「まずは生き延びて」二輪店支援に奔走するショップ店主 2016年「熊本地震」経験者によるボランティア活動続く

2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」は、県内各地のバイクショップにも爪痕を残しました。震源地に近い地域では店舗の柱が曲がるほどの損壊に見舞われ、陳列していた商品も棚やショーケースの下敷きになるなど、被害は深刻です。こうした二輪店の再建を後押ししようと、2016年の熊本地震の経験者でもある二輪店ボランティアによる支援活動が続けられています。

考える時間の余裕を持ってもらいたい

 2026年7月28日に発生した「令和8年熊本地震」は、県内各地のバイクショップにも爪痕を残しました。震源地に近い地域では店舗の柱が曲がるほどの損壊に見舞われ、陳列していた商品も棚やショーケースの下敷きになるなど、被害は深刻です。

 こうした二輪店の再建を後押ししようと、2016年の熊本地震の経験者でもある二輪店ボランティアによる支援活動が続けられています。

 支援に当たっているのは、熊本県阿蘇郡西原村の二輪店「Auto Box」の経営者・尾崎朱実さんです。西原村は2016年の熊本地震2回で震度6弱、震度7の揺れを経験しました。

 その後、尾崎さんは災害支援団体「Team Ozaki」を立ち上げ、地震、水害を問わず全国の被災地でボランティア活動を続けていました。

 そんな中で「令和8年熊本地震」は起き、翌朝からボランティアに乗り出しました。前回の激震地である西原村は比較的被害が小さかったため、まず見舞ったのは同業者であるバイクショップでした。

「店舗の再建より先に、まずは生活再建が先」として、オートバイショップが生き延び、建て替えるか規模を縮小するかを考える時間の余裕を持てるよう、片付けなどの手助けを続けていると尾崎さんは言います。

「大きな被災があるとマイナス思考になりやすい。もうやめてしまおうかな、お客さんのことなんかいいや、となってしまっては本末転倒」

 状況を少しでも改善する手助けをすることが、被災者の気持ちを落ち着けて、前向きな気持ちにつながるとの考え方は、同じ熊本地震の経験で得た支援の第1歩でした。

「オートバイとかヘルメット、什器関係、部屋も事務所とかも含めて、全部を全自動洗濯機で回したような惨状になるので、さすがにその状況で、“さあ、やっていこう”、“頑張りますよ”っていう気持ちにはなりにくい。そんな中で、ゴミが片付くとある程度心が落ち着きます。基本は店舗の再建より先に、まずは生活再建が先。生き延びていただいて、建て替えにするのか、規模縮小するのか。考える時間を少しでも増やしてもらえるように活動している感じです」

 支援の対象はバイクショップや自転車店にとどまりません。避難所近くの老健施設にも水などの物資を届けています。

 施設によっては、片付けのため家族が高齢者を迎えに行けず、そのまま長く預けられているケースが多く、さらに老健施設が水の配布拠点となり、その対応に職員が回ることもあるため、想像以上の負担がかかっています。

 物資はハイエース、水は車両運搬用のトラックなどに積載し、現地の求めを待つのではなく、先回りして届ける「プッシュ型」で運んでいると言います。

「昨日は250リットルほどの飲料水届けさせていただいたんですけど、やっぱり老健施設を頼ってこられる地域の住民さんたちもいらっしゃるんですよ。ほかにも、DMATという医療チームがやってくることに備えて、そこに仮設トイレができるので、そっちの方に800リットル。避難所に飲料水とかも、小分けにして持っていったりもしています」

修理は急がず、車検は延長できる

 転倒したバイクの修理依頼も舞い込んできますが、本格的な修理対応はこれからになる見通しです。

「メーカーさんも被災したり、部品供給元も営業してなかったりするので、これからでしょうね。車検なんかも切れてても延長できますという措置が公表されたので、時間ができました。そういうところでいうと、ウインカーが多少割れてても今は何も言われないので、時間ができてから修理ということができると思います。とりあえず、動かせるバイクを修理して動かす感じです」

バイクで生活用水を求める周辺住民
バイクで生活用水を求める周辺住民

 尾崎さんは、モリワキエンジニアリング相談役・森脇南海子氏が理事長となる「日本災害支援バイク協会」の活動にも携わり、「バイクの日」である8月19日に、熊本県庁への説明を予定していましたが、今はその予定も見通せないまま、被災者支援に没頭する毎日です。

 尾崎さんの災害支援団体「Team Ozaki」では、災害活動支援の募金を受け付けています。

銀行名:熊本信用金庫 新外支店
口座名:災害支援団体 Team Ozaki
店番:010
口座番号:普通1087094
会長:尾崎朱実(オザキアケミ)

【画像】これが現場のリアル!! 「令和8年熊本地震」バイクが繋ぐボランティア活動を画像で見る(5枚)

画像ギャラリー

Writer: 中島みなみ

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

編集部からのおすすめ

水上バイクは意外と身近な乗りもの! オートバイ乗りに知ってほしい基礎知識|葉月美優のSea-Dooエンジョイライフ 出会い編【PR】

水上バイクは意外と身近な乗りもの! オートバイ乗りに知ってほしい基礎知識|葉月美優のSea-Dooエンジョイライフ 出会い編【PR】

最新記事