「別格」な2スト50ccロードスポーツ!? カフェレーサースタイルで当時の高校生の憧れ ヤマハ「FX50」レッドゾーンは10,000rpmから!!
1972年に登場したヤマハ「FX50」は、新設計の2ストロークエンジンとフレームを採用した本格的な50ccロードスポーツです。上級車に負けないカフェレーサースタイルで原付スポーツブームを牽引しました。
本格派2スト50ccスポーツの登場
排気量125ccクラスの「YA1」で創業したヤマハは、1964年に「YF1」という50ccのスポーツ車を発売します。
さらに1969年に発売された「FS1」では、50ccながら一文字ハンドルやバンク角を確保するアップマフラーにレーサー風のタンクシートというスタイルでした。
こうしたバイクの登場によって、50ccロードスポーツ車への需要は高まりを見せ、いよいよ1972年に「FX50」が登場します。

エンジンもフレームも新設計の「FX50」は、風格もある50ccの純スポーツモデルでした。
世界チャンピオンのGPレーサーから生まれたトルクインダクションを採用したエンジンは、ピストンリードバルブを装備した新時代へと向かう2ストロークエンジン技術で、最高出力は6.3PSと性能を向上させています。
車体もこのクラスでは贅沢なダブルクレードル型フレームを採用し、ねじれ剛性が高く上級車にも使用しているもので、「FX50」が本格的なスポーツバイクであることを示していました。
細長い美しい形状の燃料タンクと、鋲打ちのシート&カウルなど、カフェレーサー的なスタイルは上級車以上に洗練されています。
それまでの50ccバイクとは別格な存在として、兄弟車「MR50」と同時に発売されました。「FX50」は本格的な50ccロードスポーツ、「MR50」は同じエンジンとフレームで50ccの本格オフロードスポーツでした。
ヤマハを代表する2台の50ccバイクは、「最高速はあっちが出るが、加速はこっちが速い」と、若者の間で話題となり、ヤマハの兄弟ライバル戦略は成功します。

「FX50」は2年後の1974年に、「RD50」へと車名を変更します。「RD50」はモデルチェンジを続けながらロングセラーとなり、1981年に水冷の「RZ50」へと継承されます。
「FX50」と「RD50」、そして「MR50」は1970年代の空冷50ccスポーツ車ブームを盛り上げ、多くのユーザーがここからバイクライフの起点となりました。
ヤマハ「FX50」(1972年型)の当時の販売価格は8万円です。
■ヤマハ「FX50」(1972年型)主要諸元
エンジン形式:空冷2ストローク単気筒
総排気量:49cc
最高出力:6.3ps/9500rpm
最大トルク:0.85kg-m/8500rpm
全長×全幅×全高:1825×630×965mm
始動方式:キック式
燃料タンク容量:8L
車両重量:73kg
フレーム形式:ダブルクレードル
タイヤサイズ(前後):2.50-17-4PR
【取材協力】
ヤマハ・コミュニケーションプラザ(静岡県磐田市/ヤマハ発動機本社隣接)
※本記事中の写真は許可を得て撮影しています
Writer: 柴田直行
カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員








