異彩の空冷Vツインスポーツに驚愕!? ヤマハ「MT-01」が放つ唯一無二の存在感!! 排気量1670ccの「鼓動」で魂を震わせる!!

ヤマハが2005年に欧州市場で販売を開始した「MT-01」は、排気量1670ccの空冷Vツインエンジンを搭載した「超」個性的なロードスポーツモデルです。巨大なエンジンを囲むアルミ製フレームは「MT-09」シリーズでも採用されるCFダイキャスト技術で製作されています。

強力な厚みのあるトルクを体感できる“究極の”趣味バイク

 1999年の「東京モーターショー」に出展したヤマハは、ブースで「人機官能」というテーマを掲げていました。ヤマハ独自の開発思想で、「人」と「機械」を高い次元で一体化させることにより、「人」の悦び・興奮を作り出す技術のことです。

 そこで乗る人の心に触れるテクノロジーを紹介したモデルが、「MT-01」でした。この時はまだコンセプトモデルとしての展示でしたが、独自の設計思想が注目を集め、市販へとつながりました。

「MT-01」は独特なパーツで構成されています。中心部であり主役となるエンジンは排気量1670ccの空冷Vツインです。

 この巨大なエンジンはアメリカンクルーザーに搭載されていたエンジンがベースとなっており、外観的にはOHVということもあり、クラシックな雰囲気もあります。

 一方、1シリンダーあたり4バルブ2プラグで、メッキシリンダーに鍛造ピストン、電子制御燃料噴射などの最新技術で構成され、構成部品の90%が「MT-01」のために新設計されています。

 クルーザー用の大排気量空冷Vツインは他にもありますが、ロードスポーツ用にチューニングされた、ここまで大きなVツインはあまり例がありません。

ヤマハ「MT-01」(2005年型/海外向けモデル)
ヤマハ「MT-01」(2005年型/海外向けモデル)

 外観で視線を集めるシート両サイドのメガホンアップマフラーは、表面に樹脂素材のカバーを採用しており、その内側には0.1mmのアルミ製断熱材を接着し、温度センサーで制御されるファンで強制排熱しています。

 車体の方もユニークかつ新技術満載の構成です。フレームはバックボーン型のアルミ製ですが、溶接のないボルトオン方式となっています。メインフレームは左右分割部材をボルトで締結し、リジッドマウントでエンジンも剛性メンバーとして活用しています。

 このメインフレームは当時確立されて間もない、ヤマハ独自の「CFアルミダイキャスト技術」で作られており、その製法は軽量で美しいフレームが製作できる優れた技術です。

 進化を続けたCFアルミダイキャスト技術は、現行モデルでは「MT-09」シリーズなどに使用されています。

デザインの大きなポイントにもなっているメガホンタイプの2本のアップマフラー。強制排熱ファンなどライダーへの熱対策も施されている
デザインの大きなポイントにもなっているメガホンタイプの2本のアップマフラー。強制排熱ファンなどライダーへの熱対策も施されている

 本来リアショックが収まるべきメインフレームの後方にはエキゾーストパイプが立ち上がって来るため、リアショック本体はスイングアームピボットの下部分に横向きに寝かされて搭載されています。

 究極の大人の趣味バイクである「MT-01」ですが、実は輸出専用車で日本国内では海外向けのヤマハ車を輸入するプレストからの販売となっていました。

 強烈な個性を放ち話題になったものの、販売では苦戦し国内でその迫力ある姿を見かけることは稀です。

「MT-01」のトルクを味わう楽しみは、その後の「MT」シリーズに受け継がれて独特の世界観は大きな広がりを見せています。

■ヤマハ「MT-01」(2005年型)主要諸元
エンジン形式:空冷4ストローク48度V型2気筒OHV4バルブ
総排気量:1670cc
最高出力:90ps/4750rpm
最大トルク:15.3kgf・m/3750rpm
全長×全幅×全高:2185×790×1160mm
シート高:825mm
始動方式:セル式
燃料タンク容量:15.0L
車両重量:259kg
タイヤサイズ(F):120/70ZR-17 58W
タイヤサイズ(R):190/50ZR-17 73W

【取材協力】
ヤマハ・コミュニケーションプラザ(静岡県磐田市/ヤマハ発動機本社隣接)
※本記事中の写真は許可を得て撮影しています

【画像】“鼓動体験”を提唱!! ド級のトルクマシンで心を揺さぶるヤマハ「MT-01」を画像で見る(14枚)

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Writer: 柴田直行

カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員

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