ドゥカティを相手に驚愕の走りを見せつけるハーレー 「JOYRIDEスピードショップ」がFXRでサーキットに挑む意味とは

ストック状態では圧倒的に足りないバンク角を確保する為、リアのオーリンズサスは16.3インチのロングタイプを装着。フロントも同様にオーリンズ製フォーク、スイングアームはBrock's製に変更され、足周りが強化されています。シートベースはフルゲイン製、シートはジミードープが担当します。
この日のレースはジョイライドから西田選手の他、XR1200の豊山選手もエントリー。ちなみに西田選手は海外製マシン、というレギュレーションの“MAX10グループ”の中で筑波6秒台のマシンがエントリー対象となる“MAX-6”で優勝、豊山選手も3位を獲得です
4月4日に筑波サーキットで開催されたMCFAJによる“MAX-6A”(空冷クラス)で見事、表彰台の頂点と3位を獲得したJOYRIDEスピードショップの面々。ほとんどの参加車両がドゥカティの中、この成績は見事に尽きるものです
エンジンはS&S製111cu-in(約1820cc)をベースにJOTRIDEによって手が加えられたもの。キャブはミクニ製HSR48、カムはラインウェーバー、点火はダイナ2000iに変更され、後軸で120psを発揮します。またミッションもデルクロン製ケースにJIMS製5速に換装されているとのことです
ハーレーのビッグツインモデルで不足するバンク角を稼ぐため、大きく跳ね上がった形状のマフラーはJOYRIDEによるワンオフ(一品もの)を装着。ステップも同店製ですが、どちらもサーキット走行を重ね、幾度となく造り変えたとのことです
Brock's製アルミスイングアームに装着されたホイールは前後ともアクティブ製グライドホイールを装着。現在は18インチが装着されているが、ここは今後、17インチ化される予定とのこと。ブレーキもGALFER製ローターとブレンボ製キャリパーで制動力が強化されています
バンク角を確保する為、ダービーカバー部分をカットした上で車体内側に寄せ、加工が施されたプライマリー周り。各部に施されたシルバースミス・フィンによる彫金もチョッパーも取り扱うショップらしい遊び心を感じさせる箇所となっています
ハンドルは西田氏の古巣であるPOSH製を装着。またKOSO製タコメーター下に装着されたスマートフォンにはサーキットでのラップタイムがオンタイムで確認出来るデーター・ロガー・アプリがインストールされているとのこと。こうした部分も今の時代のレーサーらしさを感じさせる箇所です
車体の各所にはご覧のようにGo-Pro製カメラを装着。この日のMCFAJクラブマンロードレースの“MAX-6”参戦の様子はJOYRIDEスピードショップのYouTubeチャンネルで配信されています
ハーレーのビッグツインであることが信じがたい程のバンク角でコーナーを駆け抜けるJOYRIDE-FXR。ライダーである西田選手の力量もさることながらマシン自体のポテンシャルの高さも伺えます
ヘビーな車重や車体のバンク角の少なさなどサーキット走行に不向きなビッグツイン・ハーレーをサーキット仕様にモデファイしたこのマシン。ビルダー兼ライダーである西田裕氏が試行錯誤を重ね、現在は筑波サーキットで1分6秒1のタイムを叩きだすまでのポテンシャルに仕上げられています。ちなみにノーマルのFXRのスペック上の車重は265kgなのですが、そうしたマシンでこのタイムは驚愕の一言です
にしだ ゆたか 1974年に東京都台東区上野で生まれ、5~18歳までは宮城県仙台市で過ごす。幼少期から野球漬けの毎日を送り、仙台育英高校時代はレギュラーとして甲子園に出場。スポーツ推薦で大学に進学するものの野球の夢を断念し、20歳の頃にバイクの免許を取得。それ以降、年の前半はバイク・パーツメーカーの“POSH”、12~4月までのウィンターシーズンは北海道でスノーボードに熱中する毎日を送り、数年を経てからPOSHに就職。15年間、商品開発を担当する。2013年にJOYRIDEスピードショップを開業し、現在に至る。このサイトでご紹介するとおり“走り”を念頭に置いたマシン・ビルドはもとより、リジッドのチョッパーなども手掛ける幅広い作風を持つ。ライダーとしては勿論、カスタム・ビルダーとしても丁寧な仕事に定評のある優れた資質を持つ人物です
往年のツインレース、“バトル・オブ・ツイン”ではハーレーがドゥカティを向こうに回し、勝利した光景も見られましたが、それはあくまでもXRなどの純レーサーでの話。ハーレーのFXRで水冷のドゥカティ851と対等に戦い、抜き去る姿は圧巻です

この画像の記事を読む

画像ギャラリー

最新記事