自分のバイクの「最高速度」ってだいたいどれくらい? 知らなくても困らないけどじつは簡単に計算できる

知らなくても困りませんが、愛車の最高速がどれくらいなのか考えてみると、実際に計測するのは難しいところですが、スペックなどから比較的簡単に算出できます。あくまで目安ですが、ちょっと楽しいかもしれません。

かつてはカタログなどに「最高速度」が記載されていた?

 ホンダの「ドリームCB750FOUR」や、カワサキの「Z1」こと「900 Super4」が発売された頃は、性能の高さを示すためにカタログに「最高速度」が記載されていました。

 また1980年代のバイクブームや、1990年代に大排気量のフラッグシップ系が流行した当時は、バイク専門誌などが独自にテストして最高速度を計測する企画などもありました。

 もちろんバイクの性能や楽しさは最高速度で決まるワケではありませんが、自分のバイクがどれくらいスピードが出るのか、ライバル車はどれくらい出るのかは気になるところです。

愛車の最高速度はどれくらい? 知らなくても困らないけれど、大体でも解ったら楽しいかも?
愛車の最高速度はどれくらい? 知らなくても困らないけれど、大体でも解ったら楽しいかも?

 とはいえ、近年はカタログで最高速度を表記することはなく、バイクメディアなどが実測テストを行うことも滅多にありません(高速周回路を使ってプロライダーが走行するなど、条件を揃えるのがかなり大変でコストもかかるため)。

 そして個人的に最高速度を試すのは公道では絶対にNGだし、サーキット走行でも難しいモノがあります。

 実測値を知るのは無理かもしれませんが、じつはスペック表(主要諸元)などの数値から、最高速度を算出することができます。

 あくまで計算値であり、実際は様々な抵抗(タイヤの転がり抵抗や空気抵抗など)や荷重などの負荷も影響するので、正確な数値を出すことはできませんが、あくまで「お楽しみ」の範疇で、どれくらいスピードが出るのか目安にはなります。

最高速度を算出してみよう!

 すごくザックリ言えば、最高速度はタイヤ(後輪)の回転数と、タイヤ(後輪)の外周の寸法が解れば計算できます。以下が計算式になりますが、それぞれの数値を順番に解説して行きます。

最高速を算出する計算式。①はタコメーターのレッドゾーンが始まる回転数。②、③、④はスぺック(主要諸元)に表記。⑤はタイヤメーカーのカタログを見るか、タイヤのサイズ表記から算出する
最高速を算出する計算式。①はタコメーターのレッドゾーンが始まる回転数。②、③、④はスぺック(主要諸元)に表記。⑤はタイヤメーカーのカタログを見るか、タイヤのサイズ表記から算出する

 最高速度は、(理屈で考えると)もっとも高いギアに入れた状態で、エンジンがもっとも高い回転数の時に出ます。

 というワケで、①の最大回転数はタコメーターのレッドゾーンが始まる回転数になります。もしタコメーターを装備していない場合は、スペック表に記載されている最高出力の発生回転数でもOKです(実際は最高出力の発生回転数よりもレッドゾーンの回転数の方が高く設定されるが、あくまで参考値なので……)。

 次に②の一次減速比、③のトップギアの変速比(6速車なら6速の変速比)、④の二次変速比はスペック表(主要諸元)に表記されています。そして60を掛けているのは、1時間当たりの回転数に換算するためです。

 そして⑤の後輪の外周は、タイヤが1回転で走る距離のことですが、タイヤの銘柄とサイズが解る場合は、まずはタイヤメーカーのホームページやカタログを見てみましょう。

 そしてスペック欄に外径が記載されている場合は、その数値に円周率3.14を掛ければ外周(mm)が解ります。最後に1000000を掛けているのはmmをkmに換算するためです。

 もしタイヤの銘柄が解らなかったり、タイヤメーカーのHPやカタログに外径が記載されていない場合は、スペック表に記載されている後輪のサイズから外径を算出することができます。

 たとえば、150/60R17と表記されていたら、タイヤ総幅の150(mm)に扁平率を掛ければ(率なので0.60)、タイヤの高さが90mmだと解ります。それをタイヤの内径(リム径)の17インチに25.4を掛けて換算した431.8mmを加えれば「90+431.8+90=611.8」となり、外径611.8mmになるので、円周率3.14を掛ければ外径が1921.052mmと算出できます。

 ちなみに外径や外周はタイヤの銘柄によって計算値とは若干異なりますが、それほど大きな差ではないので気にしなくて大丈夫です。

人気のバイク、最高速はどれくらい?

 それでは、カワサキ「Ninja ZX-25R」を例に計算してみましょう。

①最大回転数は、タコメーターを見るとレッドゾーンが始まる「17500rpm」
②一次減速比が「2.900」
③トップギアの変速比は6速の「1.037」
④二次変速比は「3.571」

 標準装着でダンロップ「GPR300」を履いている場合が多く、ダンロップのHPで後輪の150/60R17を確認すると、外径が618mmなので、円周率3.14を掛けて外周は「1940.52mm」です。

 これらの数値で計算すると……。

「17500÷2.900÷1.037÷3.571×60≒97773.845」

「97773.845×1940.52÷1000000≒189.732」

 最高速度は約190km/hになり、250ccクラスとしてはだいぶ速いと言えます。

 もちろん、前述したように各種の抵抗や負荷を無視しているので、実際はもう少し遅くなります。

 ちなみに最大回転数をスペック表の最高出力を発生する16000rpm、タイヤの外周を後輪のサイズ表記から算出した1921.052mmで計算すると、最高速度は約172km/hと1割ほど遅くなります。とはいえ、相当に速いです。

 同じ250ccクラスの、ホンダ「レブル250」ではどうでしょうか。

①最大回転数は、タコメーター非装備なので最高出力を発生する「9500rpm」
②一次減速比が「2.807」
③トップギアの変速比は6速の「1.038」
④二次変速比は2.571

 標準装着タイヤは複数銘柄があるので、外周は後輪のタイヤサイズ150/80-16から算出した「1841.296」とします。

「9500÷2.807÷1.038÷2.571×60≒76090.951」

「76090.951×1841.296÷1000000≒140.106」

 計算上の最高速度は約140km/hとなり、「Ninja ZX-25R」よりずいぶん遅いと感じなくもないですが、そもそも4気筒エンジンで最高出力が48馬力(ラムエア加圧時)もあり、単気筒エンジンの「レブル250」は最高出力は26馬力で「Ninja ZX-25R」の半分強しかないので、その差を考えたらけっこう速いのではないでしょうか。

 最後に気になるライバル対決です。はたしてレトロスポーツで高い人気を誇るカワサキ「Z900RS」と、ホンダの「CB1000F」の最高速度はどうでしょうか。

 共にタコメーターのレッドゾーン開始回転数と、タイヤは「Z900RS」がダンロップ「スポーツマックスGPR300」で、「CB1000F」はブリヂストン「バトラックス ハイパースポーツS23」(ともに標準装着に多いタイヤ)で算出すると……結果は「Z900RS」が約262km/hで、「CB1000F」が約255km/hでした。

※ ※ ※

 何度も繰り返しになりすが、ここに紹介した最高速度はあくまで計算値であり、実測では結果が覆る可能性もあり、この数値を元に車両の性能の優劣を語るモノではありません。

 自分の愛車でも、試しに計算してみてはいかがでしょうか。

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Writer: 伊藤康司

二輪専門誌『ライダースクラブ』に在籍した後(~2005年)、フリーランスの二輪ライターとして活動中。メカニズムに長け、旧車から最新テクノロジー、国内外を問わず広い守備範囲でバイクを探求。機械好きが高じてメンテナンスやカスタム、レストアにいそしみ、イベントレース等のメカニックも担当する。

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