを楽しめることも「ボンネビル・ボバー」の魅力のひとつ。そしてこの走りの実力を知ると、車名の「ボンネビル」が決して飾りではないことがよく伝わってきました。
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トライアンフ新型「ボンネビル・ボバー」の価格(消費税10%込み)は199万9000円で、カラーバリエーションはインターステラー・ブルー、ジェット・ブラック、サテン・ミネラル・グレーの3タイプ設定です。
Writer: 小川勤
1996年にエイ出版社に入社。2013年に二輪誌『ライダースクラブ』の編集長に就任し、様々なバイク誌の編集長を兼任。2020年に退社。現在はフリーランスとして二輪媒体を中心に執筆を行なっている。またイベントレースも好きで、鈴鹿4耐、菅生6耐、もて耐などにも多く参戦。現在もサーキット走行会の先導を務める。













