最新版でも伝統的!? トライアンフ「ボンネビルT120」2026年モデルに継承される「らしさ」を実感!! 大排気量車を思わせない馴染みの良さと安心感とは
トライアンフのモダンクラシックシリーズは、2026年モデルでリファインされました。アメリカのカリフォルニア州で開催された「BONNEVILLE EXPERIENCE(ボンネビル・エクスペリエンス)」で試乗した5機種から、2026年1月に日本へ導入されたばかりの「BONNEVILLE T120(ボンネビルT120)」のレビューを紹介します。
トライアンフにとって、欠かせない絶対的なアイコン
「トラディショナル」という言葉が最も相応しいバイク、それがトライアンフの「BONNEVILLE T120(ボンネビルT120)」かもしれません。トライアンフを語る上で、そしてイギリスのバイクを語る上でも絶対に欠かせない存在です。
「ボンネビルT120」は、トライアンフのモダンクラシックシリーズの中でもっとも色濃く、1960~1970年代の英国クラシックバイクを感じさせるモデルです。
トライアンフが守り続けてきたボンネビルの伝統は、細部までこだわった美しさと質実剛健さを持ち、いつまでも色褪せない存在感を放っています。派手さや華やかさよりも流行りを問わずに価値を高めていく普遍さがあり、それは2026年モデルの進化にも通じるところがあります。

2026年モデルでは、カラー変更以外にユーロ5+規制に対応。ECUのアップグレードとともに電子制御を充実させてきました。IMU(慣性測定装置)を使ったコーナリングABSやトラクションコントロールを採用し、バンク中でも車体の動きを緻密に制御。さらにクルーズコントロールを標準装備しています。
シックにまとまっていることこそが魅力となる「ボンネビルT120」のアップグレードは、毎回とても難しいと筆者(小川勤)は思っています。
しかし、開発陣の話を聞いていると、常にボンネビルを更新し、歴史を未来へ語り継いでいきたいという思いを感じることができます。回顧ではなく本物らしさの希求に、時代を超えて愛されるブランドフィロソフィーが込められているのです。
車体構成は至ってシンプル。しかし不足しているものはひとつもない
「ボンネビルT100は、初めての大型バイク、またはバイクにリターンするきっかけになることが多いモデルですが、ボンネビルT120はベテランライダーに支持されています。その半数はすでに別のトライアンフユーザーであり、増車される方もいます。
ボンネビルT120は、まさに“オーセンティック・オリジナル”と呼ぶにふさわしいモデルです。ひとつの時代を築き上げ、今なお多くのライダーに影響を与え続けています。このバイクの魅力は、その本質を失うことなく進化し続けてきた点にあります。
2026年モデルは新しいテクノロジーを採用し、走りの完成度を高めました」と、チーフ・コマーシャルオフィサーのポール・ストラウドさんは語ります。

アメリカのカリフォルニア州で開催された、世界各国の2輪メディア向けに開催された「ボンネビル・エクスペリエンス」では、様々なモダンクラシックシリーズに試乗しました。その中でも絶対的な存在感を持っていたのが「ボンネビルT120」でした。
ダブルクレードルフレームに搭載された排気量1200ccのパラレルツインエンジン、そこから伸びるメッキのキャブトンマフラー、さらに燃料タンクの手書きのラインや昔のアマルキャブレター風スロットルボディ、2眼メーターなど、ボンネビルならではのディテールが安心感を伝えてきます。シンプルですが不足しているものはひとつもなく、それがクラシック感を盛り上げるのです。
進化を重ね、ブリティッシュトラッドを貫く
走り出すと、1200ccのパラレルツインエンジンが余裕の走りを披露。ステップとハンドルは理想的な位置にあり、初めて跨るバイクにも関わらず、身体は自然と力が抜け、どこか懐かしいものが込み上げてきます。

「ロード」と「レイン」が用意されたライドモードから「ロード」を選んでスタート。矢継ぎ早にシフトアップを繰り返して、高いギアと低い回転を使いながらの走りは余裕に満ちています。重厚かつ心地よいエキゾーストノートも気分を盛り上げ、スロットル操作に素直に反応するエンジンや車体は、まさに熟成の極みと言えるでしょう。
そしてワインディンでは十分なスポーツ性を披露。直立付近からフロントタイヤがステアしていく感覚がとても気持ちよく、バンク角に依存せず、どこまでもニュートラルなハンドリングを堪能することができます。この細いタイヤ特有の乗り方をマスターすると、高い運動性を引き出すことができてカーブを鋭く、正確に走ることができるのです。

新たに採用されたABSやトラクションコントロールは、積極的に使う電子制御ではありませんが、安心感があるため我を忘れて峠を楽しんでしまいました。雨天時や極寒時など、コンディションが悪くなれば確実にサポートしてくれることでしょう。
スタイリング同様に、走りに関しても「ボンネビルT120」はどこまでもジェントルに応えてくれます。そして厳選された数々のパーツやセットアップの行き届いたエンジンやサスペンションが、良いバイクに乗っていることや隙の無さを強く実感させてくるのです。
現代に感じるこの「ボンネビルらしさ」はまさに本物で、これこそが継承されてきたブリティッシュトラッドの答えなのだ、と感じました。
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トライアンフ新型「ボンネビルT120」(2026年モデル)の価格(消費税10%込み)は171万9000円からとなっています。
Writer: 小川勤
1996年にエイ出版社に入社。2013年に二輪誌『ライダースクラブ』の編集長に就任し、様々なバイク誌の編集長を兼任。2020年に退社。現在はフリーランスとして二輪媒体を中心に執筆を行なっている。またイベントレースも好きで、鈴鹿4耐、菅生6耐、もて耐などにも多く参戦。現在もサーキット走行会の先導を務める。












