“映える”佇まいの英国クルーザー トライアンフ「ボンネビル・スピードマスター」2026年モデルで感じる優雅な走りと親しみやすさ
トライアンフのモダンクラシックシリーズは、2026年に多くのモデルをリファイン。アメリカのカリフォルニア州で開催された「BONNEVILLE EXPERIENCE(ボンネビル・エクスペリエンス)」で試乗した5機種から、日本導入済みの「BONNEVILLE SPEEDMASTER(ボンネビル・スピードマスター)」のレビューを紹介します。
落ち着きと気品を感じさせる、トライアンフ流の英国クルーザー
トライアンフの新型「BONNEVILLE SPEEDMASTER(ボンネビル・スピードマスター)」のエレガントかつ堂々としたクルーザースタイルは、「BONNEVILLE EXPERIENCE(ボンネビル・エクスペリエンス)」が開催されたアメリカ・カリフォルニア州の街や海に映えます。
プラットフォームは「BONNEVILLE BOBBER(ボンネビル・ボバー)」と共通ですが、佇まいも走りも異なり、トライアンフがこの2台を全く別のコンセプトで作り分けていることを感じることができました。
聞くと、「ボンネビル・スピードマスター」を選ぶライダーは、熱心なトライアンフファンが多く、他のトライアンフからのステップアップが多いそうです。また他メーカーのクルーザーからの乗り換えも多く、比較的年齢層の高いライダーに支持されていると言います。

2026年モデルのアップデートは、「ボンネビル・ボバー」と共通の部分が多く見られます。燃料タンク容量は12Lから14Lに拡大し、航続距離を確保。ライディングモードは「レイン」と「ロード」から選べ、IMU対応のコーナリングABSやトラクションコントロールを装備。さらにスポークホイールのリムを軽量なアルミ製とすることで、ハンドリングに軽快感を与えています。
自然な位置にあるハンドルに手を伸ばし、フォワードステップに足を載せると、ゆったりとしたクルーザーポジションが手に入ります。ハンドルは前モデルよりも低くすることで、コーナリング時の一体感を得やすくしたそうです。
身長165cmと小柄な筆者(小川勤)の場合、ステップは少し前すぎる感覚もありますが、大型アメリカンクルーザーほどではありません。取り回しも引き起こしもクルーザーとしては軽く、扱いやすいのが魅力です。
常に穏やかな気持ちで走れる、優しいキャラクターが魅力
走り出すと、ロー&ロングなスタイルらしく、とてもゆったりとした気持ちになります。今回の「ボンネビル・エクスペリエンス」では、「ボンネビルT120/T100/ボバー」、「スクランブラー900」、そして「ボンネビル・スピードマスター」の5機種に試乗したのですが、こんなに穏やかな気持ちになれるのは「ボンネビル・スピードマスター」だけだったのです。

重心が低く、常にリアタイヤを感じながら走ることができ、走り出してすぐにバイクと一体感が得られるのも魅力。シート高は705mmと低いため足つきも抜群で、ストップ&ゴーの多い市街地でもストレスを感じません。
スラッシュカットされたサイレンサーからは小気味よいサウンドが流れ、1200ccの大排気量パラレルツインエンジンが生み出す鼓動を、全身で受け止めることができます。270度位相のクランクが生み出す不等間隔爆発は、低中回転域を繋いで走るのが気持ちよく、豊かなトルクに包まれながらの加速が可能。この「ボンネビル・スピードマスター」専用の滑らかな味付けが余裕を生むのです。
「ロード」と「レイン」のライディングモードは、シチュエーションやライダーの気分に応じて直感的に切り替えることが可能です。またクルーズコントロールとグリップヒーターは、長距離移動を目的にするライダーの多い「ボンネビル・スピードマスター」に必須の装備。今回の試乗においても積極的に活用し、その恩恵を受けることができました。
クラシック感とカスタム感、高級感漂う佇まいはシリーズ随一
ワインディングは決して苦手ではありませんが、バンク角が浅くステップのバンクセンサーを擦ってしまうので多少の注意が必要です。しかしハンドリングは軽快で、きちんと組み立てて走れば思い通りのラインを通ることは難しくありません。これは、軽量なアルミリムを採用したことによる効果なのかもしれません。サスペンションのストロークは長くはありませんが、よく動く設定で乗り心地は良好です。

また、ワイド化された新設計のシートは、厚みもあって長距離の移動を快適に過ごせることでしょう。これはパッセンジャーシートも同様です。「ボンネビル・スピードマスター」のリラックスするためのエルゴノミクスは、疲労感を軽減し、それがタイムレスな存在感はそのままに、充実した電子制御と完璧なマッチングを見せるのです。
そして1日を過ごして感じるのは、「ボンネビル・スピードマスター」の佇まいや雰囲気の良さです。夕日に映える金属製の「TRIUMPH」のタンクエンブレムや各部のメッキパーツは美しく、これが他のモダンクラシックシリーズにはないクラシック感とカスタム感、さらに高級感を教えてくれます。

また、共通のプラットフォームを持つ「ボンネビル・ボバー」との違いも明確でした。走りにおいても「ボンネビル・ボバー」は元気かつヤンチャですが、「ボンネビル・スピードマスター」はどこまでも優雅で穏やか。英国らしいジェントルさを感じることができるクルザー、それが「ボンネビル・スピードマスター」なのです。
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トライアンフ「ボンネビル・スピードマスター」の価格(消費税10%込み)は199万9000円となっています。
Writer: 小川勤
1996年にエイ出版社に入社。2013年に二輪誌『ライダースクラブ』の編集長に就任し、様々なバイク誌の編集長を兼任。2020年に退社。現在はフリーランスとして二輪媒体を中心に執筆を行なっている。またイベントレースも好きで、鈴鹿4耐、菅生6耐、もて耐などにも多く参戦。現在もサーキット走行会の先導を務める。












